[三菱ケミカル・人事](2月1日)▽内部統制推進部長、コンプライアンス推進統括執行役員同部所管三菱ケミカルホールディングス執行役員ヘルスケア法務室長矢野功▽同部長付奥園雄司。
三菱ケミカル 人事(2月1日)
2021年1月22日
2021年1月22日
2021年1月22日
三菱ケミカルとグループ会社の大阪化成、および北里研究所はこのほど、新型コロナウイルスの不活化評価に関する共同研究について、大阪化成が製造・販売する「マルカサイドAV」で加工した生地が新型コロナウイルスに対し、短時間(1分間または10分間)で不活化効果があることを確認したと発表した。
新型コロナウイルスは、ここにきて国内外で感染が拡大。国内の感染者数は32万人(1月17日現在)を超え、世界的な規模で第3波の流行に襲われている。このような状況下、医療関係者などの感染防御対策は、医療崩壊を防ぐ上でも極めて重要であり、社会的にも喫緊の課題となっている。
「マルカサイドAV」は、有機系第4アンモニウム塩を主成分とする水性剤であり、主に繊維加工剤として使用される。急性経口毒性・変異原性・皮膚刺激性・皮膚感作性の安全性が確認されているほか、各種ウイルスに対する抗ウイルス効果やグラム陽性菌群、グラム陰性菌群および真菌(カビ)などの幅広い菌種に効果を発揮する。
今回の評価結果では、「マルカサイドAV」を加工した対象布は、不織布の場合、10分間で1万分の1以下に、1分間で100分の1以下にコロナウイルスが不活化された。また、ポリエステル(65%)と綿(35%)の混紡生地では10分間、1分間とも約1万分の1以下に不活化が確認され、さらに10回の洗濯後でも100分の1以下まで不活化が可能であった。
3者は、引き続き共同研究を進め、医療機関で使用される防護服や白衣、カーテンなどへの用途展開を図り、研究の意義である医療関係者などの感染防御対策など、医療現場へ貢献、医療崩壊予防などに役立つよう研究を進めていく考えだ。
2021年1月19日
2021年1月15日
コロナ禍で3Dプリンター活躍、一気に市場拡大
三菱ケミカルは、長年培ってきた樹脂に関するノウハウをベースに、2018年に3Dプリンティング用樹脂事業に参入。翌年には、米国に工場を新設し、製品の量産を開始した。今後、3Dプリンティング用樹脂の需要はグローバルで年率10%程度伸びていくと見られており、同社は市場の伸び以上の事業成長を実現していく考えだ。
3Dプリンターの原理は1980年代に考案され、製造業を中心に部品の試作に採用されてきた。2000年代に入ると、特許切れにより3Dプリンティング事業に参入する企業が増加。これが低価格化につながり、その後、欧米を中心に安定的に市場が広まった。
こうした中、昨年は世界的に新型コロナウイルスの感染が拡大。グローバル企業のサプライチェーンが深刻な影響を受けたが、図面さえあれば必要な場所で、必要なときに、必要な量を製造できる3Dプリンターがこの窮地を救った。また、病院でも3Dプリンティングが活躍。世界中の企業やエンジニアが医療物資に関連する設計図を無償でウェブ上に公開したことにより、欧州では病院が3Dプリンターを購入して、現場でフェイスシールドや人工呼吸器の部品を製造するケースが増加。日本でも、既存設備の3Dプリンターを活用して医療部品を作り、病院に寄贈する企業が相次いだ。世界規模の外出制限が一段落した今も、「部品調達手段の多様化」「生産コストの効率化・省力化」「DX化推進の一環」などをキーワードに市場の拡大が続いている状況だ。
3Dプリンティング市場の拡大で重要となるのが造形物に使用する素材。特に、産業分野の部品生産に利用するためには、強度や造形時間、加工のしやすさなど、素材にも高い品質が求められる。同社は、2018年にグループ内に分散していた3Dプリンティングに関する研究機関や事業を高機能ポリマー部門に集約。本格的な3Dプリンティング用樹脂事業参入に向けて、積極的な事業展開を推進している。
2018年には熱溶解積層(FDM)方式のフィラメントのトップメーカーである蘭ダッチ・フィラメンツ社を買収し、3Dプリンティング用樹脂事業の足掛かりを構築。2019年には独自の基盤技術「フリーフォーム射出成型(FIM)」をもつデンマークのアディファブ社へ出資し、両社の技術の融合により、多種多様な特性・形状の部品が製造可能となった。
また蘭アトム3D社とは、紫外線硬化樹脂「ダイヤビーム」技術を共同で開発。耐熱性と耐衝撃性の両立を実現した。さらに昨年には独AMポリマーズ社と業務提携し、粉末床溶融結合(PBF)方式3Dプリンターに使用するPBT(ポリブチレンテレフタレート)を用いたパウダーを開発し供給を開始。三菱ケミカル初の3Dプリンティング用樹脂の製造・販売となった。同社の3Dプリンティング用樹脂は、自動車の内装材、航空機部品、医療分野といった幅広い試作用途に使用できるため、各分野への展開が期待される。
一方、3Dプリンティングは、デザイン性の向上に寄与するだけでなく、使用材料の削減、製作・物流リードタイム短縮によるCO2削減など、今の時代に不可欠な環境にやさしい工法でもある。三菱ケミカルは3Dプリンティングへの樹脂ソリューションをグローバルに提供し続けることで、社会・環境課題の解決の一助を担うとともに、三菱ケミカルホールディングスが掲げる「KAITEKI」の実現に向け取り組んでいく考えだ。
2021年1月14日
