DICと出光興産 バイオマスPS製造に向け検討開始

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2023年3月10日

 DICと出光興産は9日、バイオマスナフサを活用した新たなバイオマスプラスチックのサプライチェーンを構築し、バイオマスポリスチレン(バイオマスPS)の製造に向けた検討開始に合意したと発表した。両社はともに気候変動対策を加速し、持続可能な循環型の資源利用を推進することを経営課題と捉えており、このたび環境負荷の低いバイオマスPSの製造に向けた検討を開始する。

 バイオマスナフサは、

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ユーグレナなど バイオプラ技術開発コンソーシアム設立

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2021年5月13日

 ユーグレナ、セイコーエプソン、日本電気の3社はこのほど、東京大学と共同でバイオマスプラスチックの1つ「パラレジン」の技術開発・普及推進を目的とする「パラレジンジャパンコンソーシアム」を設立したと発表した。微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ)の貯蔵多糖「パラミロン」を使ったプラスチックだ。

 パラミロンはβ-1,3グルカンからなる多糖類だが、同じ多糖類のセルロース(β-1,4結合)とは異なる立体構造をもつため、流動性を良くできる。またユーグレナの培養方法を調整することで、高密度で生成させることが可能だ。古紙や食物残渣などのセルロースの糖化物をユーグレナ培養の栄養分とすることで、環境負荷となる廃棄物を活用した非可食バイオマスプラスチックによる資源循環システムの構築を目指す。

 「パラレジン」の安定供給実現に向け、各段階の技術をもった3社が幹事企業としてコンソーシアムを組み、各社のノウハウを生かして実用化を加速させる。ユーグレナはパラミロンの規格化、エプソンは古紙・廃棄物の糖化プロセスの検討、日本電気はパラレジンの規格化と利活用の検討など各々のワーキンググループを推進し、東京大学岩田忠久教授がコンソーシアム活動への助言、顧問の取りまとめを行う。現在8社と1自治体が参画しており、2030年に年間20万t規模の供給を目指している。

ユーグレナ バイオマス50%含有プラスチックを開発

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2020年9月7日

 ユーグレナはこのほど、バイオポリ上越(新潟県上越市)と共同で、微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ)からバイオ燃料用脂質を抽出した後の残渣(ユーグレナ脂質抽出残渣)を配合したバイオマスプラスチックの開発に成功したと発表した。バイオポリ上越は樹脂の製造からプラスチック最終製品の製造まで一貫して行い、自然素材からプラスチック樹脂を創る高度な混錬加工技術をもつ。

加工前のユーグレナ・ポリプロピレン複合体のペレット
加工前のユーグレナ・ポリプロピレン複合体のペレット

 海洋プラスチックごみなどの社会問題に対し、環境省が昨年策定した「プラスチック資源循環戦略」で、プラスチックの使用量削減、リサイクル推進とともに、植物などの再生可能資源を使ったバイオマスプラスチックの利用推進を掲げ、バイオプラスチックの需要も高まっている。

 今回、パラミロン(ユーグレナ特有のβ‐1,3グルカン)粒子含有の複合体に関する特許技術に基づき、汎用プラスチックのポリプロピレン(PP)とユーグレナ脂質抽出残渣を混錬・均一分散してバイオマス含有率50%のユーグレナ・PP複合体を開発した。

 純石油由来のPPと比べ、最大曲げ応力と曲げ弾性率が高く、強さと硬さが向上。これは、有機物固体であるユーグレナ脂質抽出残渣がフィラーとして働き、PPの力学物性を向上させたことを示している。さらに、一般の射出成型機でフォークなどの加工が可能なことから、食品容器や成型材料などの様々な用途展開が期待される。

ユーグレナ・ポリプロピレン複合体を用いて作成したフォーク、スプーン
ユーグレナ・ポリプロピレン複合体を用いて作成したフォーク、スプーン

 同社はユーグレナなどの微細藻類活用の事業を通じ、社会をよりサステナブルに変革していくことを目指している。石油由来プラスチック量の削減に向け、ユーグレナの特有成分パラミロン使用の機能性プラスチックの開発とともに、バイオマスプラスチックの可能性検討を進めていく考えだ。

 

ユニチカ バイオプラのストロー向け樹脂グレードを開発

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2019年3月27日

 ユニチカはこのほど、バイオマスプラスチック「テラマック」の新規銘柄であるストロー向け樹脂グレード「TP‐5040」を開発したと発表した。今後は市場へ投入するとともに、国内外に向けた積極的な販売体制を整えることにより、新規顧客開拓を進めていく。

 昨今は海洋汚染問題がクローズアップされており、国内外の大手飲食チェーンを中心にプラスチック製ストローの廃止、もしくは紙製ストローへの置き換えの動きが加速している。こうした中、プラスチック製ストローの置き換えを進める場合は、材料自体が生分解性を有することが必須条件と考えられる。

 植物由来のポリ乳酸を原料とした「テラマック」は、微生物や酵素の働きによって最終的には水と二酸化炭素に分解する。ただ「硬い・脆い」といった性質があり、ストローとしては、製造時のカッティングや使用時の折り曲げなどにより、ひび割れや破損を生じやすく、そのままでは実用化には適していなかった。

 この問題点を解決するため、新グレードでは柔軟成分のポリマーおよび無機フィラーなどを適量付与。これにより一定の柔軟性と剛性、加工性を併せもつ最適な樹脂となった。また、紙製ストローは耐久性や強度に問題点があるが、新グレードは従来のプラスチック製ストローと同様の使用感を得ることができるのも大きな特長。

 なお、ストロー向け樹脂グレードは日本バイオプラスチック協会(JBPA)のバイオマスプラマークを取得申請中。また、ポリオレフィン等衛生協議会の確認証明書を取得している。

 今後は、プラスチック製ストローの代替用途として販促活動を進めるとともに、ストロー以外の用途への転用も図り、3年後には年間売上高5億円を目指していく考えだ。