エム・エーライフマテリアルズ(三井化学60.62%、旭化成39.38%)が開発したポリ乳酸(PLA)を主原料としたスパンボンド不織布「エコライズ」が、スポーツ用品メーカーのヨネックスが販売するテニスラケット用の包装材に採用された。
同包装材は、
2024年1月22日
2023年11月14日
2023年2月16日
2022年12月15日
2022年2月25日
2021年10月18日
LG化学はこのほど、米国Archer-Daniels-Midland(アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド、ADM)と乳酸(LA)とポリ乳酸(PLA)の合弁会社設立に向けた合意書に署名したと発表した。来年第1四半期に最終契約を締結し、2025年までに米国に年間7万5000tのPLAとLA生産プラントを完成させる計画。韓国企業初の、原料から最終製品まで一貫生産する米国工場となる。
PLAは、トウモロコシから抽出したグルコースを発酵・精製したLAを原料とする代表的な生分解性プラスチックで、特定条件下数カ月で微生物により分解する。主に食品包装容器や食器などに使用されるが、使い捨て製品に対する世界的な規制強化で、生分解性プラスチックの需要は増加。市場調査機関によると、世界のバイオプラスチック市場は2021年の1.2兆円から2026年には3.4兆円へと、年平均23%の成長が見込まれる。
ADMは世界4大穀物加工企業の1つで、世界200カ国で穀物調達施設を運営し、バイオケミカルの最重要原料であるグルコースの製造・発酵技術をもつ。LG化学とは2019年にバイオアクリル酸の量産技術に関する共同開発契約を結んでおり、今回の合弁工場設立の基盤となった。
両社は、将来の環境・持続性分野に応用可能なバイオマテリアルの共同研究開発にも積極的に協力し、環境に配慮した原材料の確保や事業領域の拡大など、サステナビリティ分野でのシナジー効果に期待している。LG化学は持続可能性戦略の一環として、気候変動やプラスチック廃棄物などの環境問題の解決に貢献する生分解性プラスチックの事業化を加速させ、バイオプラスチック市場に積極的に進出していく考えだ。
2020年8月27日
世界3位の中国企業と提携、繊維中心に拡大図る
ハイケムは生分解性材料の販売体制を整え、ポリ乳酸(PLA)の日本での販売を開始するとともに、PBAT(ポリブチレンアジペートテレフタレート)など他の生分解性材料についても本格的にマーケティング活動を始動した。
同社は、日中間での化学品の貿易事業を中心に、C1ケミカルのライセンス事業なども手掛けており、今年度から始まった第5次中期経営計画(2020~2022年)の中では、生分解性ポリマー事業を注力分野の1つとして位置づけている。
このほど、同社が事業戦略パートナーシップ契約を結ぶ中国の大手食品添加物メーカー・豊原集団の子会社が、PLAの量産化に成功。生産能力は年産5万tで、米国のネイチャーワークス、タイのトタル・コービオンPLAに次ぐ世界第3位の規模を誇る。世界最大のPLAサプライヤーを目指す豊原集団は、来年には生産量を倍増させ、今後5年以内に年産100万tまで拡大していく。コスト面でも、最終的には綿と同等の価格帯を目指している。
ハイケムがPLAで先ず狙うのは、原料としてのPLAではなく川下の加工品だ。具体的には、押出成形用途、射出成形用途、繊維・不織布用途の3種類。押出成形用途は、フィルムやシートに展開、射出成形用途は弁当や野菜、果物などの食品包装容器や精密部品、コンパウンド原料などに展開する。繊維・不織布用途では、アパレル製品や、マスク、ティーバッグなどの製品に展開していく。
高潮(たか・うしお)社長が「これから伸びてくるのは繊維での用途」と考えるように、同社の繊維に対する期待値は大きい。その理由の1つは、PLAの繊維を織る際に、ポリエステル用の織機がそのまま転用できることから、中国国内での繊維加工がスムーズに行えることがある。
また、PLAのもつ抗菌性や弱酸性などの特徴にも注目。その特性を生かし、ベビー服やインナーなどへ展開し、国内アパレルメーカーと協業することでPLA混合繊維などへの拡販を図っていく。
2019年の世界のPLAマーケットは約20万tと推定されているが、環境意識の高い欧州などではその採用が加速しており、需要の伸びが供給力を上回っているのが現状だ。また、日本のマーケットは約5000tと推定されており、日本でも需給がひっ迫している。
こうした中、ハイケムは、2023年までに日本市場のPLA流通量を倍増させることに加え、汎用ポリエチレンに似た特性をもつPBATや海洋生分解性プラなど、幅広い生分解性材料の取り扱いも強化していく。
中国では河川などへの汚染問題が深刻になってきており、ハイケムは「生分解性材料こそ海洋プラスチック問題やマイクロプラスチック問題を解決する糸口になる」と考える。現在、中国ではこれらの問題への関心が高まり、生分解性材料のサプライヤーが台頭してきている。
同社は、日中の架け橋として、これらのサプライヤーと緊密な関係を構築し、高い技術力のある日本の材料メーカーとの架け橋となり、生分解性材料の世界的な普及に貢献していく。