帝人 ポリエステルフィルム事業子会社を東洋紡に売却

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2019年5月24日

 帝人はこのほど、日本とインドネシアでポリエステルフィルム事業を展開する連結子会社・帝人フィルムソリューション(TFS社)ならびにP.T. Indonesia Teijin Film Solutions(ITFS社)の所有株式全てを、東洋紡に売却することを決定し、東洋紡との間で株式譲渡契約を締結したと発表した。

  帝人グループは、ポリエステルフィルム事業の競争力強化に向け、2016年に日本の生産拠点を宇都宮事業所に集約するなど、さまざまな対策を講じてきた。また、その過程で、事業運営の柔軟性と意思決定の迅速性を向上させるため、合弁パートナーであったデュポン社から、日本およびインドネシアの合弁会社のデュポン社持分を取得し、各々100%子会社として運営してきた。

 その結果、ポリエステルフィルム事業は一定の収益を上げる体質へと強化されたが、TFS社ならびにITFS社のさらなる成長と、帝人グループの経営資源の最適配分の観点から、今回の決定に至った。

 東洋紡は、フィルム事業を成長分野と位置づけ、事業拡大を進めている。株式を取得することで、TFS社の持つ高い開発力、幅広い顧客ネットワークとの融合と、ITFS社を含む生産体制の強化により、事業を大きく成長させることができる。なお、株式譲渡は10月1日を予定している。

帝人 NMN含有サプリの販売を開始、NOMON第1弾製品

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2019年5月22日

 帝人はこのほど、販売会社NOMONを通じ、ニコチンアミド・モノヌクレオチド(NMN)含有サプリメント「NADaltus(ナダルタス)」の販売を開始した。

 NOMONは、帝人が提供する健康維持に有用で科学的根拠をもつ食品や飲料といった、ニュートラシューティカル製品の販売を目的に今年2月に設立した新会社。同製品が第1弾となった。

 「ナダルタス」は、1カプセルあたり125mgのNMNを含有。原料調達から製造、販売に至る全工程を日本国内で行っている。30カプセル入りで、税込み価格は15万円。NOMONの公式オンラインストア(http://www.nomonshop.jp/)で販売を行う。

 NMNは、身体の機能を保つのに必要な生体内物質NAD(ニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチド)の前駆体。ヒトが体内に保有する物質で、母乳やブロッコリーなどの野菜にも含まれる。摂取により、加齢に伴い減少する生体内物質が維持され、健康的に身体のコンディションを保つ効果が期待されている。

 帝人グループはNOMONが提供する製品を通じて、全ての人が自分らしい人生を全うするプロダクティブ・エイジングの実現と、世界中の人々のQOL向上に貢献していく考え。

 

帝人 チャイナプラスに出展、樹脂セミナーも開催

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2019年5月21日

 帝人グループは21~24日に広州中国进出口商品交易会琶洲展館(中国・広州市)で開催される、アジア最大のプラスチック見本市「チャイナプラス2019」に出展する。

 20回目となる今回の出展では、「帝人グループの技術と素材、およびこれらを組み合わせた部材の活用によるソリューション提案」「自動車の軽量化、高性能化に貢献し、マルチマテリアル部品を実現する高機能素材の紹介」をテーマとして、さまざまな製品や取り組みを紹介する。

 また、昨年も好評を得たブース内での樹脂セミナーも開催することにしており、帝人グループの優れた加工技術や、部品提供型のソリューションビジネスについてアピールする。

 主な展示内容はポリカーボネート樹脂製ピラーレスフロントウィンドウと、透明性と難燃性を両立した水性塗料、炭素繊維「テナックス」を使用した熱可塑性複合材料。

 ポリカーボネート樹脂製ピラーレスフロントウィンドウは、特殊なコーティング技術で高い耐摩耗性と優れた耐候性を付与したことで、世界で初めて樹脂製のフロントウィンドウとして市販車に採用された。車体の軽量化に加え、視認性向上による安全確保や爽快なドライビングにも寄与する。

