東洋紡 新型コロナ迅速プール検査法を共同開発・実用化

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2021年4月8日

 東洋紡は7日、プレシジョン・システム・サイエンス(PSS社)と共同で、新型コロナウイルスに対する迅速プール検査法の開発と実用化に成功したと発表した。

 検体プール検査法は、唾液などの検体を複数混合して検査するもので、検査数を大幅に増やすことができる。その一方で、検体の前処理に人手と時間が必要なことや、プール検体で陽性を検出した場合の再検作業などにより、検体採取から結果報告までに約2日を要していた。

 両社は今回、筑波大学医学医療系の鈴木広道教授による発案・指導の下で迅速プール検査法を開発。東洋紡が販売する遺伝子解析装置「GENECUBE(ジーンキューブ)」(モデルC)と、PSS社が販売する全自動核酸抽出装置「magLEAD(マグリード)12gC」を連携する最適化プログラムを開発することで、人手をほとんど介さずに、唾液検体到着から結果報告まで最短約1時間の迅速プール検査を実現した。

 同検査法は、チップ操作が不要であることに加え、設置幅が約1mと省スペースであり、1時間に120件程度の処理が行える。なお、両装置の連携を最適化する専用カードとラックアダプターは、今月中旬にPSS社から発売される。既存の「magLEAD 12gC」に搭載するのみで速やかな運用開始が可能になる。

迅速プール検査法の流れ。検体採取から結果まで約2日を要していた検体プール検査を、最短約1時間に短縮する
迅速プール検査法の流れ。検体採取から結果まで約2日を要していた検体プール検査を、最短約1時間に短縮する

積水化学工業 抗ウイルススプレー、コロナ不活化効果が持続

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2021年3月2日

 積水化学工業は1日、100%子会社である積水マテリアルソリューションズが、「抗ウイルス加工剤配合エタノール水溶液スプレー」について、新型コロナウイルスへのウイルス不活化効果の持続性を確認したと発表した。

 同社は、試験を外部研究機関である奈良県立医科大学医学部微生物感染症学講座およびMBTコンソーシアムで実施。①一定の条件下で同スプレーを新型コロナウイルスに一分間接触させると、ウイルス感染価が99%以上減少、②一定の条件下で同スプレーを噴霧したフィルムは、1カ月後に新型コロナウイルスを5分間接触させると、ウイルス感染価が99%減少、といった試験結果を得た。

 これらの成果により、同スプレーおよびその噴霧フィルムは、新型コロナウイルスを短時間で不活化することが判明した。また、1カ月静置させた噴霧フィルムで効果があったことから、不活化効果の長期継続も期待される。

デンカ 新型コロナとインフルエンザの同時診断キット

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2021年2月12日

 デンカはこのほど、新型コロナウイルスとインフルエンザウイルスを1つのデバイスで同時に診断できる抗原迅速診断キット(コンボキット)を開発し、体外診断薬としての国内薬事承認を医薬品医療機器総合機構(PMDA)に申請した。

 このコンボキットは、イムノクロマト法により1つのデバイスで新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)抗原とインフルエンザウイルス(A型とB型)抗原を検出し、短時間で陽性/陰性の検出結果を識別する。両感染症は症状による見分けがつきにくいため、同時判定により適切な治療方法の適用と医療関係者の負担軽減が期待される。

 同社は検査試薬事業で長年実績があり、インフルエンザウイルス抗原迅速診断キット「クイックナビ-Flu2」やアデノウイルス抗原迅速診断キット「クイックナビ-アデノ2」などに加え、昨年8月から新型コロナウイルス抗原迅速診断キット「クイックナビ-COVID19 Ag」を発売し、販売提携先の大塚製薬とともに全国の医療機関に供給している。

 「クイックナビ-COVID19 Ag」は特別な検査機器を必要とせず、鼻咽頭または鼻腔ぬぐい液中の新型コロナウイルス抗原の有無を約15分で診断でき、一般の医療機関でも迅速簡便に検査できるため普及が進んでいる。抗原検査拡充のために、1日10万検査分の生産能力を、11月からは最大13万検査分に増強した。感染症対策を社会的責務と捉え、充分な供給体制の下、一般医療機関での新型コロナウイルス抗原検査のさらなる拡充に貢献していく考えだ。

 

三菱ケミカル 抗ウイルス・抗菌スプレーにコロナ不活化効果

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2021年2月10日

 三菱ケミカルはこのほど、グループ会社である新菱(福岡県北九州市)が、今回新たに開発した抗ウイルス・抗菌スプレーについて、新型コロナウイルスに対する効果確認のための評価試験を行い、99.9%以上のウイルスを不活化した結果を得たと発表した。

 なお、同評価は、日本繊維製品品質技術センターで実施。評価方法(ISO21702:「プラスチック及びその他の非多孔質表面の抗ウイルス活性の測定」準用)では、プラスチック試験片に抗ウイルス・抗菌スプレーを塗布してから4週間放置した後、試験片に新型コロナウイルス液を滴下。その上にフィルムを被せて密着させ、25℃で24時間静置。その後、試験片から新型コロナウイルスを洗い出し、そのウイルス感染価を測定することで不活化効果を確認した。

