三井化学の2022年3月期第1四半期(4-6月期)の連結決算(IFRS)は、売上収益が3706億円(前年同期比1161億円増)。コア営業利益は519億円(同513億円増)。純利益は黒字に転じ426億円(同449億円増)となった。
5日にウェブ開催した決算説明会で、中島一取締役常務執行役員CFOは「全体感で言えば、昨年の1Q(4-6月期)に比べればコロナ影響の軽減が見られ、海外市況も上昇したことから、非常に大きく改善した」と総括した。
主な増益要因としては、
2021年8月6日
2021年8月3日
三井化学は2日、10㎾から2㎿程度の中小規模太陽光発電事業者を主たるターゲットに、適切な発電量の予測を目的とした、オンライン診断専用WEBサイト(https://www.mci-solarpvhealth.com/jpn/)を開設したと発表した。今回のWEBサイト開設により、ユーザー自身が情報入力することで、最短3分での診断書発行が可能になる。なお、同診断事業は、今年4月から先行サービスを開始し、すでに100件の診断を実施している。
オンライン診断の強みとして、①これまで発電収支の予測手段がなかった中小規模の事業者を対象とするサービス、②事業者が最短3分で診断書発行が可能、③同社のノウハウと正確な気象データを背景としたAIによる確度の高い診断、などが挙げられる。
同社グループでは、三井化学東セロで30年以上製造・販売している太陽光パネル用封止材の劣化予測技術、2014年から「田原ソーラー・ウインド発電所」(愛知県田原市)での事業者として開発・運営してきた経験、市原工場茂原分工場や袖ケ浦センターの試験用発電所でのデータ蓄積、といった太陽光発電に関する知見をもつ。同社はこれらの知見や信頼を生かし、日本の再生可能エネルギー利用拡大に対応することで、今後も社会課題の解決に貢献していく。
2021年7月30日
三井化学は29日、アセトン(AC)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、MIBK類、イソプロピルアルコール(IPA)を、8月1日出荷分から値上げすると発表した。改定幅は、ACが「16円/kg」、MIBKとMIBK類が「21円/kg」、IPAが「13円/kg」。
同製品については今年3月にも値上げを発表しているが、それ以降も主原料であるナフサ価格は騰勢を強め、2Q(4-6月期)は4万8000円/kl近くにまで上昇、/kl3Q(7-9月期)も5万5000円/kl程度と大幅な上昇が見込まれている。
こうしたナフサ価格高騰は自助努力の範囲を超えるものであり、安定供給体制の維持を図るためにも価格改定せざるを得ないと判断した。なお、想定したナフサ水準が変動する場合は、改定幅を修正する場合もあるとしている。
2021年7月26日
2021年7月19日
脱プラから「改プラ」へ、新造形テーマに開催
三井化学の組織横断的なオープン・ラボラトリー活動「そざいの魅力ラボ(MOLp:モル)」は先週、5日間の期間限定で素材の魅力を体験できる「モルカフェ2021」を開催した。約3年半ぶりとなる3回目。同活動は、いわば部活動のようなもので、有志メンバーが集まり、様々な素材の中に眠っている機能的価値や感性的な魅力を、あらゆる感覚を駆使して再発見し、そこから生まれたアイデアやヒントを社会とシェアしていくもの。
2015年に活動を開始した。当初から同活動のクリエイティブパートナーを務めるエムテド(MTDO)の田子學さんは、回を重ねるごとにクオリティを高めていく活動の源泉に「モチベーション」を挙げる。1回目はプロトタイプの発表にとどまったものの、2回目では製品化までこぎつけた。またその取り組みが、アパレルブランド・アンリアレイジのデザイナー森永邦彦氏の目に留まり、その後、アンリアレイジとイタリアのファッションブランド・フェンディの、「2020-21年秋冬ミラノコレクション」でのコラボというビッグビジネスにつながっていった。3回目となる今回のテーマは「ネオプラスティシズム(新造形主義)」。海洋プラごみ問題をはじめプラスチックに注目が集まる今、持続可能な循環型社会に向けてどうプラスチックを変化させていくのか、脱プラから「改プラ」への可能性を探索し提案した。
会場となったライトボックススタジオ青山(東京都港区)でひと際目を引く、500kg容量の鼠色のフレコンバッグ。樹脂ペレット原料などの保管や輸送に使われるが、耐用年数は15年ほど。使用後も80~90%の強度が残っていることから、そのロングライフ性を生かしてトートバッグや財布へとアップサイクルし製品化した。今回の試みでは、15年後の再利用を前提にフレコンそのもののデザインを刷新、どの部分を使っても見栄えのする仕様に変えた。
