三菱ケミカル 抗ウイルス・抗菌スプレーにコロナ不活化効果

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2021年2月10日

 三菱ケミカルはこのほど、グループ会社である新菱(福岡県北九州市)が、今回新たに開発した抗ウイルス・抗菌スプレーについて、新型コロナウイルスに対する効果確認のための評価試験を行い、99.9%以上のウイルスを不活化した結果を得たと発表した。

 なお、同評価は、日本繊維製品品質技術センターで実施。評価方法(ISO21702:「プラスチック及びその他の非多孔質表面の抗ウイルス活性の測定」準用)では、プラスチック試験片に抗ウイルス・抗菌スプレーを塗布してから4週間放置した後、試験片に新型コロナウイルス液を滴下。その上にフィルムを被せて密着させ、25℃で24時間静置。その後、試験片から新型コロナウイルスを洗い出し、そのウイルス感染価を測定することで不活化効果を確認した。

三菱ケミカル バイオエンプラに塗装不要なメタリックカラー

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2021年2月8日

 三菱ケミカルはこのほど、バイオエンジニアリングプラスチック「DURABIO」において、塗装工程が不要なメタリックカラーをグレードラインナップに追加したと発表した。すでに、ダイハツの「ロッキー」など複数車種の内装材に採用が進んでいる。

ロッキー(画像提供 ダイハツ工業株式会社)
ロッキー(画像提供 ダイハツ工業)

 「DURABIO」は、再生可能な植物由来原料であるイソソルバイドを用いたバイオエンプラで、耐衝撃性・耐熱性・耐候性などの点で従来の一般的なエンプラよりも優れた物性をもつ。また、発色性が良く、顔料を配合するだけでつややかで光沢のある表面を作ることができる。さらに、表面が硬くて擦り傷が付きにくい特長があるため、塗装・コーティング工程が不要となり、製造時に塗料から発生するVOC(揮発性有機化合物)を低減できる。これらの特性を活かし、自動車の内外装意匠部品への採用が進んでいる。加えて、「DURABIO」は、表面に付着した菌が残りづらい物性も持つことから、新しい生活様式においても需要の増加が期待される。

 今回採用されたメタリックカラーの部品は、「DURABIO」の透明性を活かし、顔料による着色のみで高輝度で高級感のある風合いを表現し、従来比でVOC低減および加工時間短縮を実現。高輝度かつ色ムラを低減するための塗装工程が不要となっている。

 同社は今後も、「DURABIO」の研究開発を加速させ、環境に優しいクルマづくりに貢献していく考えだ。

三菱ケミカル 車載用LIB関連特許が欧州で成立

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2021年2月3日

 三菱ケミカルは2日、グループ会社のMUアイオニックソリューションズ(MUIS)と共有する車載用リチウムイオン二次電池(LIB)に関する特許(欧州特許出願番号:06 83 2384.9号)が欧州で成立したと発表した。同特許は、車載用LIBの主流であるニッケル含有正極材と、ジフルオロリン酸リチウムを含む電解液との組み合わせによる技術で、すでに日本をはじめ、米国、中国、韓国で成立している。今回、電気自動車(EV)の需要が伸長している欧州で新たに特許が認可され、ドイツでの権利が成立した。

 近年の車載用電池では、電池の高容量化のために単位体積当たりのエネルギー貯蔵量が大きいニッケル含有正極材が使われている。同特許技術は、ジフルオロリン酸塩が有効成分として作用し、特にニッケル含有正極材を使用した電池の出力特性、および繰り返し充放電に伴う容量維持特性を同時に向上させることができることから、車載用途で期待されている高寿命・高出力・高速充電可能な電池の構築に極めて有用な技術となる。

 三菱ケミカルとMUISは、同特許以外にも車載用LIB向け材料に関する特許を数多くもっている。EVは、化石燃料消費の抑制やCO2の排出低減といった環境問題への解決策だけでなく、次世代モビリティ社会を実現する観点から、欧州を含む全世界でさらなる普及が見込まれている。

 両社は、今後も旺盛な需要に対応するため、車載用LIB向け電解液のリーディングカンパニーとして事業を展開していくとともに、知的財産権の適切な活用による健全な市場の拡大を促し、持続可能な次世代社会の実現に貢献していく考えだ。

 

三菱ケミカル エチレングリコール類を値上げ、採算是正を図る

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2021年2月2日

 三菱ケミカルは1日、エチレングリコール類を今月15日納入分から値上げすると発表した。対象製品は、「モノエチレングリコール」「ジエチレングリコール」「トリエチレングリコール」で、改定幅はいずれも「7円/kg以上」となっている。

 国産基準ナフサ価格は、原油価格上昇の影響を受け、今年1Q(1-3月期)はおおむね4万円/kl程度に上昇する見込みとなっている。同社は、こうした原料価格上昇に伴う大幅なコストアップ分を自助努力のみで吸収することは困難であると判断した。

 

