三菱ケミカルホールディングス(HD)は18日、連結子会社である田辺三菱製薬を公開買い付け(TOB)し完全子会社化すると発表した。現在、三菱ケミHDは田辺三菱の株を56・39%保有している。なお、TOBの期間は11月19日から来年1月7日で、買付金額は約4900億円を見込む。
都内で開催された記者会見で、三菱ケミHDの越智仁社長は「2030年に向けて、科学技術やマーケットは大きく変化する。特にデジタル技術や生化学の発達により、今後の
2019年11月20日
2019年6月5日
三菱ケミカルは4日、連結子会社である三菱ケミカルアドバンスドマテリアルズ(MCAM社:スイス・チューリッヒ)が、米国のエンジニアリングプラスチック加工メーカー、アドバンスド・ポリマー・テクノロジーズ(APT社:カリフォルニア州)を完全子会社化したと発表した。MCAM社の米国子会社(デラウェア州)が、APT社の全持分を6月3日付で取得した。
エンプラ製品の製造・販売を行うMCAM社は、スイスに本社を置き、米国やドイツ、日本など世界21ヵ国に生産拠点をもつ。
一方、APT社は2002年の設立以来、独自のポリマー加工技術を用いたエンプラ製品により、北米やアジア地域を中心に、半導体・航空・防衛・エネルギー・医療といった多岐にわたる産業に対してソリューションを提供してきた。社員数は約30名。
MCAMグループは今回の買収を通して、両社の有する最先端の射出成形・押出成形技術でのシナジーや市場ネットワークの相互活用などにより、さらなるグローバル事業基盤の強化を図る考えだ。
2019年2月28日
帝人は27日、航空・宇宙用途向けに高耐熱熱硬化プリプレグを製造・販売する米国のレネゲード社(オハイオ州)の全株式を、今年4月をめどに取得し完全子会社化すると発表した。プリプレグとは、炭素繊維シートに樹脂を染み込ませたもの。
今回の買収により、エンジン部材などへの適応が可能な、未来の最新鋭航空機に向けたラインアップとなる高耐熱性プリプレグを獲得でき、これまで以上に幅広い潜在ニーズへの対応が図れるようになる。同時に、同社が蓄積してきた炭素繊維や中間材料のノウハウや評価設備、販売チャネルなどを活用することで、レネゲード社製品のより幅広い展開が可能となり、航空・宇宙用途向け炭素繊維事業のグローバル展開をよりいっそう強化していく。これらの施策を通じ、2030年近傍までに同用途で年間9億ドル超の売上を目指す。
レネゲード社は、1993年創立の樹脂メーカーを母体とし、2007年に設立された航空・宇宙用途向け高耐熱熱硬化プリプレグメーカーで、耐熱性樹脂には高いノウハウをもつ。特に、技術的に難しいとされる低毒性原料を用いたポリイミド樹脂による、高耐熱性と熱サイクル耐性に優れるプリプレグの製造が特徴。欧米をはじめとする航空機メーカーや航空機エンジン関連メーカーなどから高い信頼と採用実績を得ている。
一方、帝人グループは炭素繊維事業では、特に航空機分野に注力しており、炭素繊維原糸からCFRP(炭素繊維複合材料)に至るまでのラインアップを拡充し、用途開発を強力に推進する。先ごろは、米国・ボーイング社の一次構造材向けに認定された熱可塑性プリプレグなど、将来の最新鋭機に向けた、新たな中間材料や工法の開発に積極的に取り組んでいる。