三井化学 バイオPET参入、三菱ケミとライセンス契約

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2021年10月29日

 三井化学は28日、三菱ケミカルがもつバイオマス原料由来ポリエステルに関わる基本特許(日本国特許第4380654号)を含む関連特許について、両社間でライセンス契約を締結したと発表した。

 三井化学は、再生可能なバイオマス原料を使ったポリエチレンテレフタレート(PET)の特許ライセンスを取得することで、顧客からの要望も高い国内でのバイオPET製品分野に参入し、同製品を含むバイオマス戦略の推進を図っていく考えだ。生産については、開始時期は未定だが、岩国大竹工場(山口県和木町)での生産を予定している。

 バイオPETは、ペットボトルをはじめ様々な用途が見込まれており、従来の石油由来の製品と比べ、温室効果ガスの排出量削減への貢献が期待される。三井化学は、気候変動とプラスチック問題を一体として取り組むべき重要な社会課題と捉え、プラスチックを巡る課題に対し、バリューチェーン全体を視野に入れた、リサイクル戦略とバイオマス戦略に注力している。

三菱ケミカル PVA製品群を再値上げ、コスト上昇に対応

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2021年10月27日

 三菱ケミカルは26日、ポリビニルアルコール(PVA)製品群について、国内と輸出の取引価格を11月1日出荷分から値上げすると発表した。

 対象製品はPVA「ゴーセノール」、PVA特殊銘柄「ゴーセネックス」、アモルファスビニルアルコール系樹脂「ニチゴーGポリマー」、ゴーセネックスZ用架橋剤「セーフリンク」で、改定幅はいずれも国内価格が「40円/kg」、輸出価格が「400USドル/t」または「350ユーロ/t」となっている。なお、PVA製品群の価格改定の実施は、今回が今年5回目となる。

 現在、PVA系樹脂の需給バランスがタイトな状況にあり、対象製品も供給が一層ひっ迫している。さらに、各種コストの上昇も継続しており、同社の事業収益は悪化が進んでいる。こうした中、同社は、安定供給を維持するためには採算是正が必要であると判断し、今回の値上げを決定した。

三菱ケミ 生分解樹脂と循環型社会の取り組みが優秀賞に

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2021年10月26日

 三菱ケミカルホールディングスと三菱ケミカルは25日、「第9回プラチナ大賞」(主催:プラチナ構想ネットワーク、プラチナ大賞運営委員会)において、「生分解性樹脂「BioPBS」と地域資源を用いた循環型社会の構築」が、優秀賞(グリーン技術革新賞)を受賞したと発表した。

「BioPBS」を起点とした循環型社会構築の取り組み

 三菱ケミカルは、プラ廃棄物の増加、海洋プラごみ問題や地球温暖化という環境問題の解決に通ずるひとつの手段として、「BioPBS」の開発を推進。「BioPBS」は土壌中の微生物によって、水とCO2に完全に分解されることからプラ廃棄物削減に貢献でき、また原料が植物由来であるため、CO2の排出量削減に寄与できる。

 同社は、昨年から八ヶ岳エリアで「BioPBS」を起点とする循環型社会形成のプロジェクトを実施している。「BioPBS」を使用した紙コップ、ストロー、カトラリーなどを使用後に回収。八ヶ岳中央農業実践大学校でコンポスト処理(堆肥化)し、その堆肥を協力農家で野菜栽培に活用するという資源循環の実証事業を行っている。さらに、この循環システムで育てた野菜を「サステイナブル野菜」にブランド化。三菱ケミカル関係会社のカフェで提供されるメニューに取り入れ、消費者がプラごみ問題について考えるきっかけを与える活動も進めている。

 良質で美味しい野菜を食べてもらうことで、八ヶ岳野菜の価値向上と地域活性に繋がることも期待される。また、生産野菜をこども食堂(子どもたちに食事を提供するコミュニティ)へ寄贈する活動も積極的に行っており、コロナ禍での地域密着型社会貢献にも取り組んでいる。

 今回、こうしたプロジェクトが地域活性化にも貢献する資源循環の取り組みとして評価され、プラチナ大賞の優秀賞を受賞した。三菱ケミカルホールディングスグループでは、今後も地域と連携しながら、資源循環システムの構築を目指していく。

