クラレ 「カムバック採用制度」導入、元社員を対象に

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2019年10月4日

 クラレは退職した元社員に対する「カムバック採用制度」を新設し、9月20日から開始した。復帰を後押しする仕組みとして、退職した元総合職社員と同社が情報交換できるSNSも導入する。

 再入社を希望する元社員を積極的に採用する制度で、元社員が再入社を希望する場合、人事担当部署で復帰後に従事可能な職務について検討の上、通常の中途採用と同様の方法(論文、面接など)で選考を行う。また、円満に退職した元社員を対象に、アルムナイ(同窓生)SNSシステムを導入し、交流を継続する。

 同社からはSNSを通じて、求人情報や社内トピックスなどの情報を提供する予定。元社員が再入社を希望する場合、SNSを通じてその旨を人事担当者に伝えることができる。

 同社はグローバルに事業拡大を続けており、近年は新卒採用に加え、中途採用による人材確保にも努めているが、同社を退職する社員も一定数存在しており、その定着対策も課題の1つとなっている。そのような状況で、退職した元社員の中には、再度入社を希望する人材がいるとの情報も寄せられていた。

 同社についての理解も深く、早期に活躍が期待できる元社員の復帰は、同社にとっても利点があることから、「カムバック採用制度」の導入を決定した。

クラレ 人事(10月1日)

2019年10月2日

[クラレ・人事](10月1日)▽イソプレンカンパニーエラストマー事業部クラリティ事業推進部長兼同カンパニー同事業部同部販売マーケティンググループリーダー岸井史郎▽同カンパニー同事業部品質・商品開発部長森口信弘▽同カンパニージェネスタ事業部長池森洋二▽同カンパニー同事業部営業部長宗澤裕二▽同カンパニー同事業部開発部長兼同カンパニー同事業部同部開発グループリーダー兼同カンパニー同事業部同部技術サービスグループリーダー山下隆▽鹿島事業所エラストマー研究開発部長兼同事業所同部ポリマー研究開発グループリーダー桑原重直。

クラレ 「ホワイト物流」推進運動で自主行動宣言を提出

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2019年10月2日

 クラレはこのほど、国土交通省・経済産業省・農林水産省が提唱する「ホワイト物流」推進運動に賛同し、自主行動宣言を提出した。

 「ホワイト物流」推進運動とは、深刻化が続くトラック運転者不足に対応し、国民生活や産業活動に必要な物流を安定的に確保するとともに、経済成長への寄与を目的に取り組む運動。トラック輸送の生産性の向上・物流の効率化や、女性や60代以上の運転者も働きやすい、より「ホワイト」な労働環境の実現を目指している。

 クラレは、主に運送内容の見直しと安全の確保を中心に、7つの自主行動を宣言した。①物流の改善提案と協力では、物流会社からの改善提案に対し、真摯に協議に応じていく。②パレット等の活用では、荷役時間の軽減を図る。③保管場所の集約では、複数個所での積み込みをなくし、拘束時間短縮と効率改善を図る。④輸送効率改善では、トラックから船や鉄道へのモーダルシフトを一層拡大する。⑤混雑回避では、2020年オリンピック・パラリンピック開催時の混雑を回避する(鹿島港の利用拡大)。⑥物流システムの標準化では、WEBによる出荷情報を事前提供し、輸送手配を容易にする。⑦荷役作業時の安全対策では、危険物の出荷・充填設備を改善し、手順を見直す。

 同社は近年、鉄道コンテナ輸送によるモーダルシフトの推進や、また、専属トレーラーを導入し、製品・原料・荷材回収を含めた事業所間のラウンド輸送を実現することで、輸送能力の安定確保と大容量化を推進している。

 モーダルシフトの推進では、特に長距離輸送(岡山―関東間、岡山―新潟間)は、食品メーカーなどとの提携輸送を実施。その実績を評価され、昨年5月に鉄道貨物協会から「鉄道貨物輸送功労者賞」を受賞した。

 

クラレ 事業部間の横串を強化、自動車用途の拡大図る

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2019年9月17日

 クラレは、グループ一丸となって自動車用途の拡大を図っていく方針だ。先日、自動車用途に関するクラレグループの市場展開について会見を行った。

 同社は自動車用途では、すでにガソリンタンク向けの「エバール」やガラス中間膜のPVBフィルム、エアコンフィルター用の活性炭など20以上のアプリケーションで採用実績を持つ。ただ自動車産業は「100年に一度の変革期」を迎えており、「CASE」や脱化石燃料への転換など新しいトレンドへの対応が大きなテーマとなっている。

