日本化学工業協会は20日、定例となる淡輪敏会長(三井化学社長)の会見を開催した。
4-6月期の経済動向は米中貿易摩擦激化や中国経済の減速の影響を受け、日本の輸出は電子部品や工作機械を中心に減少。また海外需要の影響を受け自動車も悪化している。主要化学企業30社の実績では、収益は十期ぶりにマイナスとなった。淡輪会長は「汎用品は
2019年9月24日
2019年7月17日
日本化学工業協会のSDGs部会は12日、都内において「戦略的情報開示とESG投資(化学企業は、投資家に評価される情報開示を十分にしているか?)」をテーマに勉強会を開催し、関係者約90名が参加した。
地球環境問題が深刻化する中、2015年にパリ協定やSDGsが採択され、環境・社会・企業統治に対する企業の対応が投資の判断材料になってきている。第1部では、化学企業が強みとする環境や社会への取り組みを戦略的な情報開示に役立てることを目的に、各省庁の担当者が説明を行った。
環境省の「環境情報と企業価値に活用するための考え方に関する報告書」は、機関投資家を念頭に、環境情報を企業価値評価に役立てるための基本的な考え方を整理。環境情報の見方(第2章)では、投資家が
2019年6月6日
日本化学工業協会(日化協)はこのほど、「日化協安全表彰」「日化協技術賞」「日化協RC賞」の今年度の受賞者を選定した。
優れた安全活動を実施し、模範となる事業所を表彰する「安全表彰」では、「安全最優秀賞」に昭和電工小山事業所、「安全優秀賞(特別:中小規模事業所)」には、旭化成メタルズ友部工場と昭和ファインセラミックス、三井化学東セロ安城工場、「安全優秀賞(特別:研究所)」には、三井化学アグロ農業化学研究所とJNC横浜研究所が選ばれた。このうち昭和電工小山事業所は、無災害記録時間900万時間、無災害年数7年2カ月を継続中である。
社会全体の発展や環境の改善に大きく寄与した、革新的で優れた科学技術や製品の創出を表彰する「技術賞」については、カネカが「『カネエースMX』の研究開発と工業化」で「総合賞」、クレハが「高分子量ポリグリコール酸の製造技術開発と新市場開拓」で「技術特別賞」を、それぞれ受賞した。
カネカはコアシェルゴム粒子(CSR)のエマルジョンから、粉体を経由せずに一次粒子を熱硬化性樹脂に分散させる独自プロセスを開発。この新しい分散技術を利用し、CSRの構造設計・制御技術を組み合わせることで、ブタジエン系CSRのエポキシ樹脂マスターバッチ「カネエースMX」の工業化に成功した。
クレハは世界で初めてポリグリコール酸(PGA)の工業的な製造技術の開発に成功。最近では、その機械強度と加水分解性を生かして、シェールオイル・ガスの掘削プロセスで使用されるPGA製機器の採用が広がっている。
レスポンシブル・ケア(RC)活動の普及や活性化に貢献した事業所や部門、グループ、個人を表彰する「RC賞」に関しては、「RC大賞」に花王SCM部門、「RC審査員特別賞」に三菱ガス化学新潟工場第一製造部第一化成課と住友化学レスポンシブルケア部(気候変動対応)、「RC優秀賞」にJSR千葉工場と徳山積水工業、三菱ケミカル茨城事業所環境安全部、「RC努力賞」に住友ベークライト静岡工場ビオトープ委員会、日産化学富山工場が選ばれている。
2019年6月4日
三井化学はこのほど、100%子会社の三井化学東セロと三井化学アグロが、日本化学工業協会(日化協)から「安全優秀賞」を受賞し、24日に表彰を受けたと発表した。
三井化学は「安全はすべてに優先する」との経営方針のもと、安全活動を国内外の関係会社へ展開している。今回の受賞は、製造・研究開発に従事する従業員が全員参加で、安全意識向上・安全活動に取り組んだ結果、無災害を継続していることが評価されたもの。
