昭和電工 公募増資や第三者割当で1094億円を調達

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2021年8月24日

 昭和電工は23日、公募増資(3266万5500株)および第三者割当増資(252万4500株)を行い、1094億円を調達すると発表した。

 今回の新株式発行による調達資金は、CMPスラリー、銅張積層板、感光性フィルム、電子材料用高純度ガス、SiCパワー半導体材料といったエレクトロニクス領域における半導体関連材料の設備投資、およびパッケージングソリューションセンタの機能強化に向けた戦略投資、樹脂バックドアモジュールやLIB関連素材といったモビリティ領域の設備投資とライフサイエンス(再生医療)領域への設備投資に充当する予定。

 同社は、今後も拡大が見込まれる半導体材料市場でのリーディングポジションを確立し、継続的な強い成長力を獲得するためには、このタイミングでエレクトロニクス領域に集中投資することが重要である判断した。今回の資金調達により、世界トップクラスの機能性化学メーカーの実現に向けた機動的な戦略投資を可能とする財務柔軟性を確保し、長期的な企業価値の向上へとつなげていく。

昭和電工 クロロプレンゴムを値上げ、コスト高に対応

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2021年8月23日

 昭和電工は20日、合成樹脂の一種であるクロロプレンゴム「ショウプレン」について、9月10日出荷分から値上げすると発表した。改定幅は「42円/kg以上」。

 同製品を取り巻く環境は、需要が急回復し世界的に供給が不足しているだけでなく、各種原材料や電力などのユーティリティ、物流費や設備維持費の高騰などにより急激に悪化している。同社は、製品の安定供給を維持していくためには、自助努力によるコスト削減に加えて、顧客にコストアップ分の一部の負担を要請せざるを得ないと判断した。

 

昭和電工の1-6月期 全セグメントが大幅な増益

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2021年8月11日

半導体関連製品がけん引、下期も好調継続を想定

 昭和電工は10日、2021年12月期第2四半期(1-6月期)の連結決算を発表した。売上高は前年同期比2.1倍の6934億円、営業利益476億円(同734億円増)、経常利益502億円(同934億円増)、純損失134億円(同412億円改善)となった。

 オンラインによる決算会見の中で森川宏平社長は、「中国と米国が世界経済をけん引した。半導体市場が活況を呈したことに加え、石油化学の主要製品の販売価格上昇などにより増収増益となった。特別損失(約400億円)を計上したが純損失は改善している」と総括した。

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昭和電工 不飽和ポリエステルとビニルエステルを値上げ

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2021年8月6日

 昭和電工は5日、不飽和ポリエステル樹脂およびビニルエステル樹脂について、今月21日出荷分から値上げすると発表した。対象製品および改定幅は、不飽和ポリエステル樹脂「リゴラック」が「31円/kg以上」、ビニルエステル樹脂では「リポキシ/スチレン系」が「45円/kg以上」、「リポキシ/非スチレン系」が「49円/kg以上」となっている。

 昨今、原油、ナフサ、ベンゼンなどの価格高騰が続き、当該製品の原材料価格が大幅に上昇している。同社は、生産合理化をはじめ各種コスト削減に努めてきたものの、自助努力だけでは今回のさらなる原材料価格の上昇を吸収することが極めて困難となっているため、製品の安定供給体制を維持するには、値上げせざるを得ないと判断した。

昭和電工 液体塩素と塩酸を値上げ、コスト高に対応

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2021年8月6日

 昭和電工は5日、液体塩素および塩酸について9月1日納入分から値上げする、と発表した。改定幅は、液体塩素が「8円/kg以上」、塩酸が「5円/kg以上」となっている。

 液体塩素および塩酸を取り巻く事業環境は、設備の維持・補修費の高騰やエネルギー電力コストの上昇、安定供給を確保するための輸送費上昇といった影響を受け、その採算性は非常に厳しい状況に陥っている。

 同社は、製造原価の低減、経費の削減、物流の効率化などの合理化に努めてきたが、採算性の悪化は自助努力で吸収できる限界を超えていることから、製品の安定生産・安定供給体制を確保するために、値上げせざるを得ないと判断した。