 透明性と難燃性を両立した水性塗料は、大日技研工業・大丸工業と共同開発した「ランデックスコート難燃クリア」。ノンハロゲンアクリル系水性塗料としては世界で初めて、高い透明性と難燃性の両立を実現した。木材だけでなく、紙や繊維、プラスチックなどの表面に塗布するだけで、自然な風合いを維持しながら、高い難燃性を付与することができる。

 「テナックス」を使用した熱可塑性複合材料では、市場の拡大が見込まれる自動車・航空機用途、エレクトロニクス用途などに向けて、同社のポリカーボネート樹脂「パンライト」などの各種熱可塑性樹脂を母材に用いたプリプレグと、その成形品を紹介する。

 

帝人 ニュートラシューティカル製品の販売会社を設立

2019年5月17日

 帝人は16日、ヘルスケア事業領域での新規事業創出に向けたニュートラシューティカル製品の研究を続ける中で、このたび販売会社「NOMON」(山名慶社長、東京都千代田区)を設立し同事業に参入すると発表した。

 ニュートラシューティカルとは、人々の日々の健康維持に有用である科学的根拠をもつ食品・飲料の総称。新設するNOMONは、「LIFE IS LONG.」のブランドメッセージの下、全ての人々が、自分を取り巻くさまざまなことに可能な限りつながりながら、歳を重ねることで、自分らしい人生を全うする「プロダクティブ・エイジング」の実現を目指す。同日から最初のニュートラシューティカル製品の販売を開始しており、今後も随時ラインアップを拡充していく。

 帝人グループは、中・長期的な課題として、ヘルスケア事業でのポートフォリオ変革を進め、医療保険適用の内外に捉われない、さまざまな領域で新規ビジネスの創出を図っている。その一環として、医薬品事業と在宅医療事業で培った研究開発力や、臨床評価技術を活用することができ、すでに新規事業として展開している機能性食品素材事業などとシナジーが期待できる領域として、ニュートラシューティカルに着目し、研究や諸準備に取り組んできた。

 帝人グループのヘルスケア事業は、「一人ひとりが生まれてから最後の日を迎えるまで人生を支えること」を目指しており、新会社NOMONは、提供するニュートラシューティカル製品を通して、世界中の人々のQOL向上に貢献していく考え。

 

帝人 AMEDとフレイル創薬の委託研究開発契約を締結

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2019年5月15日

 帝人は14日、フレイル創薬に関し、日本医療研究開発機構(AMED)と委託研究開発契約を締結し、産官学連携の研究開発を本格的に開始したと発表した。AMEDの医療研究開発革新基盤創成事業(CiCLE)に申請していた「フレイルの予防薬・治療薬の研究開発」が、昨年10月に採択されたことを受けたもの。

 対象となる〝フレイル〟は、2014年に日本老年医学会が提唱した「加齢に伴う予備能力低下のため、ストレスに対する回復力が低下した状態」を表す概念で、要介護状態に至る前段階として位置づけられている。

 健康長寿社会の実現に向けて、積極的な介入が必要と考えられている一方で、現状では有効性の確立した医療用医薬品が存在していない。同社では世界初となるフレイルの予防薬・治療薬の開発に取り組んでいく考えだ。

 今後は、CiCLEの支援のもと、大阪大学大学院、東京大学、神戸医療産業都市推進機構、国立循環器病研究センター、オリエンタル酵母工業、島津製作所、Meiji Seikaファルマ、帝人ファーマと共同で、革新的な創薬開発を進めていく。

 日本は高齢化率が25%を超える超高齢社会を迎えており、2023年には2000万人以上が75歳以上の後期高齢者になると推定されている。また、健康寿命は平均寿命に比べて男性で約9年、女性で約12年も短く、その対策が課題となっている。

帝人の3月期 アラミド繊維好調も減益に

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2019年5月10日

 帝人は9日、2018年度(2019年3月期)の連結業績を発表した。売上高は前年度比6%増の8886億円、営業利益14%減の600億円、経常利益11%減の603億円、純利益1%減の451億円。

