━2023年の振り返りを。
昨年は、2022年後半からのポリスチレン(PS)需要の悪化が続き、事業環境は非常に厳しい1年となった。5月に新型コロナウイルス感染症が5類に移行し、人の動きが活発化することで消費が盛り上がってくることを期待していたが、未だに低調な事業環境から抜け出せない状況だ。スチレン工業会の発表では昨年11月のPSの国内出荷は1年半ぶりに前年同月比でプラスに転じたが、この調子で
2024年2月21日
2024年2月1日
2024年1月24日
2023年2月2日
2023年1月19日
2022年1月26日
2022年1月19日
2020年1月16日
田中 今年度上期(4-9月期)の収益は比較的堅調だった。エラストマー事業は減収減益だったが、高機能材料事業は増収増益となり売上と利益は過去最高を達成した。
エラストマー事業は、原料高と国内外の市況が厳しいことから苦労しているが、高機能材料事業は、大型テレビ、スマートフォン向けCOPフィルムは好調であり、LIB用バインダーも比較的堅調となった。下期(10-3月期)に入っても、原料価格や製品市況、為替などの動向を含め、引き続き事業環境は大きく変わっていない。
━対面市場ではどの分野に注目していますか。
田中 高機能材料の新しい用途展開として、医療業界、ディスプレイ業界の動向に注目しているが、今後期待しているのは半導体業界だ。当社にとってビジネスの可能性が出てきており期待が大きい。8月に発表した電子線レジストの採用が進んでいることに加え、サーバーに使われる新しい放熱材「TIM」が来年度から本格的に採用される見通しとなっている。
また、一時低迷していた絶縁材料も持ち直しの兆しも出てきた。一方、自動車業界は
2020年1月15日
木藤 新元号の発表の日となる4月1日に合同で入社式を行った。令和の幕開けとともに、新統合会社がスタートしたと感じている。
統合は予定より2年遅れ、方向性を打ち出してから3年の歳月がかかった。難産だったと言えるが、その分シナジーを前倒しで出す業務提携を行ってきた。各段階でも懇親の場を多く作ってきたことによりすでに盛んな交流が進んでいる。こういった助走期間があったことでスムーズなスタートを切ることができたと言えるだろう。
統合効果については、2019年度には300億円のシナジーが見えてきており、2021年度には当初計画である600億円のシナジーが達成できる見通しだ。今後は業務システムの一本化などの課題などに取り組み、1つの組織の中で生き生きと働ける環境づくりを目指す。両社の優秀な社員がしっかり働ける会社にすることで、さらなるシナジー創出につながるだろう。
━新会社としてまず何に注力していきますか。
木藤 当社が社会貢献できる体制となるため、基盤事業の構造改革と競争力強化にしっかり取り組む。石油業界は、JXTGが誕生し出光昭和シェルが協業を進めてきた中で、国内の事業基盤が安定化してきた。こうした中、統合新社の課題は、ライフライン
2019年1月17日
━アジアの石化市況が昨年9月以降、下落傾向にあります。
この動きは一時的な調整局面というよりも、ダウントレンドに入ったと見ています。今後、米中貿易摩擦の影響がいろいろな形で出てくる可能性があり、上期のような好環境に戻ることはないでしょう。これまで業界に吹いていたフォローの風が止んだ状態にあり、事業環境の悪化に備え社内の引き締めを図っています。
また、ブタジエン価格については、上期は1700ドル程度と高値で推移していましたが、下期は一転して1000ドル程度に急落しました。
ブタジエンは天然ゴム市況などさまざまな要因の影響を受けるため、今後も乱高下すると見ており、しっかりと製品へ価格転嫁しなければいけません。
上期の高い原料で生産した製品の在庫がなくなりつつあり、下期は挽回できると見ていますが、楽観はできません。
━上期の業績は増収減益となりました。
上期の売上高は過去最高を更新しました。ただ上期後半には、原料のブタジエンが高騰し高い原価の合成ゴムを販売したことに加え、当社の主力製品である光学フィルムでも、スマートフォン(スマホ)の在庫調整の影響を受けたため、営業利益は減益となりました。この2つの要因がなければ、利益がさらに伸長したと見ています。
下期に入って、この2つの課題解決が大きなテーマですが、合成ゴムでは、