工学院大学は、薄膜に関する研究を多領域で進めている。同大学の相川慎也教授(電気電子工学科)は、薄膜トランジスタを用いたCO2センサーを考案した。大学発の研究成果でイノベーションを支援すべく、今月15日から18日に幕張メッセで開催されるデジタルイノベーションの総合展「CEATEC 2024」(主催:一般社団法人電子情報技術産業協会)で公開する。
昨今、
2024年10月11日
2022年12月2日
2020年8月26日
工学院大学はこのほど、鈴木俊彦教授(建築学部建築学科)が段ボール製のPCR検査用防護シールドを開発したと発表した。
撥水性の高い強化段ボールを使用しているため消毒が可能で、窓にはアクリル板を貼り、医療従事者は立位でも座位でも検査が可能なつくりとなっている。鈴木教授は、避難所内などでプライベートな空間をつくることを目的に段ボール製の簡易個室キットなどを2011年から設計・現地搬入し続けている。
今回の防護シールドには、運搬・組み立て・価格も配慮されており、使用後は、段ボール部分は資源ごみとして廃棄できる。商品名は「PCRボディシールド」。小売価格は2万2000円(税込)で、大幸紙工が受注販売を開始した。
2020年7月27日
工学院大学はこのほど、学生プロジェクト「みつばちプロジェクト」と「Science Create Project」が、老舗化粧品メーカーの八重椿本舗(東京都港区)とコラボレーションし、「KUTE Honey ハンドクリーム」を企画・開発した。
原材料に「みつばちプロジェクト」が同大学八王子キャンパスで養蜂・採取した東京産ハチミツを使用。リラックス効果を誘うハチミツの甘い香りと天然ハチミツ由来の保湿効果、なめらかでしっとりした肌触りが特徴となっている。
今回、ハンドクリームを製造するにあたり、ハチミツの特徴である甘い香りに着目し、製品化をイメージ。老舗化粧品メーカーの協力を得て、ハチミツの香りを再現するとともに、肌に優しいノンシリコン処方にもこだわった。各種検査機関の規格値に合格しているハチミツをはじめ、ローヤルゼリーエキス、シアバターなど天然由来の保湿成分を使用するなど、材料から製造に至るまで品質管理と安全性に配慮したものづくりを目指した。
今回生産した限定3000個の東京産ハチミツ配合「KUTE Honey ハンドクリーム」は、同大学関係者や支援者を中心にサンプルを配布し、実際に製品を使った体験者のフィードバックをもとに今後の展開を検討していく。
2019年7月29日
工学院大学は8月24、25日に「第26回工学院大学わくわくサイエンス祭 科学教室」を、同大学八王子キャンパスと附属中・高校キャンパス(八王子市中野町2665―1)で開催する。
科学教育の普及を目的とした社会貢献事業で、さまざまな分野の演示実験を用意した学生・生徒が説明し、「科学の面白さ」を子どもたちに伝える。全87テーマを用意する予定。
主なものとしては「熱気球を作って、あげてみよう!」「ミニチュアハウスを作ってみよう」「スライム作り」「小麦粉粘土で遊ぼう!」「小さな雷を見てみよう!」などが考えられている。
対象は未就学児から一般まで。参加無料で事前予約は不要だが、一部演示テーマは事前申し込み制。詳細はホームページ(https://www.kogakuin.ac.jp/science/)を参照。
この科学教室は1994年から行われており、毎年7500人以上が来場する多摩地域最大級の科学イベント。先生役として演示を担当する学生・生徒たちにとっては、企画・運営や教える側を担うことで、企画力・技術力・コミュニケーション能力を高める機会となる。
一方、子どもたちにとっては、「大学生・中高生のお兄さんお姉さん」に気軽に質問でき、科学への興味を伸ばすことが期待される。また、教育連携校(高校)からの参加も年々増え、今年は都立多摩科学技術高校が初参加する。
2019年7月10日
帝人グループは10月13~20日にオーストラリアで開催される、世界最大級のソーラーカー大会「ワールド・ソーラー・チャレンジ」に参加する工学院大学に、車体の主要部材向けとして自社素材を提供する。加えて、それらを使用したCFRP製の車体の設計から製作までの支援も行う。
同社グループは、2013年大会で工学院大学のソーラーカープロジェクトに参加して以来、今回まで4大会連続で同チームを支援している。前回大会まではサポート企業の1つとして、車体向けの軽量・高強度素材、チームメンバーの快適性向上につながる素材・製品を幅広く提供してきた。
しかし、今大会はそれに加えて、工学院大学を次世代の革新的モビリティ開発を目指すパートナーと位置づけ、ソーラーパネルなどソーラーカーに搭載される部品関連の技術を得ることも目的に、開発支援を行うことにした。
今回提供した素材・製品は、炭素繊維「テナックス」製超軽量織物プリプレグ、ポリカーボネート樹脂「パンライト」製樹脂窓、パラ系アラミド繊維「テクノーラ」製プリプレグ、タテ型不織布「V‐Lap」製衝撃吸収シートクッション、超極細ポリエステル繊維「ナノフロント」製グローブ、メタ系アラミド繊維「コーネックス」製ドライビングスーツ、「デルタピーク」製チームウェア。
このうち、「テナックス」を使用したプリプレグは、帝人がサカイオーベックスと共同開発した成形厚0.06mm、重量60g/㎡という極薄の超軽量織物。これを使用することで、従来にはないCFRPの薄肉化を実現し、超軽量車体の製作を可能にした。
樹脂窓は帝人が開発したガラスの約200倍という耐衝撃性と、2分の1という軽量性を持つ「パンライト」を使用することで、車体の軽量化と搭乗者の安全性向上に貢献する。
また、帝人フロンティアが製造・販売する「V‐Lap」製衝撃吸収シートクッションは、反発性や通気性に優れ、車体の軽量化やドライバーの快適性向上に寄与する。
ソーラーカーのボディの設計、成形加工を支援するのは、帝人子会社のジーエイチクラフト。超軽量の乗物構造技術に基づく独自のデザインや成形加工から、構造物評価に至るまでの全工程を自社内で一貫して手掛けている。
自動車や航空機などのモビリティ分野の世界的なファーストランナーとして、さまざまなCFRPコンポジット構造体を設計・製作しており、同社は今回も担当者がレース全行程に同行し、チーム一丸で念願の初優勝を目指す。
帝人グループは今回の革新的ソーラーカーの共同制作を通じて得られた軽量車体の設計・成形加工のノウハウや、ソーラー発電に関する技術を有効活用することにより、長期ビジョンである「未来の社会を支える会社」を目指し、モビリティ分野におけるソリューション開発に注力していく。