中越パルプ工業 CNF複合樹脂MBの複数グレードを販売

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2020年9月3日

 中越パルプ工業はこのほど、セルロースナノファイバー(CNF)を活用する複合樹脂ペレット・マスターバッチ品「nanoforest‐MB」の販売を開始した。衝撃強度を強化したグレードをはじめ、複数の製品ラインアップを揃えている。

「nanoforest-MB」
「nanoforest-MB」

 CNFはプラスチック分野での低比重・高剛性化による軽量化が期待できる補強剤として、自動車産業をはじめ様々な産業分野で応用が試みられている。これまで同社は、CNF「nanoforest」を利用し、ポリプロピレン(PP)との複合を可能とした粉末グレード「nanoforest‐PDP」を提供。しかし、検討先でPPとの混練時にPDP分散性の課題があったことから、今回、PDPを事前にPPへ良分散させたMB品の提供を開始した。

 一方、CNF複合樹脂の実用化では、剛性が向上する一方で、固く脆い性質に起因する衝撃強度の低下が課題。特に自動車産業分野では衝撃強度の強化が望まれており、同社では標準グレードMB品に加えて、衝撃強度を強化した3種類のグレード「衝撃タイプ」「高剛性タイプ」「高衝撃タイプ」もラインアップした。

 同社では、さらなるMB開発として、剛性、軽量化以外の機能性付与の開発も進めている。今後、様々な分野での応用・実用化を目指し、丸紅と共に開発や営業展開の強化を図っていく考えだ。

丸紅 米社製「虹彩認証デバイス」の国内販売契約を締結

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2020年7月22日

 丸紅はこのほど、丸紅米国会社と丸紅メタルを通じて、米国・EyeLock(アイロック)社と、同社が生産する虹彩認証デバイスを日本市場で初めて販売することに合意し、販売代理店契約を締結したと発表した。

 虹彩は眼球の角膜と水晶体の間にある輪状の薄い膜であり、2つとして同じものが存在せず、ヒトの一生涯を通じ安定している。DNAを除く最も精度の高いヒトの識別子であり、それを識別する虹彩認証は、数ある生体認証の中でも、非常に正確な識別法。また、虹彩認証は非接触で、マスクをつけたままでも認証ができるため、衛生面からも安心・安全を確保する。

 アイロック社は、虹彩認証による生体認証システムの先駆者であり、独自開発技術によって高度なセキュリティシステムを構築。それらは、顧客の製品やプラットフォームに組み込まれ、非常に低い誤認率と同時に、迅速さ・プライバシー・使い易さ・スケーラビリティーを提供する。主にセキュリティレベルの高い施設、ヒトの入れ替わりが激しい現場、ヒトの往来が激しい職場、衛生管理を厳しく義務付けられる施設などで採用が拡大している。

 丸紅は、今後も成長が期待される生体認証市場をターゲットに、虹彩認証技術で世界をリードするアイロック社との協業や、丸紅のネットワークを通じ、金融・医療・製造・住宅・輸送といった様々な分野で、社会インフラの礎となるセキュリティソリューションを普及させていく考えだ。

 

丸紅 米プロピレンの長期引取契約、23年1Qに開始

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2020年7月2日

 丸紅はこのほど、米国最大のエネルギー関連ミッドストリーム企業であるエンタープライズ社と、米国産プロピレンの長期引取契約を締結した。

 エンタープライズ社は、テキサス州ヒューストンの西部に位置するモントベルビュー地区で、新しい製造プラントの建設を進めており、プロパン脱水素(PDH)法によってプロピレンを生産する計画。丸紅は、2023年第1四半期から引き取りを開始する予定。なお、今回の契約は、今年1月にエンタープライズ社が保有するモーガンズポイントターミナルから初出荷を行った米国産エチレンの輸出サービス契約と同様に、エンタープライズ社との長期にわたる協業の1つとして位置づけられる。

 プロピレンは、日用雑貨品や産業部材に幅広く使用される合成樹脂ポリプロピレン、ABS樹脂やアクリル繊維などの原料であるアクリロニトリルの主原料でもあり、必要不可欠な原料として需要の拡大が見込まれている。