三菱ケミカル 配線基板用樹脂フィルム、高周波特性を向上

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2021年10月25日

 三菱ケミカルは22日、プリント配線基板用熱可塑性樹脂フィルム「IBUKI」について、電気特性を向上させ、高周波領域における伝送損失を低減した新グレード「New-IBUKI(仮称)」を開発したと発表した。東京ビッグサイトで開催される「JPCA Show 2021」(10月27~29日)に出展し、初めて紹介する予定。

 「IBUKI」は、接着剤を用いずに一括多層プレス加工を容易にした、プリント配線基板用熱可塑性樹脂フィルム。優れた寸法安定性、高周波特性、低温加工性、耐熱性、加水分解特性といった特長をもっており、配線基板用絶縁基材などに使用されている。

 今後普及が見込まれる5Gなどの次世代通信では波長が短い高周波が使われるため、従来の素材では電波を損失させ、通信に支障を来すおそれがあり、新素材の開発が求められている。

 今回開発した「New-IBUKI」は、「IBUKI」の特長はそのままに、高周波領域における伝送損失を軽減させた製品で、次世代通信用の配線基板材料として活用できる。電子機器の薄型化、小型化、高機能化に伴い、プリント基板は今後ますます高多層化、部品内蔵化が進むと見られている。

 同社は、顧客ニーズの多様化・高度化に対応する開発を進めることで、「IBUKI」シリーズのさらなる普及と、事業の発展を目指していく。

三菱ケミカル Twitter公式アカウントを開設

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2021年10月19日

 三菱ケミカルはこのほど、Twitterの公式アカウント(https://twitter.com/MitsubishiChemi)を開設した。運用コンセプトは「三菱ケミカル×化学×〝あなた〟」。

 化学メーカーである同社の素材や技術は、最終製品として人々の目に触れることは少ないが、日常のあらゆるところで〝あなた〟の生活を支えている。同アカウントでは、そんな同社の製品や技術をはじめとする事業活動やイベントなどの情報を、〝あなた(ユーザー)〟の視点に立って、タイムリーに伝えていく。

 また、化学の豆知識や地球を取り巻く社会課題など様々な情報を、わかりやすく発信していく。

三菱ケミカル 共押出多層フィルムを値上げ、コスト高に対応

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2021年10月19日

 三菱ケミカルは18日、共押出多層フィルムの各製品について、11月1日出荷分から値上げすると発表した。対象製品は、無延伸ナイロンフィルム「ダイアミロンC」、無延伸共押出多層フィルム「ダイアミロンM」「ダイアミロンMF」で、改定幅は「現行価格の10%」となっている。

 原油・ナフサなどの市況高騰により、原料価格が上昇していることに加え、設備維持費用・物流費なども上昇しており、製造コストを押し上げ、事業の採算を圧迫している。こうした中、同社は、これまでも継続的なコスト削減に鋭意努力してきたが、現在の価格体系では安定的な製品供給が困難であると判断し、値上げの実施を決定した。

MCCスポーツ 全日本大学サッカー連盟のスポンサーに

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2021年10月8日

 

スポンサー契約調印式 左:JUFAの吉見章理事長 右:佐藤文彦社長
スポンサー契約調印式 左:JUFAの吉見章理事長 右:佐藤文彦社長

 三菱ケミカルの子会社であるMCCスポーツは7日、全日本大学サッカー連盟(JUFA)との間で「全日本大学サッカー選手権大会」の特別協賛契約を締結したと発表した。

 同社は、人工芝製品などをはじめとする数々のスポーツ製品を展開。長年、製品の提供などを通じて大学サッカーの支援を続けてきた。今回、同連盟と特別協賛契約を締結することで関係を強化し、JUFAの活動や大学サッカーの発展にこれまで以上に貢献していく考え。

 同社は今後も、製品提供や関係団体との連携を通じて、「快適健康創造企業」として広く社会に貢献していく。佐藤文彦社長は「当社が全日本大学サッカー選手権の冠スポンサーとして協賛することで、大学サッカーのさらなるレベルアップを期待する。世間からより注目されるようサポートさせていただき、日本サッカー界の発展と世界トップレベルへの躍進に貢献していきたい」とコメントしている。

三菱ケミカル フィルム4製品を値上げ、安定供給維持で

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2021年10月5日

 三菱ケミカルは4日、フィルム4製品を今月11日受注分から値上げすると発表した。

 対象製品と改定幅は、二軸延伸ガスバリアナイロンフィルム「スーパーニール」、二軸延伸ナイロンフィルム「サントニール」、透明蒸着フィルム「テックバリア」(ONY系)が、いずれも「連400円」(15㎛換算)。

