三井化学 不織布と関連製品を来月値上げ、原料高などで

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2022年3月22日

 三井化学は18日、不織布と不織布関連製品を4月1日出荷分から値上げすると発表した。対象となるのは、不織布「シンテックス」「タフネル」「エアリファ」、通気性フィルム「エスポアール」、形状保持材料「テクノロート」の5製品で、改定幅はいずれも現行価格の「30%以上」。

 ロシアのウクライナ侵攻によるエネルギー需給のひっ迫感から原油・国産ナフサ価格が急騰する中、不織布製品の主原料であるポリプロピレンやポリエチレン価格をはじめ、用役費、物流費なども高騰が継続している。同社はコスト削減に取り組んでいるが、今後も高水準の推移が継続すると予想される厳しい環境下、自助努力のみの吸収は不可能と判断し価格改定を決めた。

三井化学 不織布と関連製品を値上げ、主原料など高騰で

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2021年6月30日

 三井化学は29日、不織布と不織布関連製品について、7月1日出荷分から「40円/kg以上」値上げすると発表した。前回の同製品の値上げは2014年4月に実施しており、約7年ぶりの価格改定となる。

 国産標準ナフサの価格高騰により、同社の不織布製品の主原料であるポリプロピレン、ポリエチレンの樹脂価格の上昇に加え、用役・物流費なども上昇傾向にある。また国産標準ナフサ価格は、引き続き高水準で推移しており、今後も継続すると見込まれている。こうした厳しい経済環境下、同社はコスト削減などに注力しているものの、このようなコスト高騰は自助努力のみで吸収することは極めて困難だとし、価格改定せざるを得ないと判断した。

三井化学 コロナ禍の医療物資緊急増産で経産省から感謝状

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2021年1月25日

 三井化学はこのほど、コロナ禍で実施した医療用ガウン・マスクなどの原材料となる不織布関連製品の緊急増産対し、医療物資の増産に協力したとして経済産業省から感謝状を受領したと発表した。

コロナ禍での不織布関連製品の緊急増産で、経産省から感謝状が贈られた
コロナ禍での不織布関連製品の緊急増産で、経産省から感謝状が贈られた

 昨年春、新型コロナウイルス感染者数が増加する中、ほぼ海外からの輸入に頼っていた医療用ガウンは、世界的な感染拡大により需給がひっ迫し、国内では入手困難な状況だった。同社は、経産省と厚生労働省の要請を受け、名古屋工場および100%子会社であるサンレックス工業(三重県四日市市)で、おむつなどの衛生材用不織布の製造ラインを活用し緊急生産体制を確立、4月から医療用ガウン(アイソレーションガウン)向けに不織布の供給を開始した。

医療用のアイソレーションガウン
医療用のアイソレーションガウン

 一方、旺盛なマスク需要拡大に対応するため、マスク用メルトブローン不織布「シンテックスMB」についても8月に増能工事を行い、需要拡大に対応している。また、マスク用ノーズクランプに使用される形状保持プラスチック線材「テクノロート」の生産設備増設工事を行い、10月に完工、11月から商業運転を開始した。これにより、同製品の生産能力は、年産マスク30億枚相当に拡大している。

 三井化学は今回の感謝状を励みに、今後も医療用ガウンやマスクなどの原材料の供給を通じて、コロナ禍で医療現場・日常生活を支えるために広く社会に貢献していく考えだ。