三菱ケミカル マルカサイド加工剤、コロナ不活化効果を確認

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2021年1月22日

 三菱ケミカルとグループ会社の大阪化成、および北里研究所はこのほど、新型コロナウイルスの不活化評価に関する共同研究について、大阪化成が製造・販売する「マルカサイドAV」で加工した生地が新型コロナウイルスに対し、短時間(1分間または10分間)で不活化効果があることを確認したと発表した。

 新型コロナウイルスは、ここにきて国内外で感染が拡大。国内の感染者数は32万人(1月17日現在)を超え、世界的な規模で第3波の流行に襲われている。このような状況下、医療関係者などの感染防御対策は、医療崩壊を防ぐ上でも極めて重要であり、社会的にも喫緊の課題となっている。

 「マルカサイドAV」は、有機系第4アンモニウム塩を主成分とする水性剤であり、主に繊維加工剤として使用される。急性経口毒性・変異原性・皮膚刺激性・皮膚感作性の安全性が確認されているほか、各種ウイルスに対する抗ウイルス効果やグラム陽性菌群、グラム陰性菌群および真菌(カビ)などの幅広い菌種に効果を発揮する。

 今回の評価結果では、「マルカサイドAV」を加工した対象布は、不織布の場合、10分間で1万分の1以下に、1分間で100分の1以下にコロナウイルスが不活化された。また、ポリエステル(65%)と綿(35%)の混紡生地では10分間、1分間とも約1万分の1以下に不活化が確認され、さらに10回の洗濯後でも100分の1以下まで不活化が可能であった。

 3者は、引き続き共同研究を進め、医療機関で使用される防護服や白衣、カーテンなどへの用途展開を図り、研究の意義である医療関係者などの感染防御対策など、医療現場へ貢献、医療崩壊予防などに役立つよう研究を進めていく考えだ。

マルカサイド加工生地 抗ウイルス試験
マルカサイド加工生地 抗ウイルス試験

カネカ 新型コロナ用DNAワクチンの製造体制に参画

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2020年9月4日

 カネカはこのほど、グループ会社カネカユーロジェンテック(ベルギー)が、アンジェス(大阪府茨木市)や大阪大学などが開発を進めている新型コロナウイルス用DNAワクチンの大量生産に向け、タカラバイオを中心とする製造体制に参画したと発表した。同ワクチンは大阪大学とアンジェスのプラスミドDNA医薬品開発の実績をもとに開発され、今年6月から臨床試験を開始。実用化に向けて開発が加速している。

 カネカユーロジェンテックは、1985年から医薬・診断薬、研究試薬用のタンパク質、核酸、ペプチドの製造販売を行っている。世界トップクラスのプラスミドDNA技術をもつことから、同ワクチンの中間体製造を受託した。なお、同社はベルギー政府の要請で、新型コロナウイルス検査用のPCR検査試薬も供給している。

 カネカは、mRNAやプラスミドDNAなど最先端の高度技術を活用し、ワクチンの受託製造や抗ウイルス薬の開発、医療器を用いたソリューション提供などにより新型コロナウイルス問題の課題解決に貢献し、世界を健康にしていく考えだ。

Kaneka Eurogentec社の外観
Kaneka Eurogentec社の外観

デンカ コロナ抗原迅速診断キットの国内製販承認を取得

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2020年8月20日

 デンカはこのほど、新型コロナウイルスの抗原迅速診断キットの国内製造販売承認を取得したと発表した。体外診断用医薬品「クイックナビ‐COVID19 Ag」として、五泉事業所(新潟県五泉市)で最大1日10万検査分の量産体制の下、今月13日から順次医療機関への販売を開始。また、販売提携先の大塚製薬は9月1日から販売する。

コロナウイルス抗原キット「クイックナビ‐COVID19 Ag」
コロナウイルス抗原キット「クイックナビ‐COVID19 Ag」

 診断キットは特別な検査機器を必要とせず、鼻咽頭ぬぐい液中の新型コロナウイルス抗原の有無を約15分で診断。一般の医療機関でも迅速かつ簡便に検査を行うことができる。また、インフルエンザの流行に備え1度の検体採取で新型コロナウイルスとインフルエンザのウイルス抗原を診断できるよう準備を進めている。判定時間のさらなる短縮や検体種の適用拡大などにも積極的に取り組んでいく方針だ。

 デンカはインフルエンザをはじめとする長年の感染症検査試薬の開発・製造で蓄積してきた技術とノウハウを生かし、コロナ対策を社会的責務と捉え今年2月に同診断キットの開発に着手。同感染症が世界的に拡大し国内でも早急な検査体制の強化が求められる中、国立感染症研究所と開発に関する共同研究を進め、AMED(日本医療研究開発機構)の研究班への参画を通じて国立感染症研究所より抗体と抗原の分与を受け、開発を加速させてきた。通常は開発から製造販売承認取得までに最短でも1年半から2年を要するところ、関係官庁や公的機関、国内外の研究機関の協力と支援を仰ぎ約半年で承認を得ることができた。

