大陽日酸はこのほど、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の “大陽日酸など 工業炉での燃料アンモニアの燃焼技術開発” の続きを読む
大陽日酸など 工業炉での燃料アンモニアの燃焼技術開発
2022年2月7日
2022年2月7日
大陽日酸はこのほど、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の “大陽日酸など 工業炉での燃料アンモニアの燃焼技術開発” の続きを読む
2022年1月31日
2021年12月27日
大陽日酸はこのほど、八王子ガスセンター(東京都八王子市)において、ガス充填設備の動力の “大陽日酸 太陽光発電システム、八王子事業所に導入” の続きを読む
2021年12月23日
大陽日酸は21日、各種シリンダーガスについて、2022年2月出荷分から値上げすると発表した。対象製品と改定幅は、一般シリンダーガスが「現行価格に対し平均20%」、特殊ガスが「同10~35%以上」、溶解アセチレンガスが「300円/kg以上」となっている。
各種シリンダーガスについては、昨今の鋼材価格の高騰により容器や容器再検査に関わる付属品の価格が著しく上昇。また、エネルギーコストや電力価格の高騰に加え、溶解アセチレンガスについてはカーバイドメーカーによる原料の大幅な値上げもあり、原材料費などの製造コストも上昇している。さらには、働き方改革関連法対応や燃料費高騰に起因する輸送費上昇、製造設備のメンテナンスコスト上昇も深刻な状況にある。
こうした中、同社は、充填所の統廃合や配送効率化などあらゆる策を講じてきたものの、これらのコスト上昇が企業努力で吸収できる範囲を超えていることから、今回の値上げを決定した。
2021年11月30日
大陽日酸は29日、酸素、窒素、アルゴンの液化ガスローリー製品について、2022年2月出荷分から電気代上昇分を上乗せする形で値上げすると発表した。改定幅は「現行価格に対して平均10%以上」の値上げとなる。
液化ガスローリー製品コストの大部分を占める電力は、昨今の原油・LNGなどのエネルギー市況高騰や再生可能エネルギー賦課金の増額により大幅に上昇している。
このような状況下、同社は従来から生産性向上や配送効率化などあらゆる策を講じてきたが、高止まりする物流費や鋼材価格上昇に伴うローリー車・液化ガス貯槽のコスト上昇の中、電力コスト上昇は自助努力で吸収できる範囲を超えていることから、液化ガスの価格改定を決定した。併せて、物流条件や納入条件など個別の取引条件に基づく価格改定についても顧客との交渉を進めていく考えだ。
2021年11月18日
大陽日酸はこのほど、北九州地区と千葉地区のシリンダーガスの充填工場について、高圧ガス工業との共同運営による充填工場の集約、ならびに省力化設備へのリプレースを実施することに合意したと発表した。
北九州、千葉の両社のシリンダーガス充填工場は共に老朽化が進んでいる。両社の設備を集約することで、更新の二重投資を避けるとともに、シリンダーガスの生産性と品質管理の向上を実現するため、両社がもつ技術を結集し、医療用酸素の自動充填をはじめとする省力化システムを備えたシリンダーガス充填工場を建設し共同で運営することとした。
北九州地区では、大陽日酸の関係会社である北九州日酸と高圧ガス工業の小倉工場の生産を統合するために、共同運営会社を2022年4月1日に設立する予定。効率的な生産体制を備えた新工場を建設し、同年7月1日の稼働開始を見込んでいる。
一方、千葉地区では、両社が共同運営をしている東洋高圧ガスに大陽日酸の関係会社である千葉日酸の生産を集約する。充填工場も省力化システムを備えた設備にリプレースし、2022年5月1日の稼働を予定している。
2021年10月25日
大陽日酸はこのほど、インテグリカルチャーが主催する細胞農業オープンイノベーションプラットフォーム「CulNet(カルネット)コンソーシアム」に参画したと発表した。
大陽日酸は、イノベーションによる新しい事業を創出していくベースとして、バイオを有望分野の1つとしており、革新的な商品開発や産業ガスを利用したバイオプロセスの最適化などを通じ、同分野への貢献を推進している。
インテグリカルチャーが基礎開発した「カルネットシステム」は、培養肉などの細胞由来製品の量産を可能とする、革新的な技術プラットフォーム。複数の培養装置を繋ぎ合わせることで生体を模したシステムを構築し、細胞由来製品の生産コストを大幅に押し下げる可能性をもつ。
今年4月に設立された「カルネットコンソーシアム」は、オープンイノベーションにより、培養液や培養槽など各領域に強みをもつ企業が参画し共同研究を推進。「カルネットシステム」の本格開発と、培養肉などの製品供給システムの構築を目的としている。
大陽日酸は、細胞培養工程における溶存ガスや雰囲気ガスの制御など、関連する産業ガス利用技術の開発を目指して同コンソーシアムに参画することを決定した。
2021年10月13日
