[ダイセル・人事](2021年2月1日)▽事業創出本部長付坂野誠治。
ダイセル 人事(2021年2月1日)
2020年12月25日
2020年12月25日
2020年12月21日
ダイセルはこのほど、ペプチスターの第3者割当増資を引き受け、出資する契約をペプチスターと先月12日付で締結したと発表した。ペプチスターは、ペプチドリーム、塩野義製薬、積水化学工業の3社の合弁によって2017年に設立された、一般的なペプチドから特殊環状ペプチドまで、幅広いペプチド原薬の研究開発・製造を行うCDMO(開発製造受託会社)。
一方、ダイセルはキラル分離のリーディングカンパニーであり、今年度からの中期戦略の中で、クロマト分離事業の主要施策の1つに「ペプチド等の中分子に対するアプリケーション開発と新製品上市」を掲げている。今回のペプチスターへの出資により、ダイセルのクロマト分離精製技術を活用してペプチド医薬品製造のプロセス開発に参画する。今後大きく成長が見込まれる中分子医薬分野で分析・精製用充填剤の開発を加速するとともに、同分野での製剤材料や投与デバイスなど新規DDS(ドラッグデリバリーシステム)領域の事業機会を追求し、メディカル分野の事業拡大を目指していく。
ペプチド医薬は中分子医薬の一種で、多様な標的に対して優れた結合性・特異性を示し、免疫反応も低いとされる。通常のペプチド医薬には、体内で消化されるため経口投与できない、膜透過性が低く薬物動態が悪い、といった欠点があるが、ペプチスターが手掛ける「特殊環状ペプチド」は、ペプチドの利点を保ちながら欠点を解消するものとして広く注目を集めており、今後大きな成長が期待されている。
2020年12月17日
2020年12月15日
[ダイセル・人事②](2021年1月1日)【セイフティSBUインダストリーBU医療関連事業戦略部】▽部長、セイフティSBUインダストリーBU長山田良平▽副部長小岩井一倫▽同山本由理▽部長補佐三木克哉▽主席部員、知的財産センター知的財産戦略グループ主席部員平山復志▽研究開発室長、セイフティSBUインダストリーBU技術開発センターアプリケーション開発室長黒田隆雄▽研究開発室副室長、ダイセル・セイフティ・システムズ第二工場生産部主任部員伊賀弘充▽同室主任部員鈴木崇将▽調達室長竹内隆広▽マーケティング室長伊藤宣昭▽同室主任部員中田裕子▽未来医療研究センター所長寺居和宏▽同センター首席技師、事業創出本部コーポレート研究センター首席技師兼大阪大学山下邦彦▽未来医療研究センター主任研究員坂口奈央樹▽品質・薬事室長江見恭一▽同室主席部員磯村貴子。
2020年12月11日
2020年12月10日
2020年12月9日
ダイセルはこのほど、金沢大学と新たな産学連携拠点施設を同大の角間キャンパスに設置し、2022年から供用開始することに合意したと発表した。
ダイセルは第四次長期ビジョンとともに、「サステナブル経営方針」を策定し、人々に幸せを提供する価値ある製品を、ヒトや地球にやさしい方法で生産する技術を開発・発展させることで、持続可能な社会の実現に貢献することを目指している。
その中で、同社が長年扱ってきたセルロースをはじめとする脱石油につながる天然由来資源の有効活用「バイオマスプロダクトツリー構想」と、幅広い産業分野との連携で新たな社会的価値を創出できる仕組みづくり「クロスバリューチェーン構想」を推進。金沢大学との間では、長年、セルロースを中心に共同研究や人材交流を続けており、2018年には包括連携協定を締結。昨年には「先導科学技術共同研究講座」と同研究室を設置し、セルロース系の脱ヒ素浄化材の開発研究や、バイオマス由来の脱石油系合成プラスチックの製造を目指した基礎研究に取り組んでいる。
今回の「新産学協働研究所(仮称)」では、バイオマスを活用したオープンイノベーション拠点として、林業、農業、水産業の一次産業の産品やその副産物、廃棄物などの森林資源・穀物資源・海洋資源などを、環境にやさしい次世代化学変換プロセスよって、様々なバイオマス新素材に変換する技術を共同研究し、その社会実装により「バイオマスプロダクトツリー構想」を実現していく重要な研究拠点となる。
2020年12月9日
ダイセルは8日、銀ナノインク「Picosil」による低温プロセス(120℃)での超細線描画に、2種類の描画方法で成功したと発表した。