昭和電工 通期業績予想を修正、特損計上で純利益は減少

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2021年8月4日

 昭和電工は3日、連結業績予想の修正および特別損失の計上を発表した。通期業績予想については、売上高1兆4000億円(前回予想比550億円増)、営業利益850億円(同170億円増)、経常利益820億円(同180億円増)、純損失250億円(同110億円減)に修正。

 売上高では、石油化学セグメントはナフサ価格の上昇を背景に主要製品価格が想定を上回り、無機セグメントは黒鉛電極が需給タイトな状況を受け販売数量が増加、昭和電工マテリアルズ(SDMC)セグメントは半導体関連事業において需給タイトな状況が年後半も継続し、それぞれ増収となる見通し。営業利益および経常利益は、第2四半期累計期間(1-6月期)を中心にその他セグメント以外の全セグメントで増益となる。

 一方、純利益については、特別損失の計上もあり減益を見込む。第2四半期累計期間に、アルミニウムセグメント2事業の譲渡損失25億円を見込み、SDMCセグメントのモビリティ事業における固定資産の減損損失35億円を計上する。また下期(7~12月)に特別損失としてSDMCセグメントにおいて150億円程度の追加の事業構造改善費用の計上を想定している。

昭和電工 2050年カーボンニュートラルへの挑戦を表明

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2021年8月2日

 昭和電工は30日、長期ビジョンでの目指す姿「持続可能なグローバル社会に貢献する会社」として、2050年のカーボンニュートラル(CN)実現に同社グループ全体で取り組んでいくことを決定したと発表した。

 気候変動に対する対策については、パリ協定の採択をはじめ、世界規模で様々な取り組みが進んでいる。日本においても、政府のCN宣言やGHG(温室効果ガス)排出削減目標見直しなど、CNへの取り組みは今後ますます加速することが予想される。

 同社グループでは、2019年のTCFDへの賛同など従来から気候変動への対応を進めているが、さらに2050年にCNを実現するために、ロードマップを作成しGHGの排出削減を進めることを決定した。

 同社グループは、これまでもグローバル社会の持続可能な発展に資する多くの製品を提供し続けているが、より一層の貢献を実現するために、生産過程でのGHGの排出削減が今後の重要な課題であると認識している。このため、CNの取り組みでは、保有する生産技術の進化、発展をより一層加速するとともに、すでに一定の技術を確立し事業化しているプラスチックケミカルリサイクルにおいても、CNの視点を加えて2030年までを目標に技術開発を進める予定。

 またマイルストーンとして、2030年までにGHG排出量を30%削減(2013年比)する目標を設定した。従来のバウンダリーを見直し、2023年統合予定の昭和電工マテリアルズとともに、省エネルギー、原燃料転換、設備改善による高効率化などの様々な施策を進めて排出量削減を実現する。なお、これら取り組みの進捗については、同社のサステナビリティサイトや毎年発行する昭和電工レポート(統合報告書)にて公表する予定。

 同社グループは、SDGsをはじめとする社会課題の解決に貢献する事業活動を強力に推進するため、今後も環境に配慮した生産設備・技術の導入や積極的な環境対策の推進、高度循環型社会を支える製品の供給などにより、社会全体のCNへの貢献を含め、持続可能なグローバル社会へ貢献する企業を目指していく。

昭和電工 電動車用アルミ製冷却器の生産ラインを増設

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2021年7月30日

 昭和電工は29日、電気自動車、ハイブリッド車、プラグインハイブリッド車などの電動車に搭載されるパワーモジュール(PM)向けアルミニウム製冷却器の需要増加に対応するため、小山事業所の生産能力を倍増させることを決定し、生産ラインの増設に着手したと発表した。2022年初頭の稼働開始を目指す。

PM向けアルミニウム製冷却器
PM向けアルミニウム製冷却器

 電動車用のPMは電動車の航続距離の延長や燃費の改善など、性能向上に寄与する重要部品。PMは車内の限られたスペースに搭載しなければならないため、PM向け冷却器には、小型かつ搭載方法の自由度が高いことと同時に、高効率化・高放熱化が求められている。

