【ベンチャー企業との共創】経済産業省 素材産業課 吉村課長

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2023年3月30日

経済産業省 製造産業局 素材産業課長  吉村一元氏

スタートアップは経済成長を牽引、機動性を武器に共創加速

 岸田内閣は、「新しい資本主義」の実現に向け、スタートアップへの強力な支援に乗り出した。そのなかで、スタートアップは、社会的課題を成長エンジンに転換できることから、持続可能な経済社会の実現と、「新しい資本主義」を体現する牽引役と位置づける。かつて20代、30代の起業家が自動車メーカーや電機メーカーを次々と立ち上げ、新たな産業を生み出し、日本経済を大きく発展させるグローバル企業へと成長した。

 政府は昨年末、投資額を10兆円規模とする「スタートアップ育成五か年計画」を策定した。戦後の創業期に次ぐ、第二の創業ブームの実現を狙う。近年、産業界ではカーボンニュートラルに代表される大変革が求められるなか、化学業界においてもスタートアップとの協業・共創が増えてきている。スタートアップの新技術は日本の化学産業に何をもたらすのか、吉村氏に聞いた。

  ━素材産業には、いま何が求められていますか。

 素材産業は、

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【ベンチャー企業との共創】東京大学 大学院 菅教授

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2023年3月30日

東京大学 大学院 理学系研究科化学専攻 教授  菅 裕明氏

スタートアップが新たな産業を創出、リスク取り育成に舵

 菅裕明氏は2006年、自身が開発した人工RNA触媒「フレキシザイム」により合成される人工的なペプチド「特殊環状ペプチド」を活用した独自の創薬技術をもとに、共同創業者のひとりとして東京大学発の創薬ベンチャー、ペプチドリームを起業した。

 世界の大手製薬メーカーが注目する創薬技術をライセンスアウトし、共同開発を進めるビジネスモデルで、同社は大きく成長を続けている。2017年には、次世代バイオ医薬品開発のミラバイオロジクスを創業。特殊環状ペプチドを任意のタンパク質に付加する技術を共同開発し、創薬分野に貢献する新たな選択肢を開拓した。

 今年2月、両ベンチャーの基盤技術となっている「生物活性ペプチドの創製を革新するRNA触媒の開発」に対する業績により、国際的に卓越した科学者に与えられるウルフ賞化学部門を受賞した。一方で、私財を投じ、生命科学・生命化学分野の研究活動を支援するLeaP(リープ)科学財団を設立し、将来を担う人材育成に取り組むほか、エンジェル投資家として、スタートアップの育成にも力を注ぐ。

 現在、菅氏は、内閣府総合科学技術・イノベーション会議の有識者議員、日本化学会会長を務めるなど、日本の科学技術や化学産業、アカデミアを幅広く俯瞰できる職務にも携わる。ベンチャーが産業に果たす役割は何か、ベンチャーの育成・成功に必要な要素とは。研究者、アントレプレナー(起業家)、投資家といった多彩な顔をもつ菅氏に聞いた。

  ━ペプチドリームとミラバイオロジクス、2つの創薬ベンチャーを立ち上げたご経験をおもちですが、起業に至った思いとは。

 私が米国で学生、ポスドク(博士研究員)、准教授と過ごした1990年代から2000年代初頭の話だが、

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【ベンチャー企業との共創】東京工業大学 Id機構長 辻本教授

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2023年3月30日

東京工業大学 イノベーションデザイン機構 機構長 辻本将晴氏

連携で規模効果強化、幅広い支援・教育で起業意欲を刺激

 東京工業大学(東工大)は研究・産学連携本部にイノベーションデザイン(Id)機構を設立し、「世界を変える大学発スタートアップを育てる」のビジョンの下、全学一丸となったスタートアップの支援体制を整備した。また、首都圏の大学連携を立上げ、全国7拠点のとりまとめにも着手。起業支援のエコシステムの規模拡大を主導し、起業支援・指導人材育成のためのスクール開設に取り組む同機構長の辻本教授に、スタートアップ支援における大学の取り組みについて話を聞いた。

  ━東工大のベンチャー支援とは。

 東工大は、人材を育成して

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【ベンチャー企業との共創】三菱ケミカルグル―プ 浦木部長

