三菱ケミカル 軽金属事業を中国の企業グループに譲渡

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2020年11月18日

 三菱ケミカルは17日、軽金属事業の譲渡について、寧波江豊電子材料(中国・浙江省:KFMI社)と同社グループである同創普潤(上海)机電高科(中国・上海市:TCPR社)との間で合意したと発表した。来年4月をめどに譲渡する予定。また、軽金属事業のうち譲渡の対象外である金型材「KNシリーズ」の製造販売については譲渡に合わせ撤退を検討している。

 半導体や液晶用のスパッタリングターゲット材メーカーのKFMI社とTCPR社は、特にアルミ製ターゲット材で世界トップクラスの地位を占める。また、世界の高純度アルミ業界にも精通しており、三菱ケミカルの軽金属製品の長年の取引相手でもある。

 三菱ケミカルは、三菱ケミカルホールディングスグループの中期経営計画の下、ポートフォリオマネジメント強化に取り組んでいる。今回、上流に位置する事業の買収や日本での拠点獲得による事業強化を企図するKFMI社およびTCPR社との間で、軽金属事業の譲渡につき合意に至った。

三菱ケミカル 人事(2021年1月1日/他)

2020年11月17日

[三菱ケミカル・人事](2021年1月1日)▽常務執行役員情報システム部所管基幹システム統合プロジェクト担当加藤淳▽解兼情報システム部所管、常務執行役員経営企画部マーケティング部各支社営業改革推進室各リージョナルヘッドクオーター所管白上博能▽解兼基幹システム統合プロジェクト担当、経営管理部経理部所管小久保弘之(4月1日)【事業部門】▽ベーシックマテリアルズドメイン長半田繁▽ポリマーズ&コンパウンズドメイン長江口幸治▽フィルムズ&モールディングマテリアルズドメイン長関基弘▽アドバンスドソリューションズドメイン長瀧本丈平▽MMAドメイン長佐々木等【共通部門】▽経営戦略所管白上博能▽イノベーション所管垣本昌久▽リソース所管中田るみ子▽システム所管加藤淳▽サプライチェーン所管福田信夫。※新職の役位は未定。旧職及び継続職は本発表日現在のものであり、今後変更となる可能性がある。

三菱ケミカル 組織改正(4月1日)

2020年11月17日

[三菱ケミカル/組織改正](4月1日)▽事業部門①現状の10部門体制を5ドメイン体制(ベーシックマテリアルズドメイン、ポリマーズ&コンパウンズドメイン、フィルムズ&モールディングマテリアルズドメイン、アドバンスドソリューションズドメイン、MMAドメイン)に再編、集約を行う▽共通部門②現状の7所管体制を5所管体制(経営戦略所管、イノベーション所管、リソース所管、システム所管、サプライチェーン所管)に再編、集約を行う。

三菱ケミカル 炭素繊維複合材がトヨタ車のルーフに採用

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2020年11月17日

 三菱ケミカルは16日、炭素繊維複合材料である「SMC(シート・モールディング・コンパウンド)」が、トヨタ自動車から今年9月に発売された「GR ヤリス」のルーフに採用されたと発表した。

SMCが採用されたヤリスのルーフ
SMCが採用されたヤリスのルーフ

三菱ケミカルが開発したSMCは、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の中間基材の一種で、長さ数cmにカットした炭素繊維を樹脂中に分散させたシート状の材料。プレス成形により2~5分程度の短時間で部材に加工でき、連続した炭素繊維に樹脂を含浸させた中間期材である「プリプレグ」に比べ、複雑な形状の部材を成形することができるといった特長がある。また、機械特性が均質に近いため、従来の部材設計ノウハウを生かしながら比較的容易に炭素繊維を利用して、軽量化と高強度化を実現することが可能。

ヤリス
ヤリス

 今回「GR ヤリス」での採用は、SMCを使用することにより大幅な軽量化と高い部材性能を実現できる点、また、SMCが複雑形状の部材を生産可能とする成形性に優れる点が評価された。トヨタにSMCが採用されるのは、2017年の「プリウス PHV」のバックドアの骨格、「レクサス」LC500、LC500hのドアインナーおよびラゲッジインナーに続き、3件目となる。

 昨今の自動車市場では、電動化やCO2排出規制の強化などを背景に車体の軽量化に対する要求が高まっている。三菱ケミカルは、今後も炭素繊維・CFRPをはじめとする最先端素材の研究・開発を加速させ、技術革新の著しいモビリティ分野に対して最適なソリューションを提供するため、積極的に事業を展開していく考えだ。

