[三菱ケミカル・人事](2021年1月1日)▽サーキュラーエコノミー推進部長馬渡謙一郎▽同部部長付金沢大輔(2月1日)▽MMA部門MMA・Asia本部メタクリレート第1事業部長、同部門同本部同第2事業部長三上裕司▽ルーサイトインターナショナルシンガポール社香春光千夫▽解兼情電・ディスプレイ部門半導体本部半導体ソリューション事業部長、同部門同本部長下平靖雄▽同部門同本部同事業部長スコット・ジューラー(2月1日入社予定)。
2020年12月22日
2020年12月21日
三菱ケミカルはこのほど、グループ会社である三菱ケミカルアクア・ソリューションズ(MCAS)が、環境省から「令和2年度気候変動アクション環境大臣表彰」を受賞したと発表した。
環境省では今年度より、気候変動の緩和と気候変動への適応に顕著な功績のあった個人または団体に対し、その功績をたたえる「気候変動アクション環境大臣表彰」を実施。今回、MCASがケニアやミャンマーで行ってきた塩水化・高濁表流水の浄化事業の活動が評価され、同表彰の普及・促進部門(適応分野)で受賞者の1つに選定された。
MCASが事業を展開するケニアやミャンマーでは、気候変動の影響を受け、乾季の河川水位低下に伴う海水遡上(表流水の塩水化)や、雨季の長期化による表流水の高濁度化が深刻化。MCASでは、このような水質が不安定な水源に対し、これまで培ってきた水処理技術を活用して、飲用に適した安全な水を提供するための事業を行っている。また、膜ろ過プラントの運転・維持管理については、現地の水道公社職員に技術移管するだけでなく、遠隔監視システムにより、日本からもモニタリングや技術サポートを行える体制を構築している。
MCASでは今後も、安全・安心な水の供給を通じて、三菱ケミカルホールディングスグループの目指す「KAITEKI」の実現に貢献していく。
2020年12月14日
三菱ケミカルはこのほど、米国、英国およびドイツにおけるグループ会社を、来年4月1日をめどに統合すると発表した。三菱ケミカルホールディングスグループの中期経営計画に掲げるグループ会社削減方針に従い、今回、各国に所在するグループ会社を統合することにより、互いのノウハウやリソースを共有・集約することでより一層の連携強化をはかり、各地域での事業の総合力を強化する。また、各地域に根差したスピーディな顧客対応力の強化や、各地域特有の社会課題に対してもソリューションの提供に努めていく。
米国ではグループ会社9社を統合し、「Mitsubishi Chemical America」を設立。事業内容として、①米州地域のリージョナルヘッドクオーター機能②グループ製品の輸入販売③化学工業製品、石油製品、プラスチック製品の製造・販売④半導体装置部品の精密洗浄事業、を手掛ける。
英国ではグループ会社5社を統合し、「Mitsubishi Chemical UK」を設立。事業内容として、MMAほかメタクリレートモノマー、EVOH、スペシャリティポリマー・レジン、LIB用電解液の製造・販売、を手掛ける。
ドイツではグループ会社5社を統合し「Mitsubishi Chemical Europe」を設立。事業内容として、①欧州地域のリージョナルヘッドクオーター機能②グループ製品の輸入販売③炭素繊維製品、プラスチック製品の製造・販売④半導体装置部品の精密洗浄事業、を手掛ける。
2020年12月10日
三菱ケミカルは9日、米国での独自技術「新エチレン法(アルファ法)」によるMMAモノマーのプラント建設を前提に、同国ルイジアナ州ガイスマーの土地を取得したと発表した。2022年半ばをめどに投資の最終判断を行う予定で、2025年中に35万tのMMAモノマー生産設備の稼働を目指す。
同社は、2010年代前半より米国のシェールガス由来のエチレンを原料とした「新エチレン法(アルファ法)」によるMMAモノマーのプラント建設に向け候補地を検討。今回取得する土地は、エチレンをはじめとした原料調達のアクセスや近接するミシシッピ川を活用した物流面の優位性などにより、競争力の高いMMAモノマー事業の実現が可能となる。