 園部芳久取締役専務執行役員CFOは今年度の売上高について、「マテリアル領域、ヘルスケア領域ともに販売が堅調に推移し増加した」とし、営業利益については「減益となった主だった要因は、

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帝人 GM新型ピックアップトラックにCFRTPが採用

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2019年5月9日

 帝人はこのほど、同社が展開する熱可塑性炭素繊維複合材料(CFRTP)製品である「Sereebo(セリーボ)」が、米国ゼネラルモーターズ(GM)のピックアップトラック2車種に採用されたと発表した。

GMC シエラ・デナリ1500
GMC シエラ・デナリ1500

 同製品が使用されるのは、GMが今年の夏から市場展開を開始するピックアップトラック「GMC シエラ・デナリ1500」と「GMC シエラAT4 1500」のピックアップボックス(荷台)「カーボン・プロ」で、CFRTPが量産自動車の構造部材に使用されるのは世界で初めてのことになる。

 帝人が開発した「セリーボ」は、熱可塑性樹脂を使用し、世界で初めて製造タクトタイムを約1分にまで短縮したことにより、自動車部品などの量産対応を可能にした革新的なCFRTP。

 一方、「カーボン・プロ」は、帝人がGMと共同開発したピックアップボックスで、ポリアミド系樹脂を母材として、炭素繊維をランダムに分散させた「セリーボ」シリーズの製品を荷台内側のパネル部分に使用している。

 「セリーボ」を用いることで、成形時間の大幅な短縮を実現したほか、スチールを使用したピックアップボックスに比べて約40%の軽量化を実現するとともに、約10倍の耐衝撃性を有し、耐腐食性にも優れている。また、従来の素材では量産できなかった複雑なデザインの成形にも対応でき、リサイクルも容易だ。

 なお、「セリーボ」を用いた「カーボン・プロ」の荷台内側部分は、帝人グループで軽量複合材料製品の生産・販売・技術開発を展開するコンチネンタル・ストラクチュラル・プラスチックス(CSP社)のハンティントン工場(インディアナ州)で製造される。

 帝人はTier1サプライヤーとして、素材選定から部品設計にまで踏み込んだ提案力の強化やグローバル安定供給体制の確立を図るとともに、2020年以降の環境規制強化に対応した車体の軽量化に向けた提案力強化のため、使用材料の拡充や他メーカーとの協業などを進め、マルチマテリアルでの部品供給メーカーとしてソリューション提案力を強化していく。

 さらに、2030年近傍には、自動車向け複合材料製品事業の売上を20億ドル規模へと拡大していく考えだ。

帝人 マキタと共同開発のファンジャケットが販売好調

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2019年5月8日

 帝人が昨年から展開をはじめた、内圧式ファンジャケットが好調だ。今年はさらに新たなデザインを加え、ラインアップを拡充している。同社が電動工具メーカーのマキタと共同開発したファンジャケットは、二層構造の生地の間に外気を取り込み、ジャケット全体に空気を循環させる内圧式クーリング構造を採用し、従来にはないベストタイプのデザインを実現したもの。

 今年は同製品に加え、ユーザーの使用場面に合わせ、袖の部分の取り外しが可能な2WAYタイプと、全身に風が流れるツナギタイプの2種類を新たに開発。ポケット内でバッテリ操作ができるように、ジャケットの内側から左右ポケットに電源ケーブルを通せる方式にした。

 また、迷彩柄などのカラーバリエーションを増やすとともに、5L~7Lの大型サイズをラインアップ。さらにフルハーネス安全帯や草刈り機などの使用に対応したタイプなど、より使用者のニーズに合わせた仕様を取り揃えた。

 今年は、デサントジャパンからスポーツアパレル分野に向けて販売開始されるほか、ユニフォーム分野でも、物流・建設業の池田興業をはじめとして採用が拡大しており、同社は今年、昨年比四倍以上の販売を見込んでいる。