 同社が生産するPM向けアルミ製冷却器は、絶縁基板に放熱用の同社製アルミフィンを真空ロウ付けで直接接合することにより、小型で冷却水用の配管の位置を柔軟に設計できる高い汎用性と、高い放熱効果を実現。同製品は2019年から生産を開始しており、国内大手PMメーカーでモジュール化され、日本国内やアジア各地の自動車メーカーに採用されている。

 今後カーボンニュートラル実現に向けたグローバル規模での取り組みの強化を背景に、自動車業界でも電動車へのシフトが加速し、一層の市場拡大が見込まれている。同社は、長年培ってきたアルミニウム合金設計技術と加工技術、パワーモジュール評価技術をもとに、より小型で高性能のPM向け冷却器の開発・生産に取り組み、顧客の課題を解決するソリューションを提供して、アルミ機能部材事業の拡大を目指していく。

 

昭和電工 合成樹脂エマルジョンと溶液系樹脂を値上げ

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2021年7月29日

 昭和電工は28日、合成樹脂エマルジョンと溶液系樹脂について、8月16日出荷分から値上げすると発表した。対象製品と改定幅は、合成樹脂エマルジョン「ポリゾール」では、エチレン-酢酸ビニル系エマルジョンが「25円/kg」、酢酸ビニル系エマルジョンが「20円/kg」、アクリル系エマルジョンが「30円/kg」、スチレン‐アクリル系エマルジョンが「21円/kg」となり、溶液系樹脂「コーガム」「ビニロール」「ポリフィックス」が「47円/kg」となっている。

 昨今、原油市況や原料需給のタイト化により、原料であるエチレンや酢酸ビニル、アクリル酸エステルやスチレンの価格が上昇しており、また包材、副資材、物流費なども値上がりしている。同社はこれまでも製造や物流の工程の合理化を進めてコストダウンに努めてきたが、原燃料コストの上昇が続き非常に厳しい状況にあることから、製品の安定供給体制を維持するために、値上げせざるを得ないと判断した。

 

昭和電工 蓄電デバイス・システム事業をSBS社に譲渡

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2021年7月9日

 昭和電工は8日、子会社である昭和電工マテリアルズ(SDMC)が手掛ける蓄電デバイス・システム事業について、アドバンテッジパートナーズのファンドを筆頭株主とするサステナブル・バッテリー・ホールディングス(SBS社)に譲渡すると発表した。新たに設立した新会社に同事業を吸収分割の方法で承継させた上で、新会社の全株式に加え、SDMCがもつ国内外の関連会社の全株式をSBS社に譲渡する。

 昭和電工グループの同事業は、1916年に新神戸電機の前身である日本蓄電池製造が蓄電池の製造・販売を開始したことに始まる。その後1972年に SDMCが新神戸電機の株式の過半数を取得したことを契機に、昭和電工グループは同事業に本格的に参入し、研究開発などを続けてきた。

 その結果、特に独自技術による性能面での優位性を誇り、技術に裏付けられた高品質のバッテリーを、国内外の大手自動車会社や大手通信事業者をはじめとした優良な取引先に対して納入してきた実績をもつ。また、近年では、タイ、台湾など海外にも事業を拡大し、グローバル体制を構築してきた。

 一方、同社グループは、昨年12月に公表した「統合新会社の長期ビジョン」(2021~2030年度)に基づき、今後の成長をけん引するエレクトロニクス、モビリティ、ライフサイエンスを中心としたコア成長事業および次世代事業に積極的に投資を行っていく方針を示している。

 持続的成長の実現に向けた最適な経営資源の配分と事業ポートフォリオマネジメントを検討する中で、蓄電デバイス・システム事業についても、あらゆる選択肢を慎重に検討した結果、同事業に関連する専門的な知見や経営資源と、これらへのアクセスをもつSBS社の下で事業拡大を図ることがステークホルダーにとって最適であると判断した。

 なお、今回の件に併せ、昭和電工は事業構造改善費用として、第2四半期連結会計期間に特別損失300億円を計上する。それに伴い通期業績予想についても、純利益を純損失140億円(前回予想比250億円減)に下方修正している。