生き残るための変革が急務、石化再編は正念場へ
わが国化学産業は、「ありたい姿」に設定した2030年に向け、ターニングポイントを迎えている。コロナ禍を経て様々な課題が浮き彫りとなったこと受け、
2024年8月9日
2024年8月9日
2023年8月10日
代表取締役社長 工藤幸四郎氏
ポートフォリオ変革の加速がテーマ、成長軌道に回帰へ
━社長就任から1年が経ちました。
旭化成グループはマテリアル、住宅、ヘルスケアの三領域でビジネスを行っているが、今後、当社がどのように成長を遂げるか、あるいはどのような展開をすべきかを整理し直した1年だった。コロナ禍やウクライナ問題、中国経済の低迷など想定外の事態が起こり業績は打たれはしたが、逆に会社の方向性がクリアになったと考えている。2年目に入っても引き続き厳しい事業環境が続いているが、凝縮された1年を経験したことで、じっくり腰を据えて仕事に取り組む態勢になった。
時代の流れが非常に速いことから、
2023年1月5日
2023年1月5日
2022年8月10日
脱炭素化も急務の課題、新たな挑戦で成長を実現
わが国化学産業は、好業績となった昨年度から一転して、事業環境に暗雲が立ち込めている。ウクライナ問題を背景に原油価格が高止まりし、原燃料価格の高騰や物流費などのコストアップが収益を圧迫してきた。また中国では、ゼロコロナ政策の強化により景気が悪化。巣ごもり需要で好調だった半導体メモリやディスプレイ材料などでは在庫調整の動きも出始め、自動車生産も半導体不足の影響から計画の見直しが進む。
こうした最終製品の需要低迷が素材分野に及び、わが国エチレン稼働率は8年7ヵ月ぶりに90%台を2ヵ月連続で割り込む事態となった。各社は、価格是正やコストダウンに取り組むなど、変動への耐性が問われる1年となっている。
一方、化石資源がひっ迫しているものの、将来に向けた脱炭素化も急務の課題だ。環境に貢献する技術開発では、業界を超えたアライアンスや、NEDO事業などに参画する動きが活発化している。装置産業にとって脱炭素はハードルが高いものの、この転換期を乗り越え、いかにビジネスにつなげるかが、生き残りを図るカギになってくる。
今回の特集では、既存事業の強化とともに、新たな分野にどう挑戦して企業成長を実現していくのか、業界を代表する方々に話を聞いた。
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◇インタビュー◇
三菱ケミカルグループ 代表執行役EVP 福田信夫氏
▽物流・サプライチェーン改革を推進、DXで可視化し最適化へ
旭化成 社長 工藤幸四郎氏
▽アニマルスピリットを覚醒、積極的に挑戦し道を切り拓く
三井化学 社長 橋本 修氏
▽社会課題解決にソリューションを提供、CVCで新事業創出へ
昭和電工 社長 髙橋秀仁氏
▽来年1月に統合新会社が発足、新社名と新体制で共創を実現
東ソー 社長 桒田 守氏
▽ハイブリッド経営で着実な成長、環境貢献と企業成長に挑む
JSR 社長兼COO 川橋信夫氏
▽成長投資を継続、技術力を強化し最先端分野を切り拓く
プライムポリマー 社長 藤本健介氏
▽ポリオレフィンは差別化に注力、MRとバイオマスで環境貢献
PSジャパン 社長 室園康博氏
▽長期ビジョンでは利益を追求、CR設備や環境製品開発に投資