ランクセス 天然資源由来の熱可塑性プラ複合素材を開発

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2021年12月1日

ランクセスはこのほど、天然資源のみで作られた熱可塑性プラスチック複合素材を開発した。連続繊維強化熱可塑性プラスチック複合素材「テペックス」シリーズの “ランクセス 天然資源由来の熱可塑性プラ複合素材を開発” の続きを読む

ランクセスの1-9月期 増収増益だが通期利益は低予測

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2021年11月30日

 ランクセスはこのほど、2021年第3四半期(1―9月期)の決算を発表した。売上高は前年同期比19%増の54億7500万ユーロ、特別項目を除いたEBITDAは同20%増の7億9700万ユーロ、純利益は同73%減の2億3800万ユーロとなった。

 全部門、特にスペシャリティアディティブス部門とエンジニアリングマテリアルズ部門で増益。原材料価格の上昇は販売価格の調整で対処し、3件の買収も好業績に寄与した一方、為替によるマイナス影響とエネルギー・輸送コストの高騰は利益の伸びを妨げた。

 セグメント別では、アドバンスト中間体部門は増収増益。原材料費高騰による販売価格の調整と好調な需要で売上高を伸ばしたが、エネルギー価格の上昇と輸送コストの増加、為替の影響が利益を圧迫した。

 スペシャリティアディティブス部門は増収増益。全ビジネスユニットでの価格引上げと好需要が貢献した。輸送コストの上昇と為替の影響を受けたが、EBITDAは過去最高を記録した。

 コンシューマープロテクション部門は増収増益。主に8月に新設したフレーバー&フレグランスビジネスユニットによるものだが、テセオ社とINTACE社の買収と販売価格の引き上げも寄与した。

 エンジニアリングマテリアルズ部門は増収増益。販売価格の引き上げと販売量の増加によって売上高が大幅に増加。特に自動車業界の需要が非常に好調だった。

 なお通期の業績予想については、特別項目を除いたEBITDAは業績予測値幅10億~10億5000万ユーロの下限値寄りに着地する見込みだ。事業展開は引き続き好調で、買収によるコンシューマープロテクション部門はさらに拡大し、事業は安定し利益性も向上するが、エネルギー・原材料・輸送コストの上昇と、中国におけるひっ迫したサプライチェーンと電力配給制限による国内生産への悪影響を考慮した。

ランクセス 淡色アミン系酸化防止剤、台湾で能力増強

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2021年11月26日

 ランクセスはこのほど、台湾の拠点で淡色アミン系酸化防止剤の生産能力を数千t増強すると発表した。アジア太平洋地域における需要の増加に対応するため、数百万ドルを投資して設備を拡張する。なお、この増産計画は2022年末までに稼働を開始する見込みだ。

 同社は、アミン系酸化防止剤を「ナウガルーブ」のブランド名で販売。今回の台湾拠点への投資は、フラッグシップ製品の「ナウガルーブ 438L」のグローバル仕様を後押しするものとなる。同製品は、様々な乗用車用潤滑油や工業用潤滑油として使用されている液体酸化防止剤で、優れた耐熱性をもち、油の酸化を抑えるとともに、潤滑油の寿命やサービスの間隔を伸長させる。

ランクセス 再生可能プラ原料でbpとパートナシップ

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2021年11月22日

 ランクセスはこのほど、英エネルギー大手bp社と高性能プラスチックの生産に持続可能な原料を使用するための戦略的パートナシップを締結したと発表した。

 bpは今年の第4四半期から、持続可能な原料から生産したシクロヘキサンをベルギー・アントワープのランクセスの生産拠点に供給する。使用する原料は、菜種油やバイオ原料などのバイオベース・バイオ循環型由来のもので、ISCC(国際持続可能性カーボン認証)Plus基準で認証されている。

 シクロヘキサンは、自動車産業や電気、消費財産業で使用される高性能プラスチック「ポリアミド6」の前駆体として使用される。ランクセスは高性能プラスチックについて、「様々なeモビリティ用途など多くの持続可能な製品にソリューションを提供しており、近代的なリサイクルプロセスとバイオベース原料を利用することが、この素材の生産を持続可能なものにする鍵だ」としている。

