日本ゼオン エラストマー事業部発足、ゴムとラテックス統合

2021年4月1日

 日本ゼオンは31日、ゴム事業部とラテックス事業部を統合し、新たに「エラストマー事業部」を4月1日に発足させると発表した。

 今回の統合によって技術開発の質と速力の向上や、生産設備の機動的かつ効率的な運用などが可能となり、事業体質の一層の強化につなげることで、従来にも増して優れた品質の製品とサービスを顧客に提供する考えだ。

 

日本ゼオン 合成香料リーフアルコールの生産能力を増強へ

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2021年3月26日

 日本ゼオンは25日、合成香料の主力製品であるリーフアルコールについて、生産能力を増強することを決定したと発表した。同社はリーフアルコールで世界№1のシェアをもつが、今回の増設により年間生産能力は1600t(現在1200t)に拡大する見込み。今年の夏に起工し、2022年秋の竣工を予定している。

合成香料リーフアルコールを増強
合成香料リーフアルコールを増強

 リーフアルコール(cis-3-Hexenol)は「青葉アルコール」とも呼ばれ、新緑の若葉のような香りをもつ合成香料。フレッシュ感を演出するグリーン系香料として、香水やシャンプー、石鹸などのフレグランス、また、清涼飲料や菓子などのフレーバーに幅広く使用されている。汎用的に使用される香料として、今後も安定的な成長が見込まれていることから、同社は能力増強を決定した。ゼオングループはこれからも香料の〝化学〟を通じて、香り豊かなくらしの演出に貢献していく。

 

日本ゼオン 蓄電池向けセパレータ用接着剤、採用が拡大

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2021年2月25日

 日本ゼオンは24日、リチウムイオン電池の電極とセパレータを接着させる接着剤「AFL」の本格的な展開を開始したと発表した。

 同社は、正極と負極がセパレータで絶縁されたシート形状を巻き取ってコイル状にした捲回体を一体化する技術の実用化を推進。同接着剤を用いることでパウチ型セルの課題である電極間距離の維持を解決し、蓄電池の長寿命化と低コスト化の実現に貢献していく。

 パウチ型のリチウムイオン電池は、使用を重ねることで残留応力などの影響により電極とセパレータの間に隙間が発生し、正負極間でのリチウムイオンの移動が阻害され、電池寿命に影響が生じる課題があった。同社が販売している接着剤「AFL」は、セパレータに塗布することで電極間距離を維持できることに加え、温度や圧力など任意の条件に合わせた接着が可能でプロセスへの適合性が高いという特長をもつ。

 さらに、「AFL」を適用することで、電池製造プロセスでも多くのメリットがもたらされる。捲回体を熱プレスなどで一体化することで、製造工程内の搬送を高速化させ、また、大型サイズの電池であっても電池容器への挿入が容易になるなど、電池の生産性向上に大きく貢献している。

 普及が進む積層型電池の積層体では、層間のズレや折れなどの発生による歩留まり低下の課題を抱えていたが、「AFL」を使用して層を一体化させることにより、ハンドリングが向上しプロセスの高速化にも役立っている。

 なお、これら成果の詳細については、3月に東京ビッグサイトで開催される展示会「二次電池展(バッテリ―ジャパン)」の講演で発表する予定。ゼオングループは、これからも持続可能な社会の実現に向けて蓄電池産業の発展に寄与していく。

日本ゼオン 結晶性COPを上市、新たな領域への展開図る

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2021年2月19日

 日本ゼオンは17日、結晶性(立体規則性)を付与した新たなタイプのシクロオレフィンポリマー(COP)「ZEONEX C2420」を上市し生産を開始したと発表した。これまでのCOPにない優れた機能を有するため、新しいアイテムへの応用展開が期待される。

結晶性COP「ZEONEX C2420」 ミリ波レーダーアンテナ基板への応用例
結晶性COP「ZEONEX C2420」 ミリ波レーダーアンテナ基板への応用例

 COPは一般的に非晶性の構造を持ち、主にカメラレンズやディスプレイ用フィルムなどの光学用途、シリンジやマイクロ流路チップなどの医療バイオ用途の材料として使用されている。今回上市した新製品は、結晶性を付与したことにより、従来のCOPが持つ低吸水性、低誘電率・低誘電正接を維持しながら、これまでにない耐熱性、耐薬品性、耐屈曲性を持つ。

 具体的にみると、耐熱性では、従来品はガラス転移温度163℃程度が上限だったが、新製品は結晶性を付与したことで融点が265℃と大幅に向上。また耐薬品性では、従来品では劣っていた炭化水素系溶剤への耐性を有している。さらに耐屈曲性についても、従来品は屈曲試験2万5000回で割れが生じるのに対し、新製品は20万回以上にも耐えるなど非常に優れている。