 同社は製品・技術の貢献が期待される3つの領域を設定し、用途拡大を推進。①「5G(技術・インフラ)と自動化の進展」のフォーカスエリアでは、センシング材料向けに銅張積層板「ベクスター FCCL」の量産設備導入を決定。次世代コネクタでは、メモリDDR5向けに耐熱性が必要となることから、独自PA系エンプラ「ジェネスタ」の評価が進んでいる。また、ヘッドアップディスプレイの高度化では、安全をキーワードに微細加工技術によりマイクロレンズアレイに注力している。

 ②「電子制御化・EV化」のフォーカスエリアでは、電子制御部品の小型化、熱マネジメントニーズの高まりに応える「ジェネスタ」の採用拡大や、LIB材料の負極材向けにバイオハードカーボン「クラノード」の評価が進む。軽量化ニーズでは、「ジェネスタ」に加え、PVB中間膜「トロシフォル」でガラスの薄膜化を目指している。

 ③「フューエルマネジメント(HV・PHV/FCV)」のフォーカスエリアでは、新たなフューエルマネジメントシステムの提案、ガスバリア性などの特長を生かした燃料電池車(FCV)タンクの提案などを進めている。

 一方、今後の成長に向けた取り組みでは、事業部の横串ワークの強化・推進、外部とのコラボレーションによる「協創」、米国(デトロイト事務所)、欧州、アジア(タイ新工場)の拠点を活用したグローバル展開などに注力。自動車の新たな変化に対応し、いかなる環境下でもサスティナブルなビジネスモデル構築を目指す考えだ。

クラレ バイオ由来のバリア材事業で海外展開を加速

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2019年9月12日

食品包材に加え新規用途開発、売上高目標1億ドル

 クラレはバイオマス由来のガスバリア材「PLANTIC」事業で、食肉包装用途での豪州以外における展開に加え、新規用途・製品の開発を加速し、2026年に売上高1億ドル超を目指す方針だ。

山口執行役員
山口執行役員

 11日に開催した定例会見で、エバール事業部長の山口勝正執行役員が、同事業のこれまで経緯と今後の戦略について説明した。

 豪Plantic社が開発した「PLANTIC」は、もともとでんぷん由来の生分解性樹脂の事業化を目指し開発されていた。そうした中、フィルムにした場合、ガスバリア性を発現することからバリア包材に研究が絞られ実用化。豪州では、食品包材向けに単層、多層のフィルム・シートとして事業が展開されている。

 クラレは2015年に同社を買収。ガスバリア性を持つ「エバール」と合わせ、食料の

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クラレ コーヒー展に出展、生分解性バリア材など紹介

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2019年9月9日

 クラレは11~13日に東京ビッグサイトで開催される「SCAJワールド・スペシャルティコーヒー・カンファレンス・アンド・エキシビション2019」に出展する。

「プランティック」を使用したコーヒーパウチ
「プランティック」を使用したコーヒーパウチ

 展示するのは、バイオマス由来のバリア材「プランティック」、ガスバリア性(気体遮断性)樹脂「エバール」、スライド式スティックジッパー「エニーロック」、「クラフレックス」カウンタークロス、活性炭「クラレコール」。

 「プランティック」は、バイオマス由来の生分解性ガスバリア素材。優れたガスバリア性による食品の品質保持や賞味期限の延長、カーボンニュートラルによりCO2削減に貢献する。他のバイオマス・生分解性素材との組み合わせによる環境性能の高い包装材の設計も可能だ。食品の香りや匂いを保持できることから、コーヒー豆を保存する環境対応コーヒーパウチとして採用が進んでいる。

 「エバール」はプラスチックの中で最高レベルのガスバリア性をもつEVOH(エチレンビニルアルコール)樹脂。コーヒーカプセルや穀物保存袋などに使われている。「エバール」のガスバリア性を生かした穀物保存袋は、酸素の侵入を抑えることで、微生物や害虫などが生存できない環境を作り、穀物や種の品質保持に貢献する。

 「エニーロック」は開封した袋に差し込むだけで、美味しさも匂いも逃さずに簡単に密封できるスライド式スティックジッパー。

出展イメージ
出展イメージ

 「クラフレックス」カウンタークロスは、汚れ落ちの良さと速乾性により雑菌が繁殖しにくいことが特長のレーヨン製不織布衛生布巾。食品業界の品質管理方法の1つとして広く認知されているHACCPの製品認証を、国内で生産する不織布衛生布巾として初めて取得した。

