住友化学 サステナビリティ推進、社員参加型PJを実施

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2019年12月12日

 住友化学はこのほど、サステナブルな社会の実現への貢献を目指す社員参加型のグローバルプロジェクト「For a Sustainable Future ―JIRI RITA―」(10月4日~12月3日)を実施した。

 今回の取り組みは、国内外の同社グループ全役職員を対象に、103もの言語に対応した専用ウェブサイトを通じて、経営上の7つのマテリアリティ(最重要課題)や同社グループの取り組みをクイズ形式で学び、課題解決のために業務を通じて何をするかを投稿するもの。昨年度以上に国内外のグループ会社から多くの参加があり、期間中のクイズ参加延べ人数は2万2796人、投稿数は1万2067件に上った。

 同社は、住友の事業精神の1つである「自利利他 公私一如」に基づき、サステナビリティ推進を「事業を通じて持続可能な社会の実現に貢献するとともに、自らの持続的な成長を実現する」と定義。そして、その実現のためには、トップのコミットメントと各事業を通じた貢献、さらに、同社グループ全役職員が自ら考え、行動することが重要と捉えている。

 2015年度から昨年度までは、同社グループの一体感醸成とSDGsへの理解促進を主眼に置いた社員参加型のグローバルプロジェクトを実施してきたが、今年度は、マテリアリティを切り口とし、社会課題や各マテリアリティ間の関係性などへの理解を深めて、新たな行動につなげることを目指した内容とした。

 住友化学グループは、持続可能な社会の実現に向けて、引き続き全社一丸となって創造力を最大限に発揮し、化学の力による新たな価値創造を通じた社会課題の解決を目指していく。

住友化学 イスラエル企業に出資、ヘルスケア事業を創出

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2019年12月4日

 住友化学は3日、イスラエルのスタートアップ企業で高精度の臭気検知IoTプラットフォームを開発するナノセント社に200万ドルを出資したと発表した。今回の出資により、ナノセント社との戦略的な技術的連携を深めるとともに、新規ヘルスケア事業の創出に取り組んでいく。

 ナノセント社は、テクニオン・イスラエル工科大学発のスタートアップ企業で、ケミレジスタを搭載した臭気検知センサーと、検知したデータを活用するIoTプラットフォームを開発している。

 すでに、複数の臭気をリアルタイムで検知できるポータブルデバイスと、検知したデータをクラウド上に蓄積・解析し、スマートフォンなどの端末にその結果を表示させる情報基盤の試作品を完成させている。

 この先、単純な臭気の検知に留まらず、検知した臭気パターンをAIアルゴリズムによって機械学習させることで、体調変化のような複雑な状態を見分けられるようになる可能性がある。

 住友化学は、ナノセント社との連携により、次世代ヘルスケアプラットフォームの鍵となる「体調可視化」の実現を目指している。

 排泄物の臭気データから体調変化や病気の兆候を読み取り、その日の体調に適したソリューション(食事や薬、生活習慣など)の提案により、健康管理に役立てる仕組みを構築するための実証実験を計画。

 また、さまざまな揮発性化学物質の集合体である臭気を高精度で検知できるナノセント社の技術は、ヘルスケアに留まらず、工場や街中での有害物質の検知・モニタリング、自動車内の臭気判定・管理など、応用範囲は多岐にわたることから、次世代事業の創出につながると判断し、今回の出資を決定した。

住友化学 価値創出に向け最重要課題にKPIを設定

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2019年12月2日

 住友化学はこのほど、経営として取り組む7つのマテリアリティ(最重要課題)に対する主要取り組み指標(KPI)を設定した。

 今年3月、同社グループの持続的成長と、事業を通じたサステナブルな社会の実現への貢献を共に達成するため、事業と直接関係する「社会価値創出に関するマテリアリティ」と、将来を見据えた取り組み課題である「将来の価値創造に向けたマテリアリティ」の2つの観点から7つのマテリアリティを特定。マテリアリティに対するKPIは、外部有識者の意見も踏まえた上で、サステナビリティ推進委員会での審議を経て設定した。