新エチレン法(アルファ法)は、2008年に同社グループのルーサイト社が開発した独自技術。同製法のプラントは、シンガポールとサウジアラビアにあり、今回の米国が3番目の拠点となる。また、米国プラントは生産能力35万tを予定しているが、これまで最大規模であったSABICとの合弁会社が運営するサウジアラビアプラント(同25万t)を超え世界最大となる見込みだ。
同社は、MMAモノマーをグローバルに展開しており、今回のプロジェクトは単独出資で進めている。独自技術や立地優位性をベースとした競争力の高いプラントを新設することで、米国をはじめとした世界全域への最適な供給体制を構築し、リーディングカンパニーとしての地位を確固たるものにしていく。
2020年12月10日
キャリアデザイン面談を実施、社員の成長を支援
三菱ケミカルは、同社流の働き方改革「三菱ケミカルは決めました」と題した30項目の宣言を昨年発表し、その実現に向けた取り組みに注力している。その一環として、〝従業員一人ひとりが社会の変化を的確に捉えて成長することが企業の持続的成長につながる〟という考えの下、グループ全体で「自律的なキャリア形成支援」を展開。
具体的施策の1つとして、今後のキャリアについて、現状の課題と今後の取り組みを中長期的な視点で上司と話し合う「キャリアデザイン面談」を年1回実施している。面談では、〝ありたい姿〟を「キャリアデザイン面談シート」に記入。従業員自身が将来のビジョンと向き合う機会にもなっており、本人の異動希望や勤務地などの条件を上司と共有することで実現を目指す。
同社の人事異動は、会社主導のみならず、職種・役職の公募に従業員が応募するケースも多く、関連会社の社長職が公募されることもある。その件数は年々増加しており、「キャリアデザイン面談」の結果、この公募制度が利用されることもある。こうした面談をはじめ、様々な社員の自律的なキャリア形成施策が評価され、厚生労働省が主催する「グッドキャリアアワード 2019」では、「イノベーション賞」を受賞した。また、面談では、自分が描いたキャリアに近づくために、新たな業務に挑戦することができる一方で、同じ社内で全く異なる職種を選ぶことも可能だ。
この〝社内転職〟ともいえるキャリアチェンジは、総合化学メーカーである同社の事業業域が極めて広いこと、また、これを支えるための各研究所、購買、物流、知財管理など、数多くの部署をもっていることで実現していると言える。「キャリアデザイン面談」は、同社が発足した2017年に新設したが、それまで、従業員が主体的にキャリアについて考える機会がなかったため、人事部内にキャリア支援を専門業務とする「キャリアサポート室(現・キャリアデザイン・組織開発室)」を立ち上げた。
キャリア相談窓口の設置、面談制度の新設、各拠点での説明会やワークショップの開催といった施策を実施した結果、キャリア相談件数は2017年度の39件から、2018年度には248件と大幅に増加しており、徐々に自身のキャリアについて自主的に考える意識が定着しつつある。
同社は、大きく変化する市場環境や激化するグローバル競争に適応するとともに、多様な人材をひきつけ、活躍できる環境を実現するため、人事制度改革を推進。その一環として、人材配置については、10月から社内公募による異動を原則とした。募集回数も従来の年1回から4回に変更し、従業員の自律的で多様なキャリアを、一層支援・促進していく考えだ。
2020年12月7日
2020年12月2日
三菱ケミカルは1日、シリコーンゴムフィルム「珪樹」について、従来グレードよりも耐熱性を高めた新グレードを開発したと発表した。幕張メッセで開催される「高機能フィルム展」(2~4日)で正式に紹介する予定。
「珪樹」は、独自の加工技術により生まれたフィルム状のシリコーンゴムで、薄膜かつ膜厚精度が高いという特徴をもつ。加えて、ポリエステルフィルムをはじめ異種材料との積層や表面加工が可能であり、産業機器向け部材や工程部材として長年にわたり顧客から評価を得ている。
