[帝人・人事](10月1日)▽マテリアル新事業部門電池部材事業部長松原寛▽出向テイジン・リエルソート・コリア代表理事武久慶太▽マテリアル新事業部門メンブレン事業部長川井泉介▽解兼樹脂事業本部開発・技術生産部門開発・技術生産統轄部長、同本部同部門長伊藤英和▽同本部同部門同統轄部長津坂待夫▽ヘルスケア戦略推進部門データソリューション事業開発部長増村成嗣。
帝人 人事(10月1日)
2020年10月6日
2020年10月6日
2020年10月5日
[帝人/組織改正](10月1日)【マテリアル新事業部門】▽「電池部材事業推進班」を分割・再編し、「電池部材事業部」「メンブレン事業部」を新設する。これに伴い「電池部材事業推進班」を廃止する▽「電池部材事業推進班」と「機能材料開発室」を分割・再編し、「電池部材事業部」の配下に「セパレータ販売課」「セパレータ開発課」を新設する。これに伴い「機能材料開発室」を廃止する▽「電子部材事業推進班」と「電子材料開発室」を分割・再編し、「メンブレン事業部」の配下に「ミライム販売課」「ミライム開発課」「ミライム工場」を新設する。これに伴い「電子材料開発室」を廃止する【ヘルスケア戦略推進部門】▽ヘルスケアグランドデザイン実現に向けた業容拡大を加速するにあたり、デジタルトランスフォーメーションにおける競争優位性の強化を目的として、ヘルスケア戦略推進部門直下に「データソリューション事業開発部」を新設する。
2020年9月29日
帝人は28日、ビズジーン(大阪府茨木市)との間で、各種ウイルスによる感染症を、早期に短時間で判定する迅速診断キットに用いるウイルス濃縮デバイスの商業化に向けて、帝人がビズジーンに出資し資本・業務提携を行うことで合意したと発表した。
両社は、2018年よりデングウイルスをはじめ各種ウイルスを濃縮する技術の開発を進め、簡便な操作でウイルスを捕集し迅速に濃縮することができる技術を開発。高い孔径精度や厚み制御に強みがある、帝人の高機能メンブレン「ミライム」を濃縮膜として使用しており、設計を微細に変化させることで、様々なウイルスへの対応が期待されている。こうした中、同技術を使用した濃縮デバイスの商業化に向け、サプライチェーンの確立、量産体制の構築などを目的に資本・業務提携を行った。
今回、商業化を目指すウイルス濃縮デバイスは、シリンジ(注射筒)の先端に取り付ける樹脂成型品の中にシート状の「ミライム」を内包。孔径や厚みなどの制御と表面処理技術により、ターゲットのウイルスを濃縮することを想定している。これにより、感染症診断に使用する検体中のウイルス濃度を高めることで、体内のウイルス量が少ない感染初期にも感染症判定が可能になると考えられ、重症化する前に治療に結びつけることができる。
また、この濃縮技術とビズジーンの遺伝子診断キットを組み合わせることにより、従来の抗体・抗原を用いた迅速診断キットと同等の時間で、診断精度を向上させることも期待される。
今後、両社は、今回の資本・業務提携を足掛かりに、臨床試験などを通じて技術優位性の確認や量産化の仕組みの構築を早期に行い、まずはデング熱診断用での商業化を目指す。また、新型コロナウイルスをはじめ世界的に流行している感染症への展開の可能性を検討し、適応範囲の拡大を図る。さらに、ウイルス濃色デバイスの展開のみならず、両社のもつサービス・技術・知見を融合させることにより、各種診断領域の連携範囲を拡大していく考えだ。
2020年9月28日
帝人は25日、同社が開発した2次元通信シートがプラス社の座席管理アプリ「Suwary(スワリー)」に搭載され、オフィスでの新型コロナウイルス感染者との濃厚接触者の把握をサポートする機能を実現したと発表した。
濃厚接触者の把握サポート機能は、オフィス利用者がコロナ感染した場合、感染者がオフィス内で、誰と、どこで、どれくらい接触していたかという情報を抽出し把握する。フリーアドレス制やサテライトオフィスを採用している企業などが、コロナ感染対策のソリューションとして「スワリー」を有効活用することが期待される。
プラス社が展開する「スワリー」は、シート状のデバイスを設置するだけでデスクを簡単にIoT化し、予約管理ができるアプリケーションサービス。アクティビティ・ベースド・ワーキング(時間と場所を自由に選択できる働き方)が推進される中、効率的に業務管理や利用促進を図るツールとして利用が進む。
その「スワリー」の正確な位置把握システムは、帝人とセルクロスが開発した2次元通信シートと、タグキャストのビーコン技術との組み合わせにより共同開発した平面認証ビーコン「PaperBeacon(ペーパービーコン)」の技術によるもの。帝人が独自開発した2次元通信シート上に電波を留めることで混信を避け、座席ごとの位置情報を正確に発信。これにより、従来のビーコンでは困難であった、大人数が集まるスペースでのテーブルやイス単位の限られた場所を特定することも可能だ。