三菱ケミカル 管理職を対象としたキャリア支援施策を実施

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2020年11月5日

 三菱ケミカルは4日、管理職社員および管理職再雇用社員を対象としたキャリア支援施策であるキャリアチェンジ・サポート・プログラムを行うことを決定したと発表した。

 同社は、科学技術の発展や深刻化する様々な社会課題により産業構造が劇的に変化していく環境にあって、中長期の持続可能な成長の実現に向け、ポートフォリオトランスフォーメーションを進めている。現在、新たな事業ポートフォリオに相応しい体制とするため、組織および機能の再編を検討しており、また、人材の多様化・流動化やグローバル競争の激化などの環境変化を踏まえ、従業員一人ひとりの職責と成果の適正な評価や主体的なキャリア形成を主眼とした新たな人事制度についても、今後全社に導入していくことを予定。

 このように従来の組織体制や人事制度が大きく変わろうとする中、管理職および管理職再雇用社員であって、この機会に自身の専門性や強みを当社グループ外で発揮することを希望する社員について、自律的キャリアを支援するために、同プログラムを実施する。

 対象は、2021年3月末時点で満50歳以上かつ勤続10年以上の管理職社員および管理職再雇用社員で、募集人数は特に定めていない。支援内容は、退職一時金に特別加算を行うとともに特別賞与を支給。また希望者に対しては、キャリア支援会社によるサポートを実施する。

 

三菱ケミカル 新型〝水光〟栽培システムを販売開始

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2020年10月29日

 三菱ケミカルは28日、グループ会社である三菱ケミカルアグリドリーム(MCAD)が、新型〝水光〟栽培システム「AN」(アグリカルチャー・ネクスト)の販売を来月より開始すると発表した。

AN で収穫されたリーフレタス(450g超)
AN で収穫されたリーフレタス(450g超)

  「AN」は、クレオテクノロジー(埼玉県滑川町)と共同研究を行い、千葉大学大学院の丸尾達教授監修の下で開発した、農業用ハウスを利用した完全人工光型植物工場。定植した苗が栽培室内を自動で循環しながら成長し、作業者が栽培室内に入らずに収穫まで行うことができるシステムとすることで、作業者の負担や異物の混入リスクを低減した。

 また、栽培室内の光や気流を制御することで、業務・加工用にも対応可能な高品質で丈夫なリーフレタスを生産することができ、従来の同社完全人工光型植物工場と比較して約3倍にあたる1株300g以上のリーフレタスを播種後45日程度で収穫することが可能だ。

苗専用人工光装置「苗テラス」
苗専用人工光装置「苗テラス」

 近年、集中豪雨や大型台風の頻発により日本農業は大きな被害を受けており、自然環境の影響を受けない植物工場は農産物の安定供給の手段として注目を集める。また、単身世帯や共働き世帯の増加など社会構造の変化により外食・中食の需要が伸びており、その加工業者から安定した品質で、細菌や異物が少なく洗浄などの手間がからない野菜へのニーズが増加していることも、植物工場の期待を高めている。

葉物専用水耕栽培「ナッパーランド 」
葉物専用水耕栽培「ナッパーランド 」

  一方で、従来の植物工場の野菜は業務・加工用としては価格や品質面でのハードルも高く、栽培者は持続可能な経営の実現という大きな課題を抱えている。「AN」は、需要に沿った高品質な野菜を収穫できることをコンセプトとして、徹底した生産原価圧縮や栽培効率の向上を実現させた新製品。今後、MCADでは国内外での「AN」の販売促進を通じ、「儲かる農業経営」の普及を推進していく。

 

リファインバース ナイロン製ロープのMR事業を開始

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2020年10月27日

 三菱ケミカルが出資しリサイクル事業を手掛けるリファインバースは26日、リサイクルナイロン樹脂「リアミド」事業のさらなる拡大のため、新たに船舶係留用ロープのマテリアルリサイクル(MR)を開始すると発表した。

 昨年の販売開始以降、リサイクルナイロン樹脂「リアミド」には、海洋プラスチック問題やサーキュラーエコノミーへの社会的関心の高まりを背景に、数多くの引き合いがあり、原料ソースの拡大が必要となっている。

 同社はこれまで、廃棄漁網とエアバッグ工程端材を主要な原料として「リアミド」を製造販売してきたが、今回、ナイロン製船舶係留用ロープについても同社が開発したプロセスによりリサイクル可能であることを確認した。今後、ナイロン製船舶係留用ロープを新たな原料として「リアミド」事業をさらに拡大していく。

