中外製薬はこのほど、ロシュより導入し、日本における製造販売承認を有する抗悪性腫瘍剤「ゼローダ錠」について、日本事業をチェプラファームに譲渡すると発表した。
中外製薬は、2003年より
2023年11月8日
2021年7月19日
ロシュはこのほど、米国食品医薬品局(FDA)が、コルチコステロイドの全身投与を受けており、酸素補給、人工呼吸、またはECMO(人工心肺装置)を必要とする入院中の成人と小児(2歳以上)のコロナ治療薬として、「アクテムラ」(トシリズマブ)静注製剤に対し緊急使用許可(EUA)を発行したと発表した。今回のEUAは、4つのランダム化比較試験でのコロナ入院患者、計5500例以上の成績に基づいている。
これらの試験成績から、「アクテムラ」は、酸素補給または呼吸補助を必要とするコルチコステロイド投与中の患者の転帰を改善する可能性があることが示唆されている。4つのランダム化比較試験のうち、リカバリー試験(アクテムラパート)はイギリスの研究者らが主導し、コロナによる入院患者4000例以上を対象としている。ロシュ社主導の国際共同試験には、プラセボ対照のCOVACTA試験、EMPACTA試験およびREMDACTA試験が含まれる。これらの試験のいずれにおいても、「アクテムラ」に対する新たな安全性シグナルは認められなかった。主な副作用(発現率3%以上)には、便秘、不安、下痢、不眠、高血圧、悪心などがある。
2021年3月15日
中外製薬はこのほど、ロシュと、新型コロナウイルス感染症に対する経口の新薬候補品「AT-527」について、日本での開発および販売に関するライセンス契約を締結した。
「AT-527」は、RNAウイルスの複製に必要なウイルスRNAポリメラーゼの阻害作用をもつ直接作用型抗ウイルス剤。米国・アテアが創製し、コロナ感染症に対する経口治療薬としての可能性が検討されている。ロシュとアテアは、同剤の開発を共同で実施し、承認された場合は、米国での販売はアテア、全世界での製造および米国外の販売はロシュが担う。今回、ロシュと中外製薬のライセンス契約により、中外製薬は日本での「AT-527」に対する独占的な開発権と販売権を取得する。
現在、グローバルでは、入院を要する中等症コロナ患者に対する第Ⅱ相臨床試験、並びに入院をしていない軽症から中等症コロナ患者に対する第Ⅱ相臨床試験が進行中。今年上半期までに第Ⅲ相臨床試験の開始が見込まれ、軽症から中等症の外来コロナ患者に対する有効性・安全性を評価する予定だ。
中外製薬の奥田修社長COOは、「変異種の感染が拡大するなど、コロナ感染症の世界的流行は衰えを見せておらず、新たな医薬品の選択肢が引き続き必要とされている。ロシュおよびアテアとともに、軽症から中等症の幅広い患者への医療に貢献することを目指す同剤の開発に取り組むことに、強い使命感を抱いている」とした上で、「利便性の高い経口抗ウイルス剤である「AT-527」を日本においてもいち早く届けられるよう、国内の承認申請に向け必要な対応に尽力していく」と述べている。
2020年6月9日
ロシュはこのほど、ギリアド・サイエンシズ社と共同で多施設共同無作為化二重盲検国際共同第Ⅲ相臨床試験(REMDACTA試験)を開始すると発表した。
同試験では、重症新型コロナウイルス感染症肺炎による入院患者を対象に「Actemra/RoActemra」と抗ウイルス治験薬「レムデシビル」との併用療法の安全性と有効性を、プラセボとレムデシビルとの併用と比較して評価する。同試験は、米国、カナダおよび欧州を含む約450例を目標に、今月から患者登録を開始する予定だ。
REMDACTA試験に先立ち、同社が実施する、重症コロナ感染症肺炎による成人入院患者を対象とした、「Actemra/RoActemra」静脈内投与と標準的な医療措置の併用の安全性・有効性をプラセボと標準的な医療措置の併用と比較して評価する、無作為化二重盲検プラセボ対照国際共同第Ⅲ相臨床試験(COVACTA試験)では、最初の患者は4月3日に登録された、合計で約450例がCOVACTA試験に登録される予定。症例数を当初の目標であった330例から増加するものの、登録期間の延長を最小限に抑えつつ、より信頼性の高いデータを得ることが可能となる。
同社では、早ければ今夏にもCOVACTA試験のデータを共有できるように取り組んでいる。さらに、COVACTA試験のプロトコルでは、現在治験中の抗ウイルス薬を含め、抗ウイルス薬による治療を受けている患者の登録も可能であり、REMDACTA試験で得られるデータはCOVACTA試験のデータを補完するよう設計されている。