銀ナノインクは数十㎚の銀粒子を含有する、配線/電極を形成する導電インク。粒子径の小ささから、線幅の細い配線形成の可能性がプリンテッドエレクトロニクスの分野で期待されている。特に、銀ナノインクによる5㎛以下の超細線描画は、高温プロセスを必要とするインクを使用する方法によってのみ可能とされてきたが、低温プロセスで使用できる「Picosil」によって、樹脂フィルムなどへの描画が可能となった。
今回、成功した描画方法は、①SIJテクノロジ社の静電力のインクジェット印刷装置「Super Inkjet Printer」を使った線幅1.5㎛の描画、②体積変化する圧電素子(ピエゾタイプ)のインクジェット装置による線幅30㎛以下の描画、の2種類。タッチパネルや有機ELの電極で使用される透明導電層では、現在の性能より抵抗を低くすることが求められている。今回の超細線描画により、線幅1.5㎛という人間が認識できないレベルの配線を付与することができることから、透明性を保ったまま、透明導電層のより低抵抗化を可能とする。また、透明ヒーターの熱線への活用など「Picosil」のさらなる用途拡大につなげていく。
2020年12月7日
ダイセルと兵庫県立大学は、同大播磨理学キャンパス(兵庫県赤穂郡上郡町)内に設置した共同研究講座「摩擦界面現象共同研究講座」の開講式を先月24日に開催した。
両者は、2017年に包括連携協定を締結し、産学連携を多方面で推進している。その一環として、摩擦界面で起こる現象を解明し新たな素材開発に必要な要素を研究することを目的に、今年4月1日付で同講座を設置。摩擦の基礎研究を理論的・実験的に進め、得られた知見をもとに新素材の開発へとつなげていく考えだ。
ダイセルは長期ビジョンの中で、豊富な汎用樹脂・エンジニアリングプラスチックのさらなる拡充に加え、サステナブルな社会の実現に貢献するための「バイオマスプロダクトツリーの構築」を掲げ、樹脂を含む機能材料のラインアップ充実を目指している。同講座の研究成果が、これらの方針の実現に貢献することが期待される。
同講座では、樹脂を扱う際の必須の課題である「熱」への対応を、摩擦の側面から解明する。摩擦現象は非常に複雑で、界面での現象に関する研究例は限られている。そのため同講座では、摩擦界面での現象をミクロ視点(原子、分子レベル)とマクロ視点(材料自体)の双方で捉えるとともに、熱の観点から、樹脂を摩擦部材として使用する際に求められる特性を検証する。
ダイセルは今後、同講座の共同研究から導かれた要素技術を具現化し、社会ニーズに応える軽量高性能な新たな素材を提供することを目指す。
2020年12月2日
ダイセルはこのほど、北海道大学との共同研究により、同社の機能性食品素材である「こんにゃくセラミド」がマウスの試験を通じ、血液脳関門(BBB)を透過できるという成果を得たと発表した。
両者は、2016年に同学内の「次世代物質生命科学研究センター」内に共同で設置した産業創出講座を中心に、「こんにゃくセラミド」がもつアルツハイマー病予防効果を研究してきた。こうした中、「こんにゃくセラミド」の主要成分である植物性セラミドをマウスに血中投与した際、BBBを透過して脳内へ蓄積することを実証した。
アルツハイマー病の発症は、「アミロイドβペプチド」が脳内に過度に蓄積することが原因の1つとさる。「エクソソーム」という物質は、アミロイドβペプチドと結合し、これらを分解・除去することが明らかとなっている。「こんにゃくセラミド」は神経細胞のエクソソーム産生を促進し、アミロイドβペプチドの分解・除去する機能を増強。それによって脳内のアミロイドβペプチド濃度が低下することで、短期記憶の改善効果があることが示されている。
今回は、これまで未解明だった、「こんにゃくセラミド」が体内吸収された後の植物性セラミドがBBBを透過して脳へ移行できるかどうかを明らかにするために、植物性セラミドのBBB透過性について培養細胞およびマウスを用いた研究を行った。
今回の成果から、「こんにゃくセラミド」には、アルツハイマー病発症を防止できる可能性があり、今回の知見は新たな機能性食品や新薬開発に繋がることが考えられる。今後さらにヒト介入試験により「こんにゃくセラミド」の認知機能改善効果について検証していく予定だ。なお、この研究の成果は、今年11月公開の「PLOS ONE」誌に掲載されている。
ダイセルは今後も、人々の「美と健康」に貢献する健康食品素材の開発を進めていく考えだ。