 丸紅は、世界中の顧客に対し、プロピレンの輸送に必要な物流や需給調整機能を提供している。今後、エンタープライズ社から米国産プロピレンを長期にわたり調達することで、顧客へ適時・適量を安定的に供給することが可能となり、顧客製品の安定生産にも一層寄与していく。

製造プラント完成予想図
製造プラント完成予想図

丸紅 フィンテック企業と戦略的パートナーシップを締結

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2020年5月8日

 丸紅はこのほど、AND Global社(シンガポール)と、AND Global社が提供するフィンテックソリューションの海外展開を目的とした戦略的パートナーシップを締結した。

 AND Global社は、IT分野の人材育成が急速に進むモンゴル・ウランバートルに開発拠点を持ち、モンゴル国内の一般消費者にモバイル・レンディングやe‐Walletなどの自社開発アプリを提供。これらのアプリに付随してモバイル・コマース事業を展開するなど、デジタル・エコシステムも構築しており、同国内では約38万人のユーザーが利用している。

 また、AND Global社は自社フィンテック技術を活用し、金融サービスのデジタル化や独自のデジタル・エコシステムの構築を図る海外の金融機関や事業会社向けに、フィンテックをサービスとして提供するFaaS(フィンテック・アズ・ア・サービス)事業も手掛ける。

 世界には金融サービスへアクセスできない人々が依然として多数存在する中、近年は急速に普及するモバイル端末を顧客接点とした金融サービスが拡大。丸紅は、消費者向けデジタル金融サービスを成長領域と捉え、フィンテックソリューションの活用を検討してきた。一方、AND Global社も、FaaS事業の海外展開を目指していることから互いの戦略が一致し、戦略的パートナーシップの締結に至った。

 丸紅は、グローバルビジネスネットワークや金融事業での知見を生かし、AND Global社が提供するフィンテックソリューションの海外展開を支援するとともに、同社と協力し、デジタル金融サービスを通じた消費者の生活の利便性向上に貢献していく。

 

丸紅 小型衛星打ち上げ事業で国内外2社と業務提携

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2020年4月21日

 丸紅はこのほど、インターステラテクノロジズ(IST:北海道大樹町)、D‐Orbit(イタリア)と、超小型人工衛星の軌道投入ロケットに搭載される予定の小型衛星放出システムの研究・開発を行うために、業務提携を目的とした協業意向書を締結した。

 丸紅は、2016年よりISTと業務提携。ISTに対し調査研究を委託するとともに販売代理店として国内外の顧客に対してロケット打上げサービスの提案・販売活動を行ってきた。ISTは、宇宙空間である100㎞の高度まで民間企業単独で国内で初めて到達した、微小重力下での実験を行う観測ロケット「MOMO」と、最大100㎏の超小型人工衛星用の軌道投入用ロケット「ZERO」を製造・開発しているロケット開発企業。丸紅とISTは、昨年11月に資本提携を行い、さらなるパートナーシップの強化を図ってきた。

 一方、D‐Orbitは、小型衛星放出システムの軌道輸送に焦点を当てた研究・開発を行うイタリアのニュースペース企業であり、「InOrbit NOW」という独自技術を活用した打上げアレンジと軌道投入のサービスを行っている。また、顧客のミッションの内容に応じた小型衛星放出システムを用いて、小型衛星を正確に、安定させて衛星の軌道へと軌道投入させることができる。

 今回の業務提携を通じて丸紅は、超小型衛星打上げ事業での協力関係をより強化し、欧州地域をはじめとする幅広い顧客層に対して「ZERO」を活用した衛星打上げサービスの提案・提供を行う。小型衛星事業者の打上げニーズに応えることで、通信技術や地球観測技術などの向上を図り、宇宙産業の発展に貢献していく考えだ。