会場には様々な素材や製品が、壁に掛けられた説明パネルとともに並ぶが、記者が注目したのは「GoTouch(ゴトウチ)コンパウンド」だ。木粉(和歌山県新宮市)やソバ殻(長野県千曲市)、緑茶殻(三重県松阪市)、ぶどう果皮と種子(山梨県甲府市・笛吹市)といった日本各地の未利用バイオマスを有効活用し、ベース樹脂のポリプロピレンとコンパウンドしたもの。会場では15種類のコンパウンドペレットとその成型品のトレーが展示されていた。混ぜ込む植物性原料の香りや色、質感が楽しめる製品が「ご当地」感を醸し出している。
「三井化学のコア技術とベンチャーのトルムスイニシエイトのペレット化技術で『混ぜる』可能性を追求した」と話す、この取り組みを手掛けた藤本恵造さん。三井化学の誇る相溶化・分散技術を基にした添加剤により、バイオマス混合率50%のコンパウンドが実現。混合率70%以上も可能だという。大半が焼却処理される未利用バイオマスを有効活用することで、CO2の固定化にも寄与する。各地域のロスを減らし化石資源の使用量削減につながるだけでなく、ご当地の魅力と特色を生かしたプラスチックで地方創生の可能性も秘める。藤本さんは「土地ごとの素材で、愛着をもって長く使ってもらえる製品を提供していきたい」と抱負を語る。今後もラインアップを増やし、「ゴトウチ」プラを広く展開していきたい考えだ。
記者的には丹波篠山の栗のイガや鬼皮、紀州の梅の種、酒どころの酒粕、米どころの稲わら、トウモロコシの芯なども面白い。違った視点をもった人とのつながりにより、さらに新たな展開も期待される。「モルカフェ」の取り組み自体がサーキュラー、循環しているようだ。
2021年7月16日
三井化学は15日、2022年「三井化学 触媒科学賞」の応募要項を決定し、今秋9月から受付を開始すると発表した。固体触媒や分子触媒、生体触媒などの研究・開発をはじめ、触媒によるグリーンプロセスや希少金属有効利用プロセスなど多様な触媒科学分野から広く募集する。
同社は、化学と化学産業の持続的発展に寄与する目的で、特に触媒科学の分野で優れた研究業績を挙げた研究者を表彰する「三井化学 触媒科学賞」と「三井化学 触媒科学奨励賞」を2004年に制定。過去8回の同表彰を通じ国内外27人の研究者を表彰してきた。
今回も、大学・公的研究機関に所属し、触媒科学分野で顕著な研究業績を挙げた研究者を対象に公募を行う。応募年齢は、「触媒科学賞」は47歳以下(今年4月1日時点)、「触媒科学奨励賞」は37歳以下(同)。応募受付期間は9月1日から12月31日まで。受賞者の発表は来年6月を予定する。必要書類や問い合わせ先などの詳細情報は、専用サイト(https://jp.mitsuichemicals.com/jp/techno/csa/index.htm)まで。
2021年7月14日
三井化学はこのほど、同社の技術研修センターが日本化学工業協会の「レスポンシブル・ケア(RC)大賞」を受賞したと発表した。
レスポンシブル・ケア活動は、化学物質の開発から製造、物流、使用、最終消費を経て廃棄・リサイクルに至るまで全ての過程で、自主的に「環境・安全・健康」を確保し、活動の成果を公表することで社会との対話・コミュニケーションを行う活動。「レスポンシブル・ケア賞」は日化協がレスポンシブル・ケアのさらなる発展と拡大を図るため、優れた功績あるいは貢献が認められた事業所、工場、部門、グループまたは個人を「大賞、審査員特別賞、優秀賞」として毎年表彰している。
今回の受賞は、三井化学技術研修センターが取り組んできた、教育資料・研修プログラムの充実、グローバル化への対応、コロナ禍でも活動を継続するための工夫などが評価された。同技術研修センターは、生産現場力の維持・強化を目的として2006年に開講。以来、現場運転員から学卒エンジニアや管理社員、グループ国内外関係会社の従業員へと研修対象を広げてきた。安全を中心に運転・設備に強い人材育成に努め、2015年からは社外にも研修を開放し、受講生は約1万人に及ぶ。コロナ禍の下、感染防止対策を徹底した研修に加え、疑似体験研修など教育の機会をより広く絶やさず提供することにも取り組んでいる。
2021年7月9日
