[日本触媒・役員人事](4月1日)▽ベーシックマテリアルズ事業部担当、事業企画開発部担当、取締役常務執行役員、事業部門管掌山田浩一郎▽DX推進チーム担当、同同役員、生産・技術部門管掌、生産本部担当、エンジニアリング本部担当、インドネシアプロジェクト担当入口治郎▽事業創出本部担当、常務執行役員長砂欣也▽エナジー&エレクトロニクス事業部長、同役員吉田雅也▽インダストリアル&ハウスホールド事業部担当、同役員長谷部連。
2020年4月1日
2020年3月31日
[日本触媒/組織改正](4月1日)【本社】▽研究推進部を吹田総務部に再編し、総務人事本部に編入する▽研究RC部を吹田RC部に改称し、レスポンシブル・ケア室に編入する▽AI導入推進チームをDX推進チームに改称する▽事業創出本部にR&D推進チームを置く▽開発部と企画部を再編し、事業企画開発部を新設し、企画グループ、開発グループを置く▽EO事業部、機能性化学品事業部、新エネルギー・触媒事業部を以下の通りとする▽EO事業部、機能性化学品事業部、新エネルギー・触媒事業部を、ベーシックマテリアルズ事業部、インダストリアル&ハウスホールド事業部、エナジー&エレクトロニクス事業部に再編する▽ベーシックマテリアルズ事業部に、EO営業部、ベーシックケミカルズ営業部を置く▽インダストリアル&ハウスホールド事業部に、インダストリアル営業部、ペイント&コーティング営業部、ハウスホールド営業部、インダストリアル&ハウスホールド研究部を置く▽エナジー&エレクトロニクス事業部に、エナジー営業部、環境システム営業部、エレクトロニクス&イメージング営業部、エナジー研究部、エレクトロニクス&イメージング研究部を置く▽アクリル研究部をプロセス触媒研究部に改称する【姫路製造所】▽吸水性樹脂製造部製造第1課を製造第1課と製造第2課に分割し、製造第2課に第1係、第2係、第3係および第4係を置く▽吸水性樹脂製造部製造第2課を製造第3課へ改称する。
2020年2月20日
日本触媒は19日、独自技術により開発した「亜鉛電池用セパレータ」と「亜鉛負極」に、活性炭を組み合わせることにより新しい亜鉛蓄電池「カーボン‐亜鉛ハイブリッド畜電池」を開発したと発表した。
この新規蓄電池は、主な構成要素が水・炭・亜鉛と資源的に豊富でかつ毒性のない材料で作れることが特徴。水系電池であるために燃える心配がなく、かつ出力性能・低温性能に優れている。
また、課題とされてきた寿命についても、1万サイクル以上の長寿命性能を実現。従来、鉛蓄電池が使用されている車載バッテリーなどへの展開のほかに、活発化する自然エネルギーの電力貯蔵などの新しい用途展開が期待される。
亜鉛蓄電池は、小型・軽量化により市場が拡大しているリチウムイオン電池に対し、高い安全性、高い環境調和性、元素戦略的利点もあり、次世代蓄電池の一翼を担うことが期待されている。しかし、最大の弱点は寿命で、乾電池には使えても蓄電池として使えないことが常識だった。
これは、充放電を繰り返すと、亜鉛電極からデンドライト(針状結晶)が対極へ向かって成長し、正極と負極が短絡しやすいことが原因。そこで、同社は鉱物粉末をシート化した独自構造のセパレーターと、デンドライトによる短絡を抑制しさらに充放電サイクル劣化を抑える独自の亜鉛負極材料を創出。これら要素技術を組み合わせて「カーボン‐亜鉛ハイブリッド畜電池」を開発した。
正極には活性炭を用い物理容量である電気二重層容量を利用し、負極には亜鉛を使用して電気化学反応を行うため、物理容量と化学容量のハイブリッド電池となっている。電気二重層キャパシタ(EDLC)の長所である高出力特性・長寿命特性を持ちながら、亜鉛負極で理論的に静電容量が二倍になり、カーボン‐亜鉛間に起電力を持てるため高容量化を実現した。
さらに、亜鉛負極側を薄く設計できるため、正極活性炭をより多く搭載でき、EDLCの5~10倍の容量になることで鉛蓄電池同等の容量性能を得ている。
一方、新規蓄電池は、キャパシタの高出力をそのままに、マイナス20℃以下の低温でも充放電駆動が可能なことが特徴。亜鉛は、電気化学反応が非常に高速で行える物質であるため、キャパシタの高速応答に追従できるとともに、低温~高温まであらゆる温度環境下で動作ができる。さらに、今回開発したセパレータ/亜鉛電極を用いることで長寿命化も達成した。
すでに1万サイクル以上の寿命性能を観測しており、数百サイクル程度で交換寿命がくる鉛蓄電池と比較すると百倍以上となっている。今回のハイブリッド亜鉛蓄電池と亜鉛電池用セパレータは、東京ビッグサイト(青海展示棟)で開催される「第11回国際二次電池展」(26~28日)の同社ブースにて展示される。