大陽日酸とJFEスチールはこのほど、合弁で運営しているJFEサンソセンター(大陽日酸60%、JFEスチール40%)の福山工場に、空気分離装置を建設することを決定したと発表した。投資金額は100億円で、稼働時期は2023年12月末を予定している。生産能力は、酸素ガスが4万8000N㎥/h、窒素ガスが8万2000N㎥/h、液化アルゴンが1580N㎥/hとなっている。
JFEサンソセンターの福山工場は、JFEスチール西日本製鉄所(福山地区)構内で各種産業ガスの製造を行っており、同製鉄所へパイピングにより産業ガスを供給するとともに、大陽日酸の顧客へ窒素ガス、液化ガスを供給している。
今回、JFEスチール西日本製鉄所(福山地区)への酸素ガス・窒素ガス・アルゴンガスの安定供給ならびに大陽日酸への高品質製品の供給を図るため、省エネルギー型の最新鋭空気分離装置を建設することを決定した。
2021年9月7日
大陽日酸はこのほど、「酸素-18 安定同位体標識水(Water-18O)」を提供してきた国際プロジェクト「IAEA Doubly Labelled Water Database」の研究成果が、科学雑誌「サイエンス」(8月13日版)に掲載されたと発表した。
ヒトの生命活動にはエネルギーを必要とする。日常生活環境下でのヒトの総エネルギー消費量を知ることは、毎日の食事で摂取するべきエネルギーと、それを身体活動にどう使うかの両方を理解する上で重要な役割を果たす。
2014年に、総エネ消費量測定のゴールドスタンダードである二重標識水法の測定値を1つのデータベースにまとめる国際プロジェクトがスタート。研究チームは国際原子力機関(IAEA)による支援を受け、世界29カ国の生後8日~95歳までの6600人以上のデータベースを構築し、ヒトの生涯にわたる総エネルギー消費量について解析した。
二重標識水法では、水素と酸素の安定同位体で標識された二重標識水を経口投与することで、生体サンプル(血液、尿、唾液など)中の安定同位体の上昇率とその後の減衰率を求める。水素と酸素の安定同位体の減衰率の差分から呼気中に含まれるCO2排出率が算出でき、1日当たりの総エネ消費量が推定できる。
同プロジェクトでは、大陽日酸は、深冷分離技術で開発した「Water-18O」を提供し、生体サンプル中の安定同位体分析をサポート。同水は、酸素原子が一般的な質量数16ではなく、同位体である質量数18の酸素原子であり、主にPET(陽電子放射断層撮影)検査およびアルツハイマー診断薬原料として利用されている。また、プロジェクトの推進支援として、安定同位体分析に関する講演、ワークショップなども国内外で行ってきた。
同社は今後も、安定同位体の製造・分析技術を通じて、ヘルスケア分野をはじめとした多岐にわたる分野で抱える様々な課題に対するソリューションの提供を継続していく。
2021年6月23日
大陽日酸はこのほど、水素ガスを燃料として使う工業炉向けの水素-酸素バーナの開発を開始したと発表した。日本国内では年間約11.4億tのCO2が排出され、そのうち約40%を産業分野が占める。さらにその25%は素形材産業を支える約4万基におよぶ工業炉から排出され、さらなる省エネルギー技術や化石燃料に代わる新たな燃料による燃焼技術の開発が急務となっている。
これまで、NEDO事業などの連携プロジェクトで、化石燃料の高エネルギー利用効率型の工業炉の開発が推進されている。その効率はすでに理論限界に近い80%以上の実績が得られているが、脱炭素社会を目指す上ではさらなるCO2排出削減技術を開発する必要がある。
同社では、カーボンフリー燃料としてアンモニアに着目。天然ガスにアンモニアを混合して燃焼させるバーナを開発し、様々な工業炉への展開を進めてきた。一方、水素ガスも工業炉向けのカーボンフリー燃料として注目を集めている。将来的には、都市ガスとLPGのように、用途や立地などに応じてカーボンフリー燃料を使い分けることが想定されている。
こうした中、同社では水素を燃料とした水素-酸素バーナの開発に着手。工業炉分野でCO2排出削減の選択肢を顧客へ提案できるよう体制を整備することを決定した。水素-酸素バーナを工業炉へ適用する場合、①天然ガスと同じエネルギーを得るためには多くの流量が必要、②バーナ近傍が高温になりやすく、バーナへの熱負荷が大きい、③火炎温度が高くNOx排出濃度が高い、④天然ガスを燃焼させる場合より輻射伝熱が小さい、といった課題がある。
同社は、従来のバーナ設計を見直し、十分に安定した燃焼が可能な構造を見極める必要を認識している。試験結果では、実際の炉で水素-酸素バーナを使用する場合、天然ガス-酸素バーナと同等の加熱能力を期待できる。また、シミュレーションの精度を確認できたことから、実炉へ水素‐酸素バーナを導入した際の予測が可能となった。さらに、550kW規模までの水素-酸素バーナの設計・製作にめどをつけることができた。
同社は今後、これまでに開発した水素‐酸素燃焼技術をベースに、低NOx化、スケールアップなどの課題解決に取り組み、各種の工業炉向けに様々な顧客ニーズに対応できる最適な水素‐酸素バーナの開発を行い、実機への導入を提案していく。同技術を通じ、水素エネルギーの社会実装とCO2排出削減を目指す。