三井化学と日本IBMは8日、化学物質を扱う作業現場の安心安全な労働環境づくりを目指して「労働災害危険源抽出AI」を構築し、今年4月から三井化学の大阪工場(大阪府高石市)で稼働を開始したと発表した。三井化学は主要経営課題の1つに安全の確保を掲げ、作業現場の安心安全な労働環境づくりに取り組んでいる。デジタル・トランスフォーメーション(DX)を活用しながら、さらなる社員の安全向上と企業価値の向上につなげていく考えだ。
今回のシステムの導入により、工場内に設置したパソコン端末に、これから行う「作業の場所」や「作業内容」、火傷や転倒といった「労働災害の種類」などのキーワードを入力することで、過去のデータベースからリスク相関性の高い事例の照会や類似事例を迅速に抽出できるようになった。同時に属人性の解消、スキルやノウハウの伝承、原因究明の早期化なども図れる。
「労働災害危険源抽出AI」は、AI(IBM Watson)を活用した、インターネット経由で利用するSaaS(サース)システム。三井化学に蓄積された過去の労働災害情報やヒヤリハット情報、トラブル報告書といった紙ベースの情報をデータベース化し、日本IBMが構築した。
2021年7月6日
三井化学はこのほど、センサー部のタッチ操作で遠近を瞬時に切り替えられる電子メガネ「タッチフォーカス(TouchFocus)S」に、電子液晶レンズの電気加入度数バリエーションを追加し販売を開始した。
新たに投入したのは、電気加入度数「+1.0D」モデル。昨年12月に発売した「+0.75D」モデルと比べ、遠方距離と近方距離にフォーカスした設計となっており、ゴルフや釣り、ハイキングといったアウトドア向けの仕様だ。
「タッチフォーカス S」は「タッチフォーカス」の第2世代モデルで、電子液晶レンズ部(近用部)を約120%拡大し上辺をフラットにしたことで近方視界を広げたほか、タッチセンサー反応速度の改善や、つる(テンプル)接合部分へのスプリングヒンジ採用で操作性・装着感を向上させた。フレームのつるにあるタッチセンサーに触れるとレンズ内の液晶が駆動し度数を上げる仕組みだか、新モデルはこの操作により電気的に度数が「+1.0D」加わるもの。利用者の近用度数が「+2.0D」の場合は、非操作時の度数が「+1.0D」となっていることから、ゆれ・ゆがみ・ぼやけが低減され足元がより快適に見える。ちなみに「+0.75D」モデルでは非操作時の度数は「+1.25D」と高くなるため、40~70cm程度の中間距離を見ることが多い利用者に向く。
同社では今回の発売を記念して、今年9月26日までの期間、新モデルの購入者全員を対象に、日差しの眩しさを抑える専用の偏光クリップオンサングラスを進呈するキャンペーンを実施中。販売価格は31万9000円(税込)。全国約80店舗のメガネ専門店で取り扱っている。
2021年7月2日
三井化学は組織横断的なオープン・ラボラトリー活動「そざいの魅力ラボ(MOLp:モル)」の一環として、7月13~17日の5日間、ライトボックススタジオ青山(東京都港区)を会場に、「NeoPLASTICism(新造形主義)」をテーマに素材の魅力を体感できる「MOLpCafe(モルカフェ)2021」を開催する。
今回は、軟包装材のアップリサイクルプロジェクト「RePLAYER」、海水抽出のミネラル成分から生まれたイノベーティブプラスチック「NAGORI update」、ポリオレフィン合成パルプ「SWP」といった機能性素材を使った製品をはじめ、太陽光で色が変わるボタン「SHIRANUI Button」、新素材不織布による新たな中綿を提案する「Vegan Down Jacket」などを展示。サステナブルな未来に向けて素材の魅力を生かしたアイデアやヒントを身近なプロダクトへと昇華させ、展示・発表するとともに、実際に手にとって体感できるように一部商品の販売も行う。同活動の有志メンバーによる試行錯誤の末に導き出した1つの形を提示することで、来場者と共に自由に議論が行えるカフェのような展示会を企画している。
「MOLp」は、三井化学グループが100年以上にわたり、継承し、培ってきた素材や技術の「機能的な価値」や「感性的な魅力」を、あらゆる感覚を駆使して再発見し、そのアイデアやヒントをこれからの社会のためにシェアしていく同社グループのオープン ・ラボラトリー活動。
2015年の活動スタート以来、MTDO(エムテド)の田子學(たご・まなぶ)氏をクリエイティブパートナーに迎え、設立コンセプト「感性からカガクを考える~Fusion of Intuition and Science~」 に沿い、社会・ヒトと素材の新しい関係性を追求してきた。同活動を通じて素材や技術の価値や魅力を探索し、コミュニケーションによりこれからの未来社会にシェアしていくことで、素材の未来を切りひらいていく。