 両社はすでに長期的な取引関係にあるが、このパートナシップにより、持続可能なプラスチック生産を大きく前進させる考えだ。

ランクセス 耐加水分解・レーザー透過を両立したPBT

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2021年10月27日

 ランクセスはこのほど、高温多湿条件下での高い耐加水分解性とレーザー透過溶着に適した良好なレーザー透過性を兼ね備えた新しいポリブチレンテレフタレート(PBT)コンパウンドを発表した。

 PBTでは困難とされた耐加水分解性とレーザー透過性を両立。さらに反りが少なく寸法安定性が高いため、コンパクトで複雑な形状のハウジングに適し、スワール制御用メカトロニックアクチュエータのハウジングに使用できる。

 小型・複雑形状のコンポーネントの生産法に、レーザー透過溶着法がある。レーザー光エネルギーを利用した熱可塑性プラスチックの接合方法の1つで、レーザー透過性のコンポーネントを通過したレーザービームが、その下にある2層目のコンポーネントに吸収され発熱し、コンポーネント表面を溶融。その熱で一層目のコンポーネントの表面が軟化し、2層のコンポーネントの間に強力な溶着シームを形成する。

 ハウジングのレーザー透過部分には黒に着色されたレーザー透過性の「ポカンB3233HRLT」、レーザー吸収側には「ポカンB3233HR」が使われる。「ポカンB3233HRLT」は黒く着色されても溶着に用いられる光波長域の透過性が高く、部品は安定・効率的に溶着される。また高温多湿環境下での耐久性は米国自動車技術者協会(SAE)のプラスチック耐加水分解性の長期試験で実証され、125℃まで耐え、車のボンネット内の高温・高湿度環境にも耐えられる。

 なお、スワール制御アクチュエータとはディーゼルエンジンなどのエアマネジメントシステムの一部で、吸気を制御すると同時に十分な乱気流を確保する役割を担う。燃焼プロセスを最適化しエンジン効率を高める上で重要な役割を果たし、最終的には燃料消費量の低減につながる。

ランクセス 中空構造向けハイブリッド成形技術を発表

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2021年10月26日

 ランクセスはこのほど、中空構造向けハイブリッド射出成形技術の市場導入を進めていると発表した。

 従来の射出成形機で金属製中空部材をプラスチック材料でオーバーモールドでき、従来技術に比べ高いねじり剛性と強度のプラスチック・金属ハイブリッド構造を作ることができる。自動車産業向けのIPメンバー、ジョイントロッド、スタビライザー、シート芯材などの他、スキーやハイキングのポール、家具や建設業界向け部材の製造にも適用できる。

 薄肉の中空部材を溶融プラスチックでオーバーモールドすると、射出キャビティ内は40~50M㎩超の高圧になり、部材の変形・潰れのリスクがある。今回、同社のシミュレーションツールをベースに開発した新しい計算モデルによる製造プロセス予測により、内側からの部材のサポートなしに射出圧力に耐えるようにプロセスを最適化。また優れた公差管理によって、部材による金型損傷や樹脂漏れを防ぎ、補助ユニットや工具による細工なしで、短いサイクルタイムでの製造が可能となった。

 この計算モデルは金属・プラスチック間の接合品質予測にも適応でき、ハイブリッド中空部材の耐圧性や破損挙動が予測できる。重量比60%のガラス短繊維を含む高強度ポリアミド6製品「デュレタンBKV60H2・0EF DUS060」などを使用したIPメンバーをシミュレーション検証した結果、全スチール製のものと比べて約30%軽量化し、一般的な荷重条件に加え、振動挙動、重力方向に対するステアリングホイールの剛性などのコンポーネント特性も優れていた。

 また、Aピラーの接続部位やステアリングコラム、ダッシュボード、空調ユニット、エアバッグの金属ブラケットなどを直接射出成形することで、機能統合によるコスト削減も期待できる。この中空構造向けハイブリッド技術は高度に進化しており、顧客との様々な開発プロジェクトに取り組む中、いくつかはプロトタイプ製作の段階にあるとしている。

ランクセス 米IFFグループの微生物制御事業を買収

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2021年10月25日

 ランクセスはこのほど、米国のインターナショナル・フレーバー・アンド・フレグランス(IFF)グループのマイクロビアルコントロール事業の買収に関する契約を締結した。来年第2四半期の買収完了を見込んでいる。

