ビヨンド・ゼロへ、50年に向けプロセス・原料転換を模索
━2021年の振り返りと2022年の事業環境の見通しについて。
2021年を振り返ると前年 と同様に、新型コロナウイルス感染症に翻弄された1年間だった。操業面では幸いなことに大きな事故はなく、感染拡大防止に努めながらも安定操業に努めた従業員の皆さんには大変感謝をしている。景気面では、年初からある程度モノの動きは活発化し始めた。2021年のエチレン生産量は630万t程度と予想しているが、2020年が600万t弱だったことから考えても、前年と比較すれば、化学品全般が回復傾向にあったのではないかと見ている。
2022年については、現時点ではオミクロン株の不透明感もあり、予断を許さない状況だとは感じている。日本の感染者数は比較的低位だが、海外に目を転じると感染者がかなり増えている国もあるため、世界全体が沈静化したとは思えない。ただ日本で言えば、2回目のワクチン接種率は80%に迫り、年明けには3回目のブースター接種も本格化してくるため、2022年の景気が2021年よりさらに悪くなるという要素はほとんどないのではないか。
━ホールディングスの新経営方針では、石化事業と炭素事業の切り離しを打ち出されました。
ナフサをクラッキングして基礎素材を作る石油化学が