三菱ケミカル 酢酸ビニルモノマーを15円/kg値上げ

2021年1月29日

 三菱ケミカルは28日、酢酸ビニルモノマーを2月15日出荷分から値上げすると発表した。改定幅は「15円/kg」となっている。

 酢酸ビニルモノマーは需給がひっ迫している中、原料価格の上昇から事業環境は厳しい状況が続いている。同社は、これまでコスト削減に努めてきたが、自助努力だけでは収益性悪化を吸収することが困難であり、旺盛な需要に対応し安定供給を継続するためには採算是正が必要であると判断した。

三菱ケミカル 赤色蛍光体特許侵害の中国訴訟、勝訴が確定

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2021年1月27日

 三菱ケミカルは26日、物質・材料研究機構(NIMS)と共有する赤色蛍光体に関する中国特許の侵害訴訟の最終審で勝訴が確定したと発表した。

 三菱ケミカルは2015年に、被告である中国Shield社に対し特許侵害を中級人民法院に提訴し、2018年に特許侵害の差し止めと損害賠償金の支払いを命ずる判決を得た。その後、Shield社は判決を不服とし高級人民法院に上訴していたが、同法院はShield社の主張を全面的に退け、昨年12月に第一審の判決を支持する最終判決を下した。なお、これに並行して、Shield社が同特許の無効を訴えた行政訴訟についても、三菱ケミカルが勝訴し同特許の有効性が確定している。

 今回の侵害訴訟の判決をもって、Shield社と争ってきた同特許の中国訴訟はすべて終了した。赤色蛍光体の主用途である白色LEDデバイスの最大生産量を誇る中国で、長年積極的に投資や事業展開を行ってきた三菱ケミカルにとって、今回の勝訴判決は非常に意義深いもの。また、今回の判決は蛍光体産業と白色LED産業にとって大きな意味をもち、今後の両産業の健全な発展と秩序維持につながることが期待される。

 三菱ケミカルは今後も、自社および他社の知的財産権を尊重し、他社が知的財産権を侵害するようなことがあれば、これを看過することなく適正な対応を取る方針だ。

三菱ケミカル PVA製品群の輸出価格値上げ、来月1日から

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2021年1月27日

 三菱ケミカルは26日、ポリビニルアルコール(PVA)製品群の輸出取引価格を2月1日出荷分から値上げすると発表した。対象製品はPVA「ゴーセノール」、PVA特殊銘柄「ゴーセネックス」、アモルファスビニルアルコール系樹脂「ニチゴーGポリマー」、ゴーセネックスZ用架橋剤「セーフリンク」で、改定幅は、北南米向け「200USドル/t」、欧州向け「250ユーロ/t」、西アジア・南アジア・東南アジア・東アジア向け「150USドル/t」、中国向け「150USドル/t」、オセアニア向け「150USドル/t」となっている。

 当該製品については、人手不足やコンテナ不足により海外物流費が高騰しており、自助努力によるコスト吸収の範囲を超えるものとなっている。さらに、これらの傾向は今後も続くことが見込まれる。こうした中、同社は、これまでコスト削減に取り組んできたが、安定供給を維持するために採算是正が必要であると判断し、価格改定の実施を決定した。

三菱ケミカル 子会社2社を統合、コーティング材事業を集約

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2021年1月26日

 三菱ケミカルは25日、全額出資会社であるジャパンコーティングレジン(JCR)と東栄化成について、今年10月1日付でJCRを存続会社とする吸収合併の方法で統合すると発表した。JCRは、水系エマルジョン技術基盤をもとに多様な樹脂の乳化技術に強みをもつ。一方、東栄化成は、アクリル系コーティング材用樹脂やその他各種樹脂の重合・配合・分散製造の少量生産体制を生かした柔軟なオペレーションを強みとしている。

 今回の統合を通じて、両社がそれぞれ培ってきたコーティング材事業に関する知見・製造技術を集約することで、付加価値の高いソリューションを幅広く提供する体制を確立する。三菱ケミカルは今後も、グループの総合力を生かした事業展開を行うことで、コーティング材事業の成長・強化を目指していく。

三菱ケミカル オキソ製品とアクリル酸製品を値上げ

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2021年1月26日

 三菱ケミカルは25日、オキソ製品およびアクリル酸製品を来月1日出荷分から値上げすると発表した。対象製品は、オキソ製品が「2‐エチルヘキサノール」「ノルマルブタノール」「イソブタノール」「ノルマルブチルアルデヒド」「イソブチルアルデヒド」「イソノニルアルコール」、アクリル酸製品が「アクリル酸」「アクリル酸ブチル」「アクリル酸2エチルヘキシル」「アクリル酸メチル」「アクリル酸イソブチル」で、改定幅は各製品とも「15円/kg以上」となっている。

 原料のプロピレンは、修繕費増加や市況高騰によりコストが上昇している。これに加え、当該製品に関わる修繕費などの固定費・物流費が上昇している。同社はこれまでコスト削減に努めてきたが、これらのコストアップ分を自助努力のみで吸収することは困難であると判断し、価格改定の実施を決定した。