三菱ケミカルは21日、日本最大級となるプラスチック油化のケミカルリサイクル(CR)設備の建設に伴い、リファインバースから原料となる廃プラスチック(原料プラスチック)を調達する基本合意書を締結したと発表した。
三菱ケミカルとリファインバースは、昨年8月に資本業務提携を行い、廃棄物の適切なリサイクルや有効利用の促進に向けた検討を継続していた。こうした中、三菱ケミカルはENEOSと共同で、三菱ケミカルの茨城事業所にCR設備を建設し2023年度の完成を目指している。三菱ケミカルおよびリファインバースは、同設備向けの原料プラ収集や調達などにおける具体的な検討をさらに加速させるため、今回の基本合意書の締結に至った。今回の基本合意書に基づき、リファインバースでは、産業廃棄物や建設廃棄物などの幅広い対象から、ポリプロピレンやポリエチレンをはじめ、ポリスチレン、PET樹脂といった様々な種類の原料プラを収集することを検討する。
一方、三菱ケミカルでは、CR設備の実装に向けて、マスバランス方式(使用したリサイクル原料の割合を任意の製品へ割り当てる流通管理方式)によるCR品認証の取得、および社会へのマスバランス方式の浸透を目指す。三菱ケミカルはサーキュラーエコノミーの実現に向けて、原料プラの安定確保および透明性・信頼性の高い循環型サプライチェーンを実現するため、DX技術を活用したトレーサビリティーの確保に向けた検討を進める。