 デンカは、「同製品が現在求められている新型コロナウイルスの検査体制のさらなる拡充に活用されることで、人々のQOL向上に貢献できるものと確信している」とコメントしている。

東洋紡 コロナ対策でエアバッグ基布製防護服を犬山市へ

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2020年7月6日

 東洋紡の犬山工場(愛知県犬山市)はこのほど、同市への感謝の意を込め、エアバッグの基布を活用した防護服50着を寄贈した。6月23日に犬山市役所で開催された贈呈式では、山田拓郎犬山市長をはじめとする関係者が出席し、同社の神田弘治犬山工場長より防護服が手渡された。

エアバッグ用基布を活用した防護服
エアバッグ用基布を活用した防護服

 寄贈した防護服は、新型コロナウイルスにより深刻化する医療資材の不足の解決に向け、豊田合成(愛知県清須市)などと共同で開発した。生地には、東洋紡が生産するエアバッグ用基布を使用。シリコーンコーティングを施し空気を通さないため防護服機能を備え、洗濯して繰り返し使うことも可能なもの。

山田拓郎犬山市長(左)と、東洋紡の神田弘治犬山工場長。贈呈式にて
山田拓郎犬山市長(左)と、東洋紡の神田弘治犬山工場長。贈呈式にて

 東洋紡は今後も、新型コロナウイルスの感染拡大防止に日夜尽力する医療従事者を支援していく考えだ。なお、犬山工場はフィルム事業の基幹工場で、主にポリプロピレンやポリエステル、ナイロンを原料にフィルム生産を担う。液晶パネルなどの光学部材から、衛生性が重要な食品包装資材まで、多岐にわたる用途に対応するカスタマイズ能力があり、工場全体の生産品目は数百種にも及ぶ。また、研究・開発・生産という一連の機能すべてを工場内に備える。

BASF 新型コロナへの有効成分を特定、データを無償提供

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2020年7月1日

 BASFはこのほど、新型コロナウイルスに効果のある有効成分の探索支援のため、同社の数百万件に及ぶ化合物質ライブラリーの中から特定した物質データを、学術研究グループに無償提供するとともに、公的研究プロジェクト向けに、有望な分子をスーパーコンピューターにより同定し最適化したと発表した。

 同社は新型コロナウイルス感染症の対策支援活動として、総額約1億ユーロ超を投じた「Helping Hands」キャンペーンを実施。手指消毒液やマスクの寄付にとどまらず、治療用の有効成分を探索する学術研究グループへの支援も行っている。

 世界中の学術機関が、新型コロナウイルスに対する有効成分を迅速に同定するために、他のウイルス性疾患向け承認薬の有効性試験を細胞培養で行っている。しかし、これら化合物の有効性が不十分な可能性があり、活性成分の誘導体を探索する必要がある。同社は、類似化合物を探すために、数百万分子に及ぶ同社ライブラリーからコンピューター支援検索し、150の有望な候補を特定。これら分子の特許請求はせず、学術研究グループが無料で利用できる。

 また、スタートアップのPostEra社の「COVID‐19ムーンショット」プロジェクトによる、ウイルスの必須酵素である主要プロテアーゼの阻害物質(ウイルスの複製防止)の探索にも参画。BASFのスーパーコンピューター「Quriosity」を用いた分子設計とシミュレーションにより、主要プロテアーゼの活性部位へ最も適合する分子20個を見つけ出し、同プロジェクトに無償提供している。

 一方、これら仮想分子の合成可否と実現性は不明であるため、合成可能な化合物の中からの探索検討も行った。同プロジェクトの委託製造会社が原理的に合成できる約12億個の化合物について、主要プロテアーゼ阻害の可能性をスーパーコンピューターで評価。これにより、可能性のある全ての分子を迅速に合成し実験でテストできる。なお、これらの結果は、同プロジェクトを通して公開する予定だ。

 BASFは、150年以上の研究実績と知見、大規模物質ライブラリー、さらにスーパーコンピューターや分子設計用プログラムなどの研究力で有効成分の研究を支援し、コロナウイルス対策に貢献していく考えだ。

 

AGC 製造受託のコロナ治療薬候補、米で臨床試験を進行

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2020年6月3日

 AGCはこのほど、CDMO事業子会社である米AGCバイオロジックス社が原薬製造を受託している、米CytoDyn社の開発した新型コロナウイルス向け治療薬候補「レロンリマブ」について、FDAが第Ⅱb/Ⅲ相臨床試験実施を承認したと発表した。

 CytoDyn社の開発した「レロンリマブ」は、HIVや乳癌の患者向けに開発されている治療薬。同治療薬を新型コロナウイルスの患者に投与することで、サイトカインストーム(血中サイトカインの異常上昇が起こり、多臓器不全にまで進行する状態)を抑制する効果などがあり得ると考えられている。

 すでに米国の新型コロナウイルス重症患者に実際に投与され、効果が確認されたことから、今回の臨床試験進行の承認が行われた。

 AGCグループは、製薬会社の新型コロナウイルスワクチンや治療薬の製造を担い、新型コロナウイルスの感染拡大の抑止や流行の終息に貢献していく。