今回開発した高耐熱グレードは、近年の各種電子機器の小型集積化や熱マネジメントの要求に伴い、高温プロセスを検討している顧客のニーズに対応した新グレード。耐熱性を高めたシリコーンゴムと耐熱基材の2層構造であり、総厚50~500㎛の極薄ながら300℃環境下で繰り返し使用することができる。シリコーンゴムの特徴である緩衝性、離型性は生かしつつ、耐熱基材をもつことでハンドリング性の向上や応力下の横ずれ防止効果が期待でき、従来グレードと同様に顧客の要望に応じて厚さやゴム硬度の調整も対応可能だ。
同社は今後も、ますます多様化・高度化する顧客ニーズに応じるために、シリコーンゴムフィルムの研究開発を一層推進し、ラインアップの拡充に努めていく考えだ。
2020年12月1日
三菱ケミカルは30日、グループ会社であるジェイフィルムが、従来の防曇機能に加え反射防止機能を兼ね備えたフェイスシールドを開発したと発表した。医療機関や介護施設向けに、来年1月より販売する予定。
ジェイフィルムは、食品包装トレーに採用しているポリエステルシート製造技術や化粧品向けクリアケースの折り曲げ罫線付与技術を応用して独自形状(特許申請中)のフェイスシールドを開発し、5月より厚生労働省や医療機関などに提供している。組み立て式のため保管スペースが少ないことや防曇機能などが評価され、多くのユーザーが利用している。
今回、ジェイフィルムは、三菱ケミカルがもつ多様な素材や技術と組み合わせることで、低コストで反射防止機能に優れた新製品を開発。脱着しやすいメガネタイプとカチューシャタイプの2種類を発売する。植物由来原料のバイオポリエステルシートを使用することで、環境負荷軽減にも配慮した。
三菱ケミカルグループは今後も、グループの総合力を生かした製品開発を続け、「新しい生活様式」に対応した製品の提供を通じて、社会に貢献していく。
2020年11月27日
三菱ケミカルは26日、アクリルアマイド50%水溶液について、12月1日出荷分から値上げすると発表した。改定幅は、国内が「15円/kg以上」(フォーミュラ改訂、純分換算)、輸出が「150ドル/t以上」となっている。
アクリルアマイドは、国内では紙力増強剤や高分子凝集剤向けの需要が堅調に推移し、海外では石油採掘用ポリマーや水処理用途を中心に需要が伸長している。こうした中、原料となるアクリロニトリル(AN)は、プロピレンやアンモニアの価格上昇による価格改定が9月に完了しており、アクリルアマイドへの転嫁が避けられない状況。それに加えて、梱包材料、物流費などの諸経費の上昇や、近年の働き方改革や設備安全への要求の高まりから製造コストが上昇するなど採算が悪化している。
同社は、生産の効率化などによるコスト低減努力を続けているが、現在の原料価格の上昇は自助努力で吸収できる範囲を超えており、このコスト上昇分を価格に転嫁せざるを得ないと判断し、今回の値上げを決定した。
2020年11月18日
三菱ケミカルは17日、MMA(メチルメタクリレート)モノマー、MAA(メタクリル酸)およびメタクリル酸エステル類(BMA・HEMAなど)の国内価格を、12月1日出荷分から値上げすると発表した。改定幅は、MMA・MAAが「25円/kg」、メタクリル酸エステル類が「25円/kg以上」。すでに各需要家と交渉に入っており、早期の値上げ浸透を図る。
同社は広島事業所でC4法およびACH法によりMMAとMAAを製造し、それらを原料としてBMA(ブチルメタクリレート)、HEMA(ヒドロキシエチルメタクリレート)などのメタクリル酸エステル類を製造。主に国内顧客向けに安定供給を続けている。しかし、近年の働き方改革で各設備の定修期間延長による費用増加、安全対策として老朽化設備の維持・更新費用の追加、人手不足による物流費の高騰、などにより製造コストが上昇しており、この傾向は今後も続くと見られる。
こうした中、同社はこれまで自助努力によりコスト削減を実施してきたが、国内顧客へ良品質の製品を安定的に供給するためには価格改定が必要と判断し、今回の価格改定を決定した。
一方、コロナ禍の影響により落ち込んでいたMMAの国内需要は、6月を底に反転しつつある。コロナ対策で使用されるアクリル板(PMMA)向けが堅調に推移していることに加え、自動車生産の回復を受け塗料用途なども戻ってきている。秋に国内各社の定修が重なったこともあり、足元では需給がタイトとなっているようだ。