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2023年3月30日

三菱ケミカルグル―プ ベンチャー部 部長 浦木史子氏

スタートアップとの協業に注力、新たな視点で事業創出

 三菱ケミカルグループは、既存ビジネスの拡張と新領域の開拓を目的にCVC活動に注力している。米シリコンバレーに設立したCVC子会社「ダイヤモンドエッジベンチャーズ(DEV)」とベンチャー部には、経験豊富なメンバーが揃っており、ワンチームとなって有望なスタートアップとの戦略的協業を探索している。また、出資先の成長を加速させるため、ボードメンバーなどに入って支援を強化するとともに、同社のアセットやノウハウなどを提供するなどサポート体制も充実させている。同社でCVCに取り組む、ベンチャー部の浦木史子部長に話を聞いた。

  ━三菱ケミカルグループにおけるCVCの概要について。

 当社のCVC活動は、

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【ベンチャー企業との共創】旭化成 CVC室 森下GM

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2023年3月30日

旭化成 CVC室 ゼネラルマネジャー 森下 隆氏

CVCは事業創出の有効なツール、市場の方向性も把握

 旭化成は2008年にCVC(コーポレートベンチャーキャピタル)を設立し、2011年に米シリコンバレーに拠点を置き、活動を本格化させた。スタートアップへの投資を通して、新規事業を創出することをミッションとしている。これまで50社以上に投資を行い、二社を買収するなど、日系CVCの先駆者として実績を積み上げている。CVC室で陣頭指揮を執る森下隆ゼネラルマネジャーに、CVC活動における成功のポイントや日本市場への期待などついて話を聞いた。

  ━CVC立ち上げの背景は。

 私はベンチャー企業と関わって20年以上になる。米国のベンチャーとの

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【ベンチャー企業との共創】ペガサス・テック・ベンチャーズ A・ウッザマンCEO

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2023年3月30日

ペガサス・テック・ベンチャーズ CEO アニス・ウッザマン氏

自前主義から脱し、外の力を生かして大きな飛躍を

 シリコンバレーに拠点を置くペガサス・テック・ベンチャーズは、日本企業と米国スタートアップの懸け橋となってイノベーションを起こすことを目指している。出資企業と二人三脚でスタートアップを育て提携に結びつけるという、従来のVC(ベンチャーキャピタル)とは異なるビジネスモデルによって急成長している。東京工業大学出身で日本の学術・産業と世界のベンチャー事情に詳しいウッザマンCEOに、ベンチャー投資を成功させる秘訣について聞いた。

  ━ペガサス・テック・ベンチャーズについて。

 当社は2011年に設立したベンチャーキャピタル(VC)で、

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【ベンチャー企業との共創】つばめBHB 渡邊CEO

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2023年3月30日

つばめBHB 代表取締役CEO 渡邊昌宏氏

アンモニアを低温・低圧で製造、コスト削減や環境に貢献

 つばめBHBは、アンモニア合成のエレクトライド触媒の事業化を目指して設立された、東京工業大学(東工大)発のベンチャー。細野秀雄栄誉教授のグループが開発した同触媒は、従来のハーバーボッシュ(HB)法に比べ低温・低圧で反応するため、製造コストの削減や装置の小型化を実現し、さらにCO2排出量も少ないといった特長がある。

 アンモニアの用途はアミノ酸や肥料、半導体材料など幅広いが、昨今ではカーボンニュートラルの流れから、化石燃料の代替、水素キャリアとしても注目が集まっている。オンサイトで安定的にアンモニアを製造できる同社のモジュール設備は、食糧やエネルギーの安全保障という観点からも、海外からの引き合いが強いという。「ベンチャーが成功するには資金調達、研究開発、マーケティングの3つが重要」と語る渡邊昌宏CEOに話を聞いた。

  ━つばめBHBを立ち上げた経緯とは。

 味の素がアンモニアを安価に製造する方法について、

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【ベンチャー企業との共創】わが国化学産業、生き残りには外部との協業が不可欠

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2023年3月30日

CVC活動が突破口、日本のベンチャー育成も課題

 わが国化学産業は、コロナ禍を契機にポートフォリオ変革の加速を迫られている。石化汎用品は海外での大型設備の稼働により輸出環境が悪化し、また高機能分野ではシリコンサイクルによる半導体材料の低迷、巣ごもり需要の一服によるディスプレイ材料の在庫調整など、急速に事業環境が悪化している。

 なかでもEV市場では、

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