 透明蒸着フィルム「テックバリア」(PET系)が「連200円」(12㎛換算)。

 4製品の原料価格、設備維持費用や物流費などの上昇が製造コストを押し上げていることから、同事業の採算を圧迫している。

 同社はこれまでも継続的なコスト削減に取り組んできたが、現在の価格体系では安定的な製品供給が困難だと判断し、今回の価格改定実施を決めた。

三菱ケミカル ドイツでポリエステルフィルム生産設備を増強

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2021年10月4日

ドイツの三菱ポリエステルフィルム(MFE)外観

 三菱ケミカルは1日、グループ会社の三菱ポリエステルフィルム(MFE:ドイツ・ヴィスバーデン)で、ポリエステルフィルムの生産能力を増強することを決定したと発表した。投資額は約1億1000万ユーロで、2024年末の完成を予定している。

 同社グループにとっては、2018年稼働の米国・サウスカロライナ州、建設中で2022年稼働予定のインドネシア・ジャカルタに続く増産投資となる。

 MFEは、工業用途やラベル用途などの高機能ポリエステルフィルムを顧客の要求に合わせてカスタマイズする技術開発力に強みをもち、欧州市場で高いシェアを誇っている。

 近年、世界全体のポリエステルフィルムの市場成長率は5%程度で推移しており、MFEでは、顧客の旺盛な需要を満たすためにグループ他拠点からの調達や既存設備の効率的な運用などで対応してきた。

 こうした中、三菱ケミカルは、今後も堅調な需要拡大が見込まれると判断し、高機能ポリエステルフィルムとしては世界最大規模となる年産2万7000tの製造ラインをMFEに新設することを決定した。

 新設する設備は、最新の省エネ設備を導入することなどにより生産能力を拡大する一方、工場全体としてのCO2排出量削減を目指す。また、顧客や消費者から回収した使用済みのポリエステルフィルムを原料として再利用することが可能な装置も導入することで、循環型経済(サーキュラーエコノミー)実現に向けた取り組みを加速する。

 三菱ケミカルは、世界5拠点(日本、中国、インドネシア、米国、ドイツ)でポリエステルフィルムを製造し、ディスプレイ向けを中心とした光学用途、電子部品・自動車・医療などの工業用途、食品などの包装材料用途向けなどに供給している。

 今後も、各用途の需要に応じて生産体制を拡充し、高機能ポリエステルフィルムのリーディングカンパニーとして積極的な事業展開を図るとともに、SDGsの達成や循環型経済の実現に貢献していく。

 

三菱ケミカル 上海市に食品パークを設置、市場ニーズを開拓

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2021年10月1日

 

上海市に設置するMTC 食品パーク(イメージ)①

 三菱ケミカルは30日、中国・上海市に食品関連の製品を対象とした市場・技術開発の拠点「マーケティングテクニカルセンター食品パーク(MTC食品パーク)」を設置することを決定したと発表した。三菱化学(中国)管理(MCN)の分公司としての位置づけで、竣工時期は2022年7月を予定している。

 中国の食品市場は近年目覚ましい速度で拡大している。今後も継続的な発展が見込まれる中、賞味期限延長や加工食品のさらなるおいしさの追求といった様々なニーズが生まれている。

 今回、顧客との試作立ち会いなども可能とする「MTC食品パーク」を中国国内に設置することにより、日々変化し多様化する市場ニーズに対して、同社がもつ幅広い技術や製品群の組み合わせによる多彩なソリューションを提供できる体制を構築する。

上海市に設置するMTC 食品パーク(イメージ)②

 同パークで対象とするのは、食品関連製品では①食品機能材「リョートー シュガーエステル」など(飲料や小麦粉製品など幅広い食品に使用)、②エチレン・ビニルアルコール共重合樹脂「ソアノール」(高いガスバリア性をもち食品包装などに使用)、③ゼオライト膜「ZEBREX」(香料・油脂化合物原料などの脱水・精製に使用)。

 一方、主要設備では①食品機能材を使った食品(ベーカリーなど)の処方開発用試作設備、②食品物性評価設備、③食品包装およびその樹脂材料の分析設備、④ゼオライト膜での脱水試験設備。

 同社は、顧客とのオープンイノベーションを通じて、より技術的なハードルの高い顧客ごとの課題に迅速に対応していき、中国の食品市場でのさらなる成長を目指していく。