 新製品の持つこうした新たな特性は、フィルム回路基板やフィルムコンデンサなどエレクトロニクス用途を中心とする新たな領域への展開を可能にする。ゼオングループはこれからも革新的な独自技術により、COPの可能性をさらに追求していく考えだ。

日本ゼオンの4-12月期 高機能材は四半期で最高益に

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2021年2月1日

 日本ゼオンは29日、2020年度第3四半期(4-12月期)の連結業績を発表した。売上高は前年同期比11%減の2163億円、営業利益2%減の211億円、経常利益3%減の229億円、純利益5%増の174億円。同日に開催されたオンライン会見の中で、松浦一慶取締役執行役員は「エラストマー素材の需要は全体として回復基調となり、高機能材料は堅調に推移した。10-12月期の営業利益は昨年同期を大きく上回り、高機能材は四半期で最高益となった」と総括した。

 セグメント別に見ると、

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日本ゼオン 中国深圳に新拠点、光学フィルムの拡販を図る

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2021年2月1日

 日本ゼオンは29日、中国のグループ企業である瑞翁貿易(上海)が、深圳に分公司(支店)を設立し営業を開始したと発表した。

 瑞翁貿易(上海)は、合成ゴム・合成樹脂など各種商品の仕入販売を手掛けている。ディスプレイ産業が集積する華南地区に新たに拠点を構えることで、中国国内での光学フィルムのさらなる拡販を図る狙い。

深圳分公司が入居するビル
深圳分公司が入居するビル

日本ゼオン 単層CNTを使用した導電性シリコンゴムを開発

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2021年1月21日

 日本ゼオンは20日、単層カーボンナノチューブ(CNT)を使いシリコンゴムの導電性を大幅に向上させるマスターバッチ(MB)を開発したと発表した。このMBを用いたコンパウンドは、パーキンソン病や本態性振戦の症状を軽減する医療機器への応用を目指しており、米国NovationSi社と共同研究を進めている。

 今回、日本ゼオンが開発したシリコンMBは、人体に神経調節療法を実行する医療機器の部材として使用される。シリコンゴムに単層CNT「ZEONANO SG101」を練り込むことで導電性が付与されるが、シリコン分散液メーカーであるNovationSi社はさらにこのMBを用い、「PURmix 高濃度ゴム(HCR)ヘルスケアコンパウンド」を開発。単層CNTをコンパウンドに効果的に分散させることにより、硬化物の導電特性が大幅に向上することが確認されている。

 パーキンソン病、本態性振戦はいずれも身体の震えを症状とする疾患で、悪化すると生活にも支障が出るケースがある。特に本態性振戦は症例が多く、40歳以上の4%が発症すると言われている。この疾患の抑制について、このシリコンゴムは米国FDAの認可をすでに取得しており、臨床試験では、多くの患者が震えの軽減を示したことが判明した。

 なお、開発されたMBはグループ会社のゼオンナノテクノロジーが販売。HCRヘルスケアコンパウンドはNovationSi社が、「PURmix」ブランドで米国向けに限定販売する予定。この革新的技術が、神経疾患に苦しむ人々のQOL向上に寄与することが期待される。

 

日本ゼオン 中計最終年、目標未達も風土改革に手応え

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2021年1月19日

田中社長「新中計でも積極投資により事業を拡大」

 日本ゼオンは、現中期経営計画「ZS-20 PhaseⅢ」(2017~2020年度)が最終年度を迎えている。米中対立の長期化により事業環境が変調していることに加え、昨年にはコロナ禍も発生し業績に打撃を与える状況だ。

田中公章社長
田中公章社長

 田中公章社長は「『ZS-20』で目標としていた売上高5000億円の達成は厳しい」としたが、「目標に到達するには不連続な成長が必要だ。従業員の中に『やらされ感』を持たないといった意識改革が見られている」とし、同社が原動力としている風土改革に手応えを示した。

 また、コロナ影響による逆風を受けた上期でも、COP樹脂や光学フィルムなどの高機能材料事業は過去最高の収益となり、エラストマー事業でも特徴のある製品は需要が堅調だった。田中社長は

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日本ゼオン 人事(1日)

2021年1月14日

[日本ゼオン・人事](1日)▽グローバル事業管理部長、執行役員兼経営企画統括部門長兼経営管理統括部門長富永哲▽経営管理部長永田篤司▽▽生産革新センター長浅野浩一▽ZΣ推進部長高崎貴裕▽高岡工場長宮城孝一▽徳山工場長渋谷智啓▽同工場副工場長本間彰▽機能性材料研究所長園部健矢▽生産技術研究所長岸川豊昭▽電子材料事業推進部副事業推進部長倉島義博▽エナジー材料販売部長薮内庸介▽エナジー材料技術部長開発信和▽ゼオンケミカルズ米沢社長相村義昭▽ゼオンケミカルズシンガポール社長赤坂昌男▽ゼオン・アドバンスド・ポリミクス社長三原宏志▽ゼオンエフアンドビー社長磯崎豊。