 同事業は物質保護剤と保存剤、殺菌剤用の抗菌活性成分と抗菌活性製剤を供給し、パーソナルケア製品や家庭用品、洗剤、塗料、コーティング剤、さらに工業用水処理や繊維の抗菌処理など、幅広い用途に使用されている。年間売上高は約4.5億米ドル、EBITDAは約1億米ドルで、買収金額は約13億米ドル。買収完了後4年以内に、EBITDAで約3500万ドルの相乗効果を見込んでいる。

 同事業は米国ルイジアナ州セント・チャールズとウェストバージニア州インスティテュートに生産工場をもち、従業員数は約270人で、活性成分や製剤の製造会社とパートナーネットワークをもつ。

 買収完了後はランクセスの物質保護剤ビジネスユニットに統合し、微生物制御ソリューションを提供するメーカーとして活性成分のポートフォリオを拡大し、顧客のアプリケーションに基づいたソリューションを提供する。また、新しいテクノロジーに加え、関連法規登録済の制菌製品が拡充し規制対応も強化される。

 同社は、今回の買収により高収益性の特殊化学品、幅広い業界での用途、グローバルなポジショニングを強化し、世界最大規模の制菌製品メーカーとなる。同時にグループ内ではコンシューマープロテクション部門をさらに強化し、収益性と安定性を向上させていく考えだ。

ランクセス バッテリー筐体向け高性能プラを開発

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2021年10月14日

 ランクセスはこのほど、韓国の自動車部品メーカー、インファック(INFAC)社と電気自動車用のバッテリーモジュール筐体を共同開発したと発表した。

 ガラス繊維強化ポリアミド6(PA6)「デュレタン(Durethan)BKV30FN04」を使用したバッテリー筐体は、最新の電気自動車部品の機械的・化学的特性要件を満たし、ハロゲンフリーで優れた難燃性と電気特性が特長。加工性にも優れ、筐体部品に求められる複雑な機能を一体化し、部品数の削減、組立工程の簡素化、軽量化を実現した。

 バッテリーモジュールは、外部の衝撃からバッテリーを保護するために衝撃吸収と熱管理が重要。「BKV30FN04」はガラス繊維強化されており、機械的荷重に対する耐久性が優れる上、最大800ボルトに耐えて高電圧電流を遮断し、強力な難燃性により火災時の延焼を防止・遅延させる。また、電解液や冷却媒体と接触しても強度・剛性を維持し、化学的損傷を抑制する耐薬品性をもつ。

 ランクセスのエンジニアリングプラスチックは、バッテリーカバー、高圧コネクター、ケーブルブラケット、バッテリーセル冷却システムパイプ、水素貯蔵タンクなどの水素燃料電池自動車用部品など、幅広いバッテリー構造に適用できる。また、各種金属部品を代替して軽量設計が可能になる。

 1つのプロセスで複数の機能部品を製造できるため、多くの技術と部品が出現する次世代モビリティ市場において、需要は継続的に増加する。ランクセスは韓国を含む世界的な大手自動車OEMと緊密に協力しており、eモビリティの動向や課題を早期に把握し、様々な電気自動車やバッテリー開発プロジェクトに参加できた。顧客との成功事例を蓄積し、新しいモビリティの重要なパートナーとしての地位を確立していく考えだ。

ランクセス 新社長にジャック・ペレズ氏が10月に就任

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2021年10月1日

 ランクセスはこのほど、10月1日付で、ジャック・ペレズ氏がランクセスおよびランクセス・ソリューションズ・ジャパンの代表取締役社長に就任すると発表した。

 張谷廷河社長は、同日付でランクセス液体高純化テクノロジーズ・ビジネスユニットのアジア太平洋地域統括に就任する。

 ペレズ氏は59歳。これまで仏ヘキスト・マリオン・ルセル社(現サノフィ・アベンティス社)で要職を歴任するなど、化学・製薬業界で約30年間の経験をもつ。ランクセスには2008年に入社。南米、シンガポール、インド、英国の現地法人にて財務担当役員および社長を歴任し、事業拡大に尽力してきた。

 ランクセスは今後、豊富な経験と実績をもつペレズ新社長の下、日本での事業の成長を図っていく。