 同社は、リサイクルナイロン樹脂「リアミド」の原料ソース拡大、および材料開発・用途開発による再生素材の付加価値向上を進め、サステナブルな社会の構築に具体的に貢献しながら、事業拡大を推進していく考えだ。

リファインバース ロープ 

三菱ケミカル コークス事業を構造改革 コークス炉を縮小

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2020年10月27日

 三菱ケミカルは26日、鉄鋼業界の構造変化に伴い、香川事業所(香川県坂出市)の高炉向けコークス事業について、最適な生産および販売体制に向けて構造改革を実施すると発表した。競争力優位な生産体制への集約を図るため、コークス炉323門を250門に縮小し、最適な運転体制に移行する。

 一方、輸出販売を強化するため、現行1ラインの輸出出荷設備を2ラインへと増強、2022年3月末に稼働させる予定だ。同社のコークスは、その品質の均一性・安定性の高さから、「SAKAIDE COKE」として海外の顧客からも評価が高い。

 同社は今後とも、高品質なコークスの安定供給に努めるとともに、今回の構造改革により、事業のグローバル展開を推進することで競争力を強化していく考えだ。

三菱ケミカル アクリル酸エチルを値上げ 物流費などが上昇

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2020年10月27日

 三菱ケミカルは26日、アクリル酸エチルについて価格改定を実施することとし取引先との交渉を開始したと発表した。改定幅は「10円/kg以上」で、改定時期は11月2日出荷分からとなっている。

 同製品の供給に関連する物流費などの販売関連費用が上昇している。こうした中、同社は継続的なコスト削減に努めてきたが、これらのコスト上昇分を自助努力で吸収することは極めて困難と判断し、今回の価格改定を決定した。

 

三菱ケミカル 軟質塩ビフィルム、カーテン需要が拡大

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2020年10月23日

コロナ禍の生活様式に対応、低コストで導入可能

 飛沫感染防止用のビニールカーテン素材として、三菱ケミカルグループのダイヤプラスフィルム社の軟質塩ビフィルム「アルトロン」が注目されている。

軟質塩ビフィルム「アルトロン」 吊り下げ式カーテン
軟質塩ビフィルム「アルトロン」 吊り下げ式カーテン

 これまで主に工場や精密機器を製造するクリーンルームなどで使用され〝製造現場の名脇役〟として活躍していた「アルトロン」だが、その優れた性能が評価され、飛沫感染防止用の吊り下げ式カーテンとしての需要が拡大。加工製品販売では、4月以降、前年同月比で数倍から数十倍で推移し、6月以降は特に防炎タイプの受注が増加している状況だ。

 ウィズコロナを前提とした「新しい生活様式」での日常化が進む中、飲食店をはじめ対面接客が必要な施設では、飛沫感染防止策として樹脂製のパーティションが一般化。4月には、コンビニチェーン各社が感染拡大防止策の一環として、レジカウンターへの透明シート設置を発表し、5月には政府の専門家会議が提言の中で、「人と人が対面する場所は、アクリル板・透明ビニールカーテンなどで遮蔽する」と、感染予防の具体例として紹介された。

 緊急事態宣言解除に伴い経済活動が再開されてからは、スーパーマーケットやドラッグストアなどのレジカウンターをはじめ、公共サービス機関の窓口、公共交通機関、オフィスの間仕切りなどにも吊り下げ式の透明ビニールカーテンが使用され、今や、「新しい生活様式」の1つとして目にする機会が増えている。

 吊り下げ式のビニールカーテンは特徴として、アクリル製のパーティションと比べ「設置台が不要」「高さや横幅など必要なサイズを各自で調節できる」「比較的低コストで導入可能」などのメリットがある。特に店舗レジなどでは、顧客と品物のやり取りが発生するため、カウンターに一定の空間が必要となることから、高さ調整に融通のきくビニールカーテンが好まれる傾向だ。

 また、「アルトロン」には、工場の間仕切りやビニールブースなどに使用する汎用タイプのほか、消防法施行令に適合した「防炎」タイプをはじめ、「耐電防炎」「静電防止」「静電防炎」といったニーズに応じて各種ラインアップを揃える。

 一方、こうした中、大阪のショッピングセンターで、客がライターを試しに点火したところ、レジカウンターに設置したビニールシートに引火して火災が発生。消防や自治体では使用に関する注意を呼び掛けており、消防庁からは延焼を防ぐ防炎品の使用が推奨されるようになった。

 ダイヤプラスフィルム社では、引き続き、防炎タイプをはじめとした軟質塩ビフィルム「アルトロン」を必要とするユーザーすべてに供給可能な体制を構築し、新型コロナウイルス感染拡大防止の一助となるよう取り組んでいく考えだ。