 「社会価値創出に関するマテリアリティ」については、SDGsの17の目標下にある169のターゲットに則したKPIを設定することで、それぞれの課題解決にどのように貢献するかを明示。一方、「将来の価値創造に向けたマテリアリティ」については、技術・研究開発の推進とデジタル革新への取り組みの進捗では、グループ全体の数値指標を設定。またダイバーシティ&インクルージョンの推進では、国や地域ごとに取り巻く環境が異なることから、グループ各社ごとにKPIを設定することとしている。

 今後、KPIを用いてマテリアリティに対する取り組みの進捗状況を確認するとともに、社内外のステークホルダーとの対話を推進していく。住友化学グループは、持続可能な社会の実現に向けて、引き続きグループ一丸となって創造力を最大限に発揮し、化学の力による新たな価値創造を通じた社会課題の解決を目指していく方針だ。

住友化学 台風19号豪雨災害の被災者と被災地に寄付

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2019年11月7日

 住友化学はこのほど、台風第19号の被災者の救済や被災地支援ため、日本赤十字社を通じて300万円を寄付すると発表した。また、「経団連1%(ワンパーセント)クラブ」が募集する日用品などの支援に賛同し、グループ会社とともに、役職員から募った物資を提供する。

 同社は「豪雨災害により亡くなられた方々とご遺族に謹んでお悔やみを申し上げますとともに、被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げます」とコメントしている。

住友化学の4-9月期 コア営業利益は前年比17%減

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2019年10月31日

 住友化学は30日、2019年4-9月期の連結決算(IFRS)を発表した。売上収益は前年同期比1%減の1兆1076億円、コア営業利益17%減の845億円、営業利益12%増の1025億円、親会社の所有者に帰属する四半期利益52%減の297億円となった。海外売上比率は、前期比2.2ポイント増の66.8%だった。

 セグメント別に見ると、石油化学は売上収益282億円減の3522億円、コア営業利益180億円減の174億円。石化製品や合成樹脂は原料価格が前年同期を下回ったことにより市況が下落。合繊原料やメタアクリルも市況が低水準で推移した。交易条件の悪化もあり減収減益となった。

 エネルギー・機能材料は、売上収益98億円減の1310億円、コア営業利益3億円減の125億円。レゾルシンやLIB用セパレータは出荷が堅調だったが、アルミニウム市況や正極材料の原料金属の市況が低水準となり販売価格が下落した。

 情報電子化学は売上収益114億円増の2069億円、コア営業利益は5億円増の153億円。偏光フィルムは販売価格が下落したが、テレビ用途、モバイル用途、タッチセンサーパネルも出荷が増加した。

 健康・農薬関連事業は売上収益82億円増の1463億円、コア営業利益は107億円悪化し82億円の損失。メチオニンは市況が下落したが、能増により出荷は増加。農薬は北米の天候不順の影響で出荷が減少した。

 医薬品は売上収益47億円増の2474億円、コア営業利益76億円増の469億円。北米ではラツーダ(非定型抗精神病薬)の販売が伸長し、中国においても増収となったが、国内では長期収載品の販売が減少した。

 その他は売上収益9億円減の237億円、コア営業利益20億円増の52億円だった。なお、通期見通しについては、今月21日に下方修正を発表している。

住友化学 中間期・通期業績予想を修正(21日)

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2019年10月23日

[住友化学/中間期・通期業績予想を修正](21日)単位100万円、カッコ内は前回予想(2019年5月15日発表)。▽連結(中間期)=売上収益1,107,000(1,180,000)、コア営業利益84,000(80,000)、親会社の所有者に帰属する四半期利益29,000(35,000)。▽同(通期)=売上収益2,330,000(2,440,000)、コア営業利益160,000(205,000)、親会社の所有者に帰属する当期利益50,000(100,000)。