合同会社フリートEVイニシアティブ EVトラックの最適運用に関する実証を開始

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2020年4月16日

 中部電力と丸紅が共同で設立した合同会社フリートEVイニシアティブ(FEVI)はこのほど、名鉄運輸(名古屋市東区)およびエスライングループのエスライン各務原(岐阜県各務原市)とともに、EVトラックの最適運用に関する実証を実施すると発表した。実証期間は2022年3月31日までの予定。

 今回の実証は、FEVIが名鉄運輸とエスライン各務原のEVトラックを使用し、物流事業でのEVトラックの運用に関する知見を得ることを目的に実施するもの。運行スケジュールに応じた最適な充電方法を検討し、急速充電による車両稼働率の向上効果、電力消費のピークコントロールによる電気料金の抑制効果、車両電動化に伴うCO2削減効果などを実証する。

 FEVIは、物流・運輸事業者などの車両電動化を通じて、CO2削減に貢献するとともに、電動車両の蓄電機能を活用したBCP対策や再生可能エネルギーのさらなる活用についても提案を進めていくことで、持続可能な社会の実現に貢献していく。

丸紅 鋼管トレードのトレーサビリティ実証実験を開始

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2020年4月3日

 丸紅はこのほど、関連会社(50%出資)伊藤忠丸紅鉄鋼(MISI)の鋼管トレードについて、ブロックチェーン技術を活用したトレーサビリティの実証実験を開始すると発表した。

 丸紅グループでは、次世代事業開発に不可欠な最新デジタル技術の1つとしてブロックチェーン技術に注目。今回MISIは、鋼管トレードのビジネス環境で、真正性を証明するトレーサビリティ確保の重要性が増す中、より高度な管理が可能となるデジタル技術を活用した実証実験を実施する。

 実証実験では、MISIが調達した鋼管を対象に、鋼管に関わる各種データをブロックチェーンに連携することで、トレーサビリティに関連する情報の信用性の向上を目指している。なお、実証実験用で使用するシステムは、丸紅の次世代事業開発本部が戦略的提携をしているシンガポールのブロックチェーン技術のアプリケーション開発会社であるBSGが構築する。

 丸紅グループでは、2017年からブロックチェーン技術を利用した複数の実証実験を推進し、すでに貿易取引など多くの実証の中で、ブロックチェーン技術の有効性が確認されている。今回の実証実験ではブロックチェーンによるトレーサビリティ確保を確認する。

 今後、サプライチェーンの分野でもブロックチェーン技術を活用し、さらなる付加価値の創出に努めていく。

大王製紙と丸紅 ブラジルの衛生用品メーカーを買収

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2020年3月6日

 大王製紙と丸紅はこのほど、ブラジルのSanther社の全株式を共同で取得することに合意したと発表した。Santher社の株式を、買収子会社(大王製紙51%、丸紅49%出資)を通じて取得する。

 今回、両社が共同でブラジル市場に新規参入する背景として、同国内の人口増加と経済発展が著しく、今後もパーソナルケアをはじめとした消費財への需要増加が大いに見込まれ魅力的な市場であることが挙げられる。

 ブラジルのホーム&パーソナルケア(H&PC)市場は世界第四位の市場規模であり、過去5年間で衛生用紙が年率5.6%、紙おむつが同5.4%の成長を達成。人口の増加や経済発展・生活水準の向上に伴う普及率上昇により今後も継続的な市場拡大が見込まれる。

 こうした成長市場に参入するには、グリーンフィールドから一定のシェアを獲得して利益を上げるまで相当な年数がかかることが予想されるため、有望なローカル企業を友好的に取り込むことが有効な手法であると判断し買収に至った。

 Santher社は、ブラジルで衛生用紙やベビー用おむつ、生理用ナプキンなどのパーソナルケア商品の製造・販売を行っており、創業80年以上の歴史がある。ブラジル全土にわたってブランド認知度は非常に高く、特に、衛生用紙はマーケット・リーダーとしての確固たる地位を築いており、紙おむつ、生理用品ではローカルメーカーの中でトップシェアを持つ。