 活性炭「クラレコール」は石炭やヤシ殻などを原料としている。コーヒーに使用する水の塩素除去、カフェインの除去などにも使用可能だ。「SCAJワールド・スペシャルティコーヒー・カンファレンス・アンド・エキシビション2019」では、「Innovation with Hospitality」のテーマの下、コーヒー生産国を含めた23の国と地域から約200社/団体が会場に集結し、最高品質のコーヒーに加え、コーヒーに関連する商品を展示する。

クラレなど ウェアラブル電子制御冷暖房ジャケットを開発

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2019年9月3日

 クラレはWINヒューマン・レコーダーと、電子制御冷暖房装置を搭載したジャケットを開発した。建物や自動車などの空間全体ではなく、体だけを効率的に冷やしたり暖めたりすることができる。

 従来の冷暖房システムに比べエネルギー効率が向上し、消費エネルギーを削減できるため、地球温暖化問題にも貢献する。富士通ゼネラルとWIN社が販売する予定で、2020年夏からの試験販売を目指す。

 このウェアラブル電子制御冷暖房ジャケットは、環境温度に対し、-5~-15℃程度の冷却機能をもつ。 可動時間は約2~4時間。ジャケットの表層には「クラリーノ」、裏地にはダブルラッセルを使用している。

 Tシャツの上からの着用を想定しており、適度なクッション性とストレッチがあるため、幅広いシーンに対応可能だ。並行して、導電性繊維や面ファスナー「マジックテープ」に導電性を付与したジャケットの設計にも取り組んでいく予定。スポーツや極暑対策、老人介護、屋外作業、救助隊作業などの用途を想定している。

 地球全域の温暖化問題の対策には、建物や自動車全体を冷却する従来の空調システムに加え、体だけを選択的に冷却するシステムが有効で、快適性と省エネの両面から、今後このようなシステムの普及が予想される。

 今回開発したウェアラブル電子制御冷暖房装置は「局所適合環境を持ち歩く」環境ウェアラブルを実現する、新しい発想の電子機器。人体の血液の流れが集中する頸部を冷暖することによって、体温を適切にコントロールすることができる。

 制御デバイスはペルチェ素子(冷暖機能をもつ半導体)と、腰または背中に装着するラジエータ部、バッテリー部、コントローラー部から構成される。頸部表面温度を適温範囲で設定でき、過冷却と低温熱傷を防止する。

クラレ 人事(9月1日)

2019年9月2日

[クラレ・人事](9月1日)▽研究開発本部企画管理部長兼アクア事業推進本部企画管理部長兼研究開発本部成形部材事業推進部長須郷望▽研究開発本部くらしき研究センター主管岩崎秀治▽同本部同センター電池材料研究所長鍛冶屋敷強▽環境安全センター主管徳田佳弘▽岡山事業所環境安全部長谷浦昌人▽新潟事業所スペシャリティケミカル生産・技術・開発部長高井正人▽新潟事業所環境安全部長北山勝彦。

クラレの1―6月期 営業利益は23%減の279億円

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2019年8月9日

 クラレは8日、2019年1-6月期の連結業績を発表した。売上高は前年同期比5%減の2874億円、営業利益23%減の279億円、経常利益29%減の247億円、純利益41%減の133億円となった。伊藤正明社長は「世界的な景気減速の影響を受け、多くの事業で販売が減少した。前年同期比で大幅な減収減益となった」と総括した。

 セグメント別で見ると、ビニルアセテートは売上高2%減の1347億円、営業利益20%減の231億円。ポバール樹脂は販売量が減少した。光学用ポバールフィルムは、大型ディスプレイ向けは堅調だったが、生産トラブルや偏光板在庫調整の影響を受けた。

 EVOH樹脂「エバール」はガソリンタンク用途で

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クラレ 3年連続でESG投資指数の構成銘柄に選定

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2019年7月25日

 クラレはこのほど、3年連続でESG(環境・社会・ガバナンス)投資指数の構成銘柄に選定されたと発表した。

 ロンドン証券取引所が100%出資するFTSE Russell社の「FTSE4Good Index Series」「FTSE Blossom Japan Index」と、米国MSCI社が開発した「MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数」「MSCI日本株女性活躍指数(WIN)」の4つの投資指数。

 同社はすでに、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス社が設計した「S&P/JPXカーボン・エフィシェント指数」の構成銘柄にも選定されている。「FTSE4Good Index Series」を除く4つの指数は、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が採用するESG指数であり、同社はそのすべてに選定されている。

 同社グループは、今後もコーポレートステートメントの使命に掲げる「世のため人のため他人(ひと)のやれないことをやる」の下、環境に配慮したモノづくりの推進と、事業活動を通じた社会への貢献を目指すとともに、コーポレートガバナンスの強化に注力していく。