住友化学 上期と通期の業績予想修正、石化や農業関連が悪化

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2019年10月23日

 住友化学は21日、2019年度上期(4-9月期)と通期の業績予想を修正すると発表した。

 上期については、米中貿易摩擦の影響により中国経済の減速をはじめ世界経済の成長鈍化が鮮明化。こうした中、売上収益は、石化の原料価格の下落に伴う販売価格の引き下げにより前回発表予想を下回る見通しだ。

 利益面では、石化の交易条件が悪化し、健康・農業関連事業でも、メチオニンの市況が想定を下回ったことに加え、北米の天候不順により農薬の出荷が低調に推移した。

 ただ、エネルギー・機能材料、情報電子化学、医薬品は需要の伸長に伴い業績が堅調に推移。特に医薬品は販管費の進捗が想定を下回り、大きく増益となることで、コア営業利益は前回予想を上回る見込みである。

 一方、通期については、下期(10-3月期)の為替を105円(前回110円)に見直したことに加え、石化や健康・農業関連事業の業績の悪化を見込み、売上収益、コア営業利益とも前回予想を下回るとしている。

住友化学 次世代事業の共同研究で米・スタートアップ企業へ出資

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2019年10月16日

 住友化学は15日、コナジェン社を中核とする米国のスタートアップ企業グループの1社で、機能性食品素材である次世代ステビア甘味料を事業化したスィージェン社に1000万ドルを出資したと発表した。

 今回の出資により、両社をはじめとする企業グループとの戦略的協業関係を強化し、合成生物学と住友化学の技術とを融合させた革新的技術を確立することで「環境負荷低減」や「ヘルスケア」といった重点分野での次世代事業の創出を加速させる。

 住友化学は、気候変動や環境保全問題といった重要課題を解決するため、化石資源への依存度が低いバイオ合成に着目。合成生物学に強みをもつスタートアップとの協業をグローバルに進めることにより、コスト競争力のある新プロセスの開発や、化学合成では困難とされた高機能素材の開発を目指している。

 その一環として、数年前より、微生物の設計と培養から発酵プロセスの工業化までを一貫して行うことができるコナジェン社との間で、既存化学品のバイオ合成に関する共同研究を開始。新しい高機能素材の開発についても協議を重ねてきた経緯があり、今回の出資を決定した。

 スィージェン社は、コナジェン社からの技術ライセンスに基づき、次世代ステビア甘味料を事業化。この製品の特長は、自然物由来の原料を用いて生産され、Non‐GMO、ノンカロリー、かつ従来型のステビア甘味料と比較して砂糖により近いおいしさであることで、飲料・食品業界からも注目されている。

 一方、生活習慣病や肥満の予防対策として世界保健機関(WHO)が清涼飲料への課税を呼びかけたことから、欧州や東南アジアなどの国々で砂糖税が導入されるなど、低カロリーな甘味料の使用を促す動きが世界的に拡大。こうした背景から、次世代甘味料の急激な需要拡大が見込まれるため、スィージェン社は、新工場の建設と開発・販売体制の拡充を進めている。

 住友化学は、事業の本格的な立ち上げ期を迎えたスィージェン社への出資を契機とし、コナジェン社およびスィージェン社との協業を深化、拡大させる。将来的には、スィージェン社の工場を実証実験の場として活用することにより、ダウンストリームプロセス(精製、廃液処理)に関する革新的技術開発や、それを適用して新設する自社プラントでの高機能素材などの生産を目指す考えだ。

住友化学 メチオニン事業の競争力を強化、生産体制を見直し

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2019年10月2日

 住友化学は1日、飼料添加物メチオニン事業に関し、1966年に愛媛工場で生産を開始して以降、順次増強してきたプラントのうち、生産効率の低い旧式のプラントについては9月末で停止し、コスト優位性のある他のプラントも必要に応じた生産体制の見直しにより競争力を強化すると発表した。