 帝人は働き方改革の一環として、各企業の労働環境の改善に向けて今後も労働現場のニーズを追求し、未来の社会を支えるソリューション提供に取り組んでいく。

 

帝人 中国でコンポジット部品を初採用、JMCの新型車種に

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2019年4月25日

 帝人は24日、中国の自動車メーカー江鈴汽車(JMC)のピックアップトラック「Yuhu3」と「Yuhu5」のピックアップボックス(荷台)に、コンポジット部品が採用されたと発表した。

 帝人グループで軽量複合材料製品の開発・生産・販売を手掛ける、米国コンチネンタル・ストラクチュラル・プラスチックス(CSP)の中国合弁であるCSP-Victallが、JMCと共同開発した。中国でコンポジット部品がピックアップボックスに使用されるのは初めて。

 CSP-Victallは、2017年にJMCと共同開発を開始し、JMCからの要求特性を満たすコンポジット部品の実現に向け、素材から設計、成形工程に至るまで改良を重ねてきた。

 今回採用されたコンポジット部品は、CSP-Victallが独自開発したSMC(熱硬化性樹脂を繊維に含浸させ、シート状にした成形材料)を使用。これにより、スチール使用のピックアップボックスに比べて軽量性・耐腐食性・耐衝撃性に優れるほか、部材点数の削減によって成形工程を大幅に短縮することができ、コスト効率の向上を実現した。

 帝人グループは「自動車向け複合材料事業の展開」を発展戦略の1つとして掲げており、今後も複合化を強みとした技術開発に一層注力し、車体軽量化のソリューションプロバイダーとしてグローバルに事業を展開していく。

 

帝人 ヘルスケア企業と業務提携、睡眠分析サービスを提供

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2019年4月16日

 帝人とベネフィットワン・ヘルスケアは15日、業務提携によりベネフィットワン・ヘルスケアが契約する企業のストレスチェック利用者に対して、帝人が展開する睡眠チェックサービス「スリープチェック」の提供を開始すると発表した。

 「スリープチェック」は帝人グループが展開する「SleepStyles 睡眠力向上プログラム」をカスタマイズしたもの。従業員に対する5分程度のアンケートの結果から、個人の睡眠タイプを分析し、各タイプに応じた睡眠力向上のためのアドバイスをフィードバックする。

 また、このサービスを導入した企業には、オプションで従業員の睡眠状況を把握できる企業向けレポートや、オンライン学習コンテンツを提供する。さらに、睡眠に関するセミナーなどを開催し、ストレスと最も関係の深い生活習慣である睡眠の改善を図り、高ストレス者の低減につなげていく。

 厚生労働省の「国民健康・栄養調査(2017年)」によると、「ここ1カ月間、睡眠で休養が十分にとれていない者の割合」は20.2%に及ぶ。その割合は増加傾向にあることから、健康経営や働き方改革を推進する企業にとって、不眠や睡眠障害が及ぼす労働生産性の低下や、労働災害などのリスクが高まっている。

 こうした中、ベネフィットワン・ヘルスケアは、医療機関や保健師、看護師、管理栄養士などの豊富なネットワークを生かし、国民健康保険や健康保険組合などに対し、健診予約代行をはじめ、健診データ管理、特定保健指導、糖尿病などの重症化予防事業に至るまで、疾病予防でのワンストップサービスを提供しており、2015年12月から義務化されたストレスチェックにも対応している。

 一方、帝人グループは、睡眠時無呼吸症候群(SAS)治療装置のレンタル事業からウェアラブルデバイスの販売まで、幅広い領域で睡眠関連のソリューションを提供している。その中で、これまでに培ってきたノウハウや保有するさまざまなツールを活用したサービスとして、昨年4月から健康経営を支援する「SleepStyles 睡眠力向上プログラム」の提供を開始した。

 両社は業務提携を通じて、ストレスや睡眠」関わるリスクの改善をサポートするとともに、企業の健康経営と医療費の適正化に寄与していく。