2020年2月18日
日本触媒は17日、独自の有機無機複合技術とシート成形技術により、グリーン水素(再生可能エネルギー由来の水素)の製造に好適な、乾式でハンドリング性の良い、ガスバリア性に優れた、高効率のアルカリ水電解用セパレーターを開発したと発表した。このセパレーターにより、グリーン水素の普及をサポートし、CO2排出量削減に貢献する。
地球温暖化防止のため、CO2排出量削減の取り組みが世界中で推進されているが、その一環として、水素で駆動する燃料電池が、車載用や家庭用などで利用が始まっている。現在、水素の代表的な製法はメタン水蒸気改質法だが、水素製造時にCO2が排出される欠点がある。
そこで製造時にCO2を排出しない製法として、再生可能エネルギーを用いたアルカリ水電解が、近未来の水素供給法として世界各国で大規模実証プロジェクトが推進されている。
アルカリ水電解用のセパレーターは、水素製造効率に大きく影響するキーマテリアルで、生成した水素と酸素を透過しないこと(高ガスバリア性)、および低い膜抵抗(高イオン伝導性)が要求される。
高温・高濃度のアルカリ水という過酷な条件下で耐久性のある実用的なセパレーターは限られていたが、同社は独自の有機無機複合技術とシート成形技術により、これらの性能を両立したアルカリ水電解用セパレーターを開発することに成功した。
このセパレーターを用いることにより、消費電力の抑制や、生成水素の純度向上といったメリットが期待される。なお今回の研究成果は、東京ビッグサイト(青海展示棟)で開催される「国際二次電池展」(2月26~28日)の同社出展ブースで展示される。
2020年2月14日
日本触媒は13日、全固体リチウムポリマー電池用電解質膜の高性能化に成功したと発表した。
ポリマー電解質を用いた全固体電池は、有機溶媒を使用せず高温で安定なことから、長寿命、高安全性などの特徴を持つ。しかし、ポリマー電解質はリチウムイオンの伝導性に乏しく、電池温度を50℃以上に加温する必要があった。
今回開発した新規電解質膜は、室温でも高いリチウム伝導性を保有。電池の作動温度を室温近くまで下げることが可能になり、全固体ポリマー電池の新しい用途展開が期待される。
同社は、ポリエチレンオキシド(PEO)を主骨格とするリチウムポリマー電池用の固体電解質を開発し、2013年頃から商業生産を開始した。
一般的に、PEOのポリマー電解質は、リチウムイオン電池の非水電解液と比較するとイオン伝導度が1桁以上低く、さらにリチウムイオン輸率(イオン伝導度の内、リチウムイオンが担う割合)が0・1~0・2と低いことから、室温ではリチウムイオンが電解質中を動く速度が非常に遅くなる。そのため、安定した性能を得るには、電池を50℃以上に加温し、リチウムイオンを動きやすくする必要があった。
ポリマー電解質のリチウムイオン輸率を向上させる取り組みは多数報告されているが、総じて性能を改善するには至っていない。こうした中、同社は、ポリマー電解質の高性能化を実現するために、独自に開発した新しいイオン伝導のメカニズムを採用した。
電解質膜中のリチウムイオンを伝搬しやすくした新規電解質膜は、POE系電解質膜と比較すると、同等のイオン伝導度を示しながら、リチウムイオン輸率を五倍以上向上させることに成功。また、リチウム金属に対しての安定性と、4V級正極活物質でも充放電できる耐酸化還元性を持っている。
今回の技術を用いて作製したラミネート型全固体リチウムポリマー電池は、POE系のポリマー電池と比較して、40℃では2倍以上、25℃では5倍以上の放電特性が得られる。性能が飛躍的に向上したことで、従来の全固体ポリマー電池と比較して、充電時間の短縮や、エネルギー密度の向上、電池を加温するための熱源を減らせるなど、多くの改善効果が見込める。
同社は、今回の技術を、全固体ポリマー電池用の電解質膜として、さらには無機電解質の界面形成材などへの活用も目指して、サンプル出荷を進めて用途開拓を行う。なお、今回の研究成果は、東京ビッグサイトで開催される「国際2次電池展」(2月26~28日)の出展ブースにて展示される。
2020年2月7日
フィルムやシート、紙などの技術と材料、装置が一堂に会する総合展示会「コンバーティングテクノロジー総合展2020」が、先月29~31日に東京ビッグサイトで開催された。その中の構成展「新機能性材料展」と「JFlex」から、化学メーカー4社の展示を紹介する。