これまで帝人は、電波を留められる二次元通信技術を生かした「ペーパービーコン」を、「人」の所在管理システムとして、飲食オーダーシステム「プットメニュー」や、今回の「スワリー」に展開してきた。今後は「人」の管理から「物」の管理へと対象を広げることで、工場・物流分野へも展開し、さらなる事業拡大を図っていく。
2020年9月25日
帝人はこのほど、機能性食品素材として展開している水溶性食物繊維「イヌリア」使用の商品「発酵するナチュラルイヌリン」について、消費者庁に「整腸」に関する機能性表示食品の届け出を行い受理されたと発表した。これにより、同社の責任により、商品に「腸内のビフィズス菌を増やす」「腸内フローラを良好にする」「お腹の調子を整える」などの表示をすることが可能となった。
健康志向の高まりから発酵食品の需要が増える中、「腸内のビフィズス菌による発酵・増殖に利用される」という表現で機能性表示食品の届け出が受理されたのは初となる。
帝人は大腸内での発酵が健康に重要であることに注目し、機能性食品素材事業として、2016年よりスーパー大麦「バーリーマックス」、2018年から水溶性食物繊維「イヌリア」を展開。今回、機能性表示食品として届け出た「発酵するナチュラルイヌリン」は、これまで販売してきた商品「発酵する食物繊維」をリニューアルしたもので、10月末の発売を予定している。また、今後の展開として、今回の知見をもとに、「イヌリア」を使用した食品で機能性表示を希望するメーカーに対しては、届け出のサポートを行っていく計画だ。
帝人のヘルスケア事業は、1人ひとりが生まれてから最後の日を迎えるまでの人生を支えることを目指しており、今後も機能性食品素材事業で世界中の人々の「QOL」の向上に貢献していく。
2020年9月24日
帝人は23日、同社グループの欧州でのアラミド事業会社であるテイジン・アラミド(オランダ・アーネム市)が、環境と従業員によりやさしい職場の構築を目指し、このほど本社を同敷地内に新設したオフィス(床面積約5000㎡)に移転したと発表した。
「T ONE」と名付けられた新オフィスは、研究所だった建物の躯体を活用したもので、新設に際しては様々なサステナブルな設計を施した。一例を挙げれば、新しい駐車場や専用道路の舗装に、旧研究所の内装を解体した際に発生した破砕くずを使用した。
新施設には、ソーラーパネルやヒートポンプ、節水設備、日よけ、熱回収装備など、建物のエネルギー消費量低減に寄与する機能を完備。電気自動車や充電スタンド、地元産の食品を提供する食堂、壁面に敷き詰めた植物など、環境配慮型の設備を取り入れている。また、従業員のワークスペースには、会議室やキッチンを備えた活気のある共同スペースと、適度な採光と防音設計を施した個室を整備した。
帝人グループは、こうした職場環境づくりに対しても、時代の変化を踏まえた新しい価値を創造し、豊かで持続可能な社会を実現するソリューションを提供することで「未来の社会を支える会社」となることを目指すとともに、SDGsの目標達成に貢献していく考えだ。
2020年9月17日
帝人は16日、広島大学発のベンチャー企業で未病・疾患早期発見検査を提供するミルテル(広島県広島市)に出資し、業務提携契約を締結したと発表した。
今後、帝人グループでニュートラシューティカル製品(健康維持に科学的根拠をもつ食品)の販売を手掛けるNOMON(東京都千代田区)が、ミルテルが展開する血液検査による未病検査や、がんなどの疾患の早期発見を促す検査の販売支援を行い、ミルテルがNOMONのサプリメントを販売する。こうした相互の販路活用によって販売協力し、両社の認知拡大に取り組んでいく考えだ。
ミルテルは、広島大学大学院の田原栄俊教授の研究成果を実用化するため、2012年に起業した同大発のベンチャー企業。翌年には遺伝子検査業務を行う衛生検査所として登録し、未病検査「テロメアテスト」、がんなどの疾患の早期発見を促す検査「ミアテスト」などの「ミルテル検査」を医療機関に提供。疾患の予防と早期発見を通じて、国民の健康長寿や医療費の削減に貢献することを目指している。
一方、帝人のグループ会社であるNOMONは、高純度NMNを配合したサプリメントなどの販売を行い、前向きに歳をとるプロダクティブ・エイジングの実現を目標に掲げる。こうした中、帝人グループとミルテルは、健康寿命延伸や医療費削減への貢献という理念を共有できたこと、事業の展開領域や戦略、保有技術などからシナジーが期待できることから、今回の出資および業務提携契約の締結に至った。
2020年9月16日
帝人は15日、帝人ファーマが展開する医療・介護多職種連携情報共有システム「バイタルリンク」が、ビデオ会議アプリケーション「Zoom」と連携したオンライン会議サービスの提供を同日から開始すると発表した。