 メチオニンは動物の体内では合成することができない必須アミノ酸の一種。トウモロコシなどを主原料とする鶏の飼料はメチオニンが不足していることが多いため、世界的な人口増加や経済成長などにより需要が拡大する鶏肉や鶏卵の生産性向上を目的に、飼料添加物として広く使用されている。

 このため、メチオニン市場は、この10数年間で倍増するなど、年率で約6%、数量換算では年間約8万tもの勢いで成長しており、この先も同程度の伸びが期待されている。

 同社は、メチオニン事業で原料から一貫生産している強みに加え、長年培ってきた独自の生産技術を基に、原料と用役のロスを大幅に削減した年産10万tの新系列を2018年10月に完工。現在、総合化学メーカーとして保有する特殊な廃液・排ガスの取り扱いのノウハウを生かし、高度な環境・安全対策、品質管理体制の下、安定的にフル生産を継続している。

 一方で、今回、操業開始から50年以上が経過し、維持・補修費が年々増加するなど生産効率の低いプラントについては9月末をもって停止したほか、他の生産プラントも必要に応じた生産体制の見直しを行うことで、競争力のさらなる強化に取り組むことを決定した。

 同社は、これからも世界約90カ国の顧客にメチオニンを継続的に提供することで、世界規模での安全・安心な食料の供給に貢献していく考えだ。

 

住友化学 豪農薬会社と買収で合意、南米の子会社4社

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2019年10月1日

 住友化学は30日、オーストラリアの大手農薬会社ニューファーム社との間で、同社グループが所有するブラジルの子会社1社、アルゼンチン・チリ・コロンビアの子会社3社の全株式を、それぞれ子会社の住友化学ブラジル社と住友化学チリ社を通じて取得することで合意したと発表した。

 12月開催予定のニューファーム社株主総会での決議後、競争法当局による審査など、所定の手続きを経て買収が完了する見込み。

 南米地域は現在、世界の農薬市場の約25%を占めており、北米や中国を上回る市場規模になっている。世界最大の農薬市場で、特に大豆用の需要が多いブラジルや、世界有数の農業国であるアルゼンチンがあることから、世界の食糧需要増加を背景に、同地域での農薬市場のさらなる拡大が予想される。

 住友化学は1988年にベーラントU.S.A.社で農薬の開発・販売を開始して以降、北米地域で確固たる事業基盤を築き、現在では住友化学の農薬売上の約30%を同地域で上げている。また、2010年にニューファーム社へ出資して包括的事業提携を始め、世界31カ国で販売提携を中心にシナジー効果を生み出してきた。

 一方、2016年にはインドの農薬会社を買収、さらに同国内の住友化学子会社と合併し上場手続きを進めるなど、グローバルフットプリント(自社の販売網)の拡大にも注力し、世界的に事業を展開している。今回の買収によって、南米地域での住友化学の農薬売上高は約3倍となり、北米地域を上回る規模になる。

 また、高い成長が期待される同地域に確固たる農薬の自社販売体制を構築できるため、同社が進める一連のグローバルフットプリント整備が大きく進展することになる。

 さらに、同社が独自に開発したダイズさび病などに高い効果を示し、2020年以降に市場投入を予定している新規殺菌剤(一般名:インピルフルキサム、有効成分商標:インディフリン)を使い、ニューファーム社と共同で進めてきた新規混合剤開発を一層加速させ、製品ラインアップを拡充。今回強化する南米地域でのグローバルフットプリントを活用し、上市直後からインピルフルキサムの販売を確実に積み重ねることで、同地域での飛躍的な増収につなげる。

 加えて、同地域に新たに製剤拠点を獲得できることから、すでに住友化学が保有している、圃場を併設したブラジルの研究開発拠点と合わせて、開発から製造、販売まで一貫した事業運営を実現していく。