三菱ケミカルは13日、新たな人事制度を4月1日から導入すると発表した。同社は、2017年4月に三菱化学、三菱樹脂、三菱レイヨンの統合により発足して以降、時代や環境の変化に柔軟に対応しながら、従業員の活躍を最大化するための人事施策に取り組んできた。今回、人材の多様化・流動化やグローバル競争の激化などの環境変化が加速していることを踏まえ、より従業員一人ひとりの職責と成果の適正な評価や、主体的なキャリア形成を主眼とした人事制度に刷新する。
新人事制度では、「透明性のある処遇・報酬」「主体的なキャリア形成」「多様性の促進と支援」の3点を軸として、会社と従業員が互いに選び、生かしあう関係を構築し、共に成長していく文化を形成することで企業価値の向上を目指す。
2021年1月8日
2021年1月7日
三菱ケミカル(MCC)は6日、完全子会社である三菱ケミカルフーズ(MFC)を、4月1日付で吸収合併すると発表した。
三菱ケミカルホールディングスグループは中長期経営基本戦略「KAITEKI Vision 30」に基づき、解決に貢献すべき社会課題を特定。その中に「持続可能な食糧・水供給」や「健康でいきいきした暮らしの実現」があり、MCCはこれらの事業領域の成長・強化を目指している。
一方、MFCは「おいしさと健康をもっと身近に」をモットーに、トップシェアのシュガーエステルやビタミンEをはじめとする多彩な食品機能材、食品素材、および医薬原材料の事業を展開し、安全・安心をベースに、食と健康分野で顧客のベストパートナーとして事業を拡大してきた。
こうした中、MCCは4月付で事業単位を見直し、製品や市場分野の軸で集約する組織再編を行う。その一環として、MFCを統合することで、基礎研究から製品開発、製造、販売、テクニカルサービスに至るまで、MCCグループ内の「食糧・水供給」と「健康」事業領域に関わる資源を1つに集約する。今後、さらに外部資源の導入を含め、あらためてビジネスモデルを広く構想し、付加価値の高いソリューションを提供することで持続可能な社会の実現に向けて貢献していく。
2020年12月28日
三菱ケミカルはこのほど、グループ会社である三菱ケミカルアクア・ソリューションズ(MCAS)が取り組む、ミャンマーでの膜ろ過浄水装置を利用した分散型給水システムの実証事業が、国際連合工業開発機関(UNIDO)の支援事業に採択されたと発表した。
UNIDOは、「開発途上国の感染症予防に向けたSTePP(サステナブル技術普及プラットフォーム)技術の実証・移転による海外日本企業支援事業」を実施。開発途上国の新型コロナウイルス感染症をはじめとした様々な感染症対策に役立つ技術を保有する日本企業が、健康・衛生環境の向上を目的とした技術の普及に取り組むことを支援している。
新型コロナウイルスなどの感染症予防と保健・衛生環境の向上には、安全で清潔な水の安定供給が不可欠だが、ミャンマーではそれに必要な水インフラが十分に整っていない。
MCASはこうした課題の解決に向けて、ミャンマーの都市部において、特に感染症予防の観点から重要度の高い病院に膜ろ過浄水装置を導入。現地パートナー(MCCグループ会社MW Aqua Solutionsおよび伊藤忠商事ヤンゴン事務所)とも連携しながら、分散型給水システムの実証を行っていく。
今回ミャンマーに導入する膜ろ過浄水装置は、水源(井戸水、市水、河川水)を問わず浄水処理ができ、適切な技術を組み合わせることで世界保健機関の飲料水質基準を満たす水を供給することが可能。同装置はユニット化されているため施工期間が短く設置が容易で、無人運転が可能なことから現地での運用に適している。
さらに、装置に遠隔監視システムを搭載することで、日本からも装置稼働状況や水質などの各種データ、異常値をリアルタイムに把握することができ、トラブル発生時などのメンテナンス対応を両国で迅速に行えるよう運用体制を整える。
MCASは今後も、UNIDOをはじめとする国際機関などと協力し、安全で清潔な水を安定して供給できるソリューションをグローバルに提供していく考えだ。
2020年12月28日
三菱ケミカルは25日、熱可塑性樹脂を用いた炭素繊維複合材料(CFRTP)のパイロット設備を福井県内に新設すると発表した。2021年中の稼働開始を予定している。航空機や自動車などのモビリティ用途では、環境規制などを背景に機体や車体の軽量化要求が高まっており、軽さと強度を兼ね備えるCFRPの利用が進むと見込まれている。一方で、CFRPの利用促進のためには、これまで主に利用されている「熱硬化性樹脂」を用いたCFRPに対し、部品製造に要する時間を短縮できリサイクルも容易な、CFRTPの普及が求められている。
CFRPで多くの採用実績があり、炭素繊維と樹脂改質に関する技術を豊富にもつ同社は、福井県工業技術センターの支援と同社グループ内の技術シナジーにより、今回、空隙が少なく極めて高品質なCFRTPを高効率に製造できる技術を確立し、パイロット設備の設置に至った。今後、これまで輸入品が中心であった国内のCFRTP市場に対し、熱可塑性樹脂複合材料のブランドである「Kyron」シリーズの新製品として提案を進めていく。
三菱ケミカルは、PAN系やピッチ系炭素繊維、また汎用から高耐熱性の熱可塑性樹脂に関する世界トップクラスの技術をもつ。これらグループの総合力を生かし、ますます多様化・高度化する顧客の要望に応える新製品の開発を進め、技術革新の著しいモビリティ分野に対して最適なソリューションをタイムリーに提供することで、積極的に事業を展開していく考えだ。