「バイタルリンク」は、パソコンやスマートフォン、タブレット端末を用い、医師や看護師、薬剤師、介護従事者など、患者に関わる医療従事者間で患者のバイタル情報を共有することができる多職種連携システム。患者の情報を一元管理し、リアルタイムで共有できるため、医療・介護従事者間のより緊密な連携が可能となり、地域包括ケアシステムによる患者へのシームレスな医療の実現に貢献してきた。
こうした中、「Zoom」との連携機能を搭載。これにより、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で開催が困難となっていた、患者の退院に際してのカンファレンスや、在宅療養中のサービス担当者会議などを、「バイタルリンク」に蓄積された患者の診療情報を参照しながらオンラインで開催することが可能になる。
同社は、この「バイタルリンク」と「Zoom」の連携によるオンライン会議サービスの提供により、コロナ禍にあっても平時と変わらない医療・介護の提供を望む医療従事者のニーズに応え、その環境づくりをサポートしていく。
帝人グループはヘルスケア事業領域の中長期戦略として、既存事業で培った強みを生かし、リハビリ、介護や予防、健康増進を含む、地域密着型の総合ヘルスケアサービス事業を展開している。今回の「バイタルリンク」のサービス拡充を通じ、地域包括ケアシステムの構築に一層寄与するとともに、患者のQOL向上に貢献していく考えだ。
2020年9月1日
帝人はこのほど、経済産業省と東京証券取引所が共同で選定し公表する「デジタルトランスフォーメーション銘柄(DX銘柄)2020」の「DX注目企業2020」に選定された。
昨年までは、積極的なIT利活用に取り組む企業を「攻めのIT経営銘柄」として選定・公表してきたが、近年、デジタル技術を前提として、ビジネスモデルなどを抜本的に変革し、新たな成長・競争力強化につなげていくDXがグローバルな潮流となってきていることを踏まえ、今年は選定の焦点をDXに絞り込むとともに、名称を「DX銘柄」として実施した。
同社が選定された「DX注目企業」は、業種の枠を超えて〝デジタル時代を先導する企業〟である「DXグランプリ」(2社)、業種別に総合評価点が最も高い企業を選定する「DX銘柄」(35社)に準ずる企業が選定されるもので、国内上場企業3700社のうち、同社を含む21社を選定。なお同社は、2018年と2019年の「攻めのIT経営銘柄」に続き、3年連続で選定されたことになる。
今回、同社が選定されたのは、AIを活用して膜状素材を製造する際の欠点検査の自動化を行い、工数の削減や検査基準の標準化を実現したことや、従業員向けの健康増進トライアルについて、データに基づいた健康状態の把握とその向上策の確立を目指した取り組みなどが評価された。
帝人グループは、今年度からの中期経営計画の中で、イノベーション創出のための重点施策として「デジタル・IT技術の活用」を掲げる。「DX注目企業」に選定されたのを契機として、ITをさらに積極的に活用し、新規ビジネスの創生とビジネススタイルの変革を一層推進していく考えだ。
2020年8月26日
帝人と木下製網はこのほど、帝人の高機能ポリエチレンテープ(UHMWPE)「Endumax」を使用した、世界初のフィルム製高機能漁網「MX‐4」を共同開発したと発表した。木下製網は、今月上旬より「MX‐4」の本格展開を開始している。
漁網には、様々な種類があるが、特にまき網漁では繰り返し使用するにつれて網目が大きく収縮し、網の形が崩れ、魚を囲い込む性能が低下するため、頻繁に網の修繕や交換を行わなければならない。
こうした漁業者の課題を解決するため、帝人のUHMWPEフィルム「Endumax」と、世界有数の無結節網の編網機をもつ木下製網の製造技術を組み合わせることで、高い耐久性を実現しメンテナンスの頻度を下げることが可能となった。
帝人の「Endumax」は、高強度、高弾性率、耐衝撃性、耐摩耗性、耐薬品性、耐紫外線性などを兼ね備えた厚み60㎛のフィルム。従来漁網に使用されてきた繊維に比べ、フィルムの製網・量産には高度な技術を要すが、数ミリ幅に裁断した「Endumax」を、木下製網独自の技術で編み込むことで、高機能漁網が実現した。
同製品は、寸法安定性や耐摩擦性、網揚げ時の水切り性などの特性に優れることから、カツオ、マグロ、アジ、サバなどのまき網漁業などでの使用に適しており、試験採用では高い評価を得ている。
帝人は、これまで防弾用途、航空貨物用軽量コンテナ、ロープなどの産業分野に「Endumax」を展開しているが、今回の漁網用途への展開を契機として、さらなる用途拡大を図る。
一方、木下製網は、まき網漁業を皮切りに、養殖網、定置網、トロール網などの漁業現場での活用を図り、国内をはじめ幅広くグローバルに「MX‐4」を展開する。さらに「Endumax」使用の漁網のバリエーションを拡充することにより、2025年までに年間約50tの販売を目指す考えだ。