三菱ケミカルはエポキシ樹脂の新しい応用として、開発品の高分子エポキシフィルムと伸縮性エポキシフィルムを中心に出展した。いずれも高熱性・高絶縁性などエポキシ樹脂固有の特徴を備えつつ、表面処理不要で様々なインクを塗布・印刷でき、無色透明で低位相差といった優れた光学特性も持っている。さらに、それぞれ高い可撓性と伸縮性があることから、ウエアラブルデバイスやセンサーなどとして活用が見込まれており、そうした製品例を展示していた。
三井化学は機能紙研究会のブースで、ポリオレフィンを噴射生成した多分岐構造の繊維「SWP」を紹介。他素材と組み合わせることで、新たな機能を発現させることができる。最も分かりやすい例は
2020年2月5日
日本触媒が4日に発表した2019年度第3四半期連結決算(IFRS)は、売上収益が前年同期比12%減の2271億円、営業利益は同49%減の106億円、税引前利益は同46%減の138億円、親会社四半期利益は同51%減の94億円となった。
売上収益は原料価格や製品海外市況下落に伴い販売価格が低下したことや、景気減速による需要低迷などを受けて販売数量が減少したことで減収。利益面については、加工費が増加したことや販売数量が減少したことに加え、原料価格よりも製品価格の下がり幅が大きく、スプレッドが縮小したことなどにより営業減益。税引前利益は営業利益や持分法による投資利益の減少などで減益となった。
セグメント別では、基礎化学品事業は売上収益が同14%減の920億円、営業利益は同53%減の44億円。販売価格の低下や販売数量減などにより、アクリル酸及びアクリル酸エステルや酸化エチレン、エチレングリコールなど、いずれも減収だった。営業利益は加工費が増加したことや一部の製品で生産・販売数量が減少したことに加え、原料価格よりも製品価格の下がり幅が大きく、スプレッドが縮小したことなどが響いた。
機能性化学品事業は売上収益が同13%減の1269億円、営業利益は同54%減の48億円。水溶性ポリマー、樹脂改質剤及び塗料用樹脂は販売数量増で増収となったが、それ以外の高吸水性樹脂、特殊エステルなどは減収。営業利益は基礎化学品事業と同様の要因により減益となった。
環境・触媒事業は売上収益が同12%増の82億円、営業利益は販売数量が増加したことなどにより、同35%増の7億円。プロセス触媒は減収だったが、脱硝触媒、排ガス処理触媒、燃料電池材料及びリチウム電池材料は販売数量増などで増収となった。
通期の業績予想については、第1四半期発表時点で下方修正した予想をさらに修正した。売上収益は前年比10%減の3050億円(前回予想比200億円減)、営業利益は同58%減の110億円(同65億円減)、税引前利益は同55%減の145億円(同)、親会社当期利益は同60%減の95億円(同)。需要の落ち込みが継続していること、製品海外市況の低迷や原料価格上昇によるスプレッドの縮小などが見込まれるため。
2020年1月29日
日本触媒は28日、輪島キリモト(石川県輪島市)と共同で、紙より薄い「iOLEDフィルム光源」と、日本古来の伝統工芸技術である「螺鈿(らでん)」を掛け合わせた他に類のない光る輪島塗「余光(よこう)」を制作したと発表した。
「iOLED フィルム光源」は、有機ELの長年の課題であった、大気中の酸素や水分による素子の劣化を日本触媒とNHKとの共同開発による材料および素子技術「iOLED技術」により克服し、厚さ0.07㎜と紙より薄く、高い柔軟性を実現している。
昨年6月より、日本触媒と輪島キリモトは、アートディレクターの四尾龍郎氏とともに「iOLED」と輪島塗のコラボレーションを開始。今回、螺鈿が発光する「iOLED」×輪島塗盃「余光」が完成した。
表面を薄くくり抜いた器に、貝殻薄片と「iOLEDフィルム光源」を貼り付け一体化したものをはめ込み、その表面に漆を一層塗りしている。漆を薄く何度も塗り重ねていくことで強く美しい塗膜を生み出すことが輪島塗の大きな特徴であり、螺鈿で扱う貝殻薄片もできるだけ薄いことが条件となるが、「iOLEDフィルム光源」が厚さ0.07㎜と紙よりも薄いため貝殻薄片との一体化が実現した。
輪島キリモト8代目の桐本滉平氏は、「日本触媒の開発した「iOLED」という光源とのコラボレーションは、伝統工芸と最新テクノロジーの融合という前代未聞の挑戦だった。「iOLED」が限りなく薄いおかげで、薄い貝殻との一体化が可能となり、伝統的な技法でありながらも、自ら発光する新たな螺鈿の発明が実現した。完成した盃を見た時、手のひらの上に月を見たような感動を覚えた」とコメントしている。
なお、共同制作した「iOLED」×輪島塗盃「余光」を、東京ビッグサイトで開催される「新機能性材料展2020」(1月29~31日)の同社ブースに展示する。
2019年12月25日