 大王製紙と丸紅は今回の買収を機に、効率化・高付加価値化による収益力強化を目指した生産体制の再構築を加速化させる。同時にブラジル国内で、大王製紙は、強みを持つ大人用おむつの製造・販売への参入、プレミアム製品ラインの拡充、成長が著しい病院・クリニック向けのB2B製品強化、保湿・可溶性向上などの新技術の導入によりSanther社のさらなる成長を促進。

 一方、丸紅は、同国での豊富な事業運営の知見やグローバルネットワークを活用してSanther社の企業価値向上を図るとともに、将来的にはブラジルのみならず、南米全域、さらにはアフリカまでを見据えたH&PC事業の展開を目指す考えだ。

丸紅 インドネシア最大の民間病院グループに出資

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2020年3月4日

 丸紅はこのほど、インドネシア最大の民間総合病院グループであるSiloam病院の株式約5%を取得し、インドネシアでの病院事業へ参入したと発表した。同時にSiloam病院の親会社であり、インドネシアの大手財閥Lippoグループの中核会社であるLippoとの間で、同国のヘルスケア領域における協業に関する戦略的パートナーシップの覚書を締結した。

  インドネシアでは、人口増加や所得水準の向上による医療ニーズの高まりに対し、慢性的な医療インフラや人材不足の解消が急務であり、充実した医療サービスの整備・拡充が求められている。

 そうした中、Siloam病院は、ジャワ島をはじめインドネシア全土に36病院・病床数7557床を持つ同国最大の民間総合病院グループとして、1万3000人以上の医師・看護師を擁し、医療機関が不足する地域への病院展開や先進的医療設備の導入を推進している。また、Lippoは、同国に医療教育機関を設置するなど、積極的に医療水準向上に取り組んでいる。

 丸紅は2019年、社会課題へのソリューションを先取りする新たなビジネスモデルを構築し、2030年に向けた長期的な企業価値向上をミッションとする次世代事業開発本部を発足。今回のSiloam病院への資本参画、並びにLippoとの戦略的パートナーシップを通じ、インドネシアで新たなヘルスケア事業の構築・拡大に取り組み、急務とされるインドネシアへの医療インフラ・サービスの拡充を追求していく考えだ。

JXTGエネルギーなど4社 日本の代替航空燃料の事業性を調査

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2020年3月2日

 JXTGエネルギー、日本航空、丸紅、日揮はこのほど、廃棄プラスチック(廃プラ)を含む産業廃棄物・一般廃棄物などから代替航空燃料を日本で製造・販売することについての事業性調査を共同で実施すると発表した。

 航空業界では、グローバルな航空輸送需要の拡大に伴い、地球温暖化による気候変動への対応が喫緊の課題となっており、国際民間航空機関(ICAO)は、2021年以降のCO2排出削減制度を導入した。

 代替航空燃料の使用は、CO2の排出量を削減する現実的かつ有効な手段と期待され、導入機運が高まっている。また、廃プラの処理は社会的課題として認識されており、持続可能な社会を実現するためには、より革新的な手法での処理が期待されている。

 今回の調査では、米国の代替航空燃料製造企業Fulcrum BioEnergy社の技術を活用し、現在、リサイクルできず、国内で焼却・埋め立て処理されている中・低品位の廃プラを含む産業廃棄物や一般廃棄物を原料とする「国産」代替航空燃料の製造・販売に関わるサプライチェーン構築に向けた事業性評価を実施する。

 4社は、大成建設とタケエイと調査を共同で実施する覚書を今年2月に締結。参画企業はそれぞれの専門性を生かし、12月にかけて、廃棄物の収集・処理システムの検討や製造プロセスの技術評価、製品のロジスティックスの評価、LCAによるCO2排出量削減効果の検証などを行う。その後、調査結果を踏まえ、2020年代前半に実証設備の導入と試験の実施、2025年頃に商用機の着工を目指す。

 調査ならびにその後の事業化への取り組みを通じ、参画企業各社は、持続可能な社会の実現のために、代替航空燃料の開発・普及を推進し、航空燃料のCO2排出量削減、廃プラ問題という社会課題に対するソリューションの確立に貢献していく。