三井化学東セロ安城工場(愛知県安城市)では、無災害記録時間が239万時間、無災害年数21年を継続中。一方、三井化学アグロ農業化学研究所野洲地区(滋賀県野洲市)は、無災害記録時間が305万時間、無災害年数18年を継続中である。
三井化学グループでは、今後もグループを挙げて安全活動を実施し、化学産業への持続的発展と社会に貢献していく。
2019年6月4日
昭和電工は3日、小山事業所が日本化学工業協会による安全表彰において安全最優秀賞に選定されたと発表した。同賞は、化学業界での自主的な保安・安全衛生の推進の一環として、優れた安全活動を実施し模範となる事業所を表彰する制度。
同事業所は、「安全操業は社会貢献企業を目指す当社の最重要テーマ」であることを基本理念に掲げ、事業所で働く全員が協力して安全衛生活動を推進。
設備の本質安全化による潜在リスクの低減、危険体感訓練とその後のフォローによるPDCAを回し安全人間づくりの活動に取り組んでいる。
この結果、無災害記録900万時間、無災害年数7年を継続。設備と人の安全操業両面から企業風土、安全文化を確立している点が評価され、今回の受賞に至った。
また、昭和電工の100%子会社である昭和ファインセラミックスは、安全優秀(特別)賞を受賞。ヒヤリハット、リスクアセスメント、危険予知の3つの基本となる活動に実直に取り組み、無災害記録205万時間、無災害年数27年を継続している。
同社グループは安全とコンプライアンスを基盤とし、経済的価値・社会的価値を創造することによる持続可能な社会への貢献を目指している。今後もグループ一丸となり安全に対するさらなる意識向上と活動の充実を図っていく。
2019年5月28日
日本化学工業協会は24日、都内において定時総会後に懇親会を開催した。
淡輪敏会長(三井化学社長)は冒頭のあいさつで、「昨年度を振り返ると、世界経済はリスクに覆われていたが、今年度はさらにリスクが高まっている状況だ。緩和の期待もあった米中貿易摩擦も長期化の様相を呈している。また、ブレグジットや中東問題など、リスクを挙げれば枚挙に暇が無い。こうした中、しっかりと経営に当たっていかなければならない」と危機感を示した。
日化協では、操業・製品に関わる安全の強化、新たな価値の創造と持続可能な社会の構築への貢献、社会とのコミュニケーション強化、の3つの柱で活動を推進している。
淡輪会長は「昨年はグローバルな課題として、
2019年5月27日
日本化学工業協会(日化協)はこのほど、日本毒性学会内に設立した日化協LRI賞の第5回目の受賞者に、広島大学大学院医歯薬保健学研究科の古武弥一郎教授を決定した。テーマは「化学物質神経毒性の分子基盤解明と毒性評価指標の開発」。
主な受賞理由は2点。1点目は、有機スズなどの神経毒性を有する化学物質が、生体内に存在するグルタミン酸受容体(GluR2)のタンパク質レベルを減少させることを見出すなど、化学物質の神経毒性メカニズムの解明に貢献したこと。
2点目は、化学物質の神経毒性評価で、GluR2の発現低下が評価指標として有用であることを示したこと。この評価指標を用いることでIn vitro(試験管内)での鋭敏な神経毒性の予測評価手法として実用化が期待できる。
LRIとは、国際化学工業協会協議会(ICCA)に加盟している欧州化学工業連盟、米国化学工業協会、日化協の3つの団体によって1999年から運営されているグローバルプログラム。化学物質の安全性を向上させ、不確実性を低減させることを目的に「化学物質が人の健康や環境に与える影響」に関する研究を、長期的に支援する自主活動である。
日化協では2000年からLRIを通じて、年間最大1億円の研究支援を始め、2015年にはLRIの認知拡大と理解促進のほか、優れた若手の研究者、世界をリードするような新しい研究分野を発掘することを目指し、日本毒性学会内に日化協LRI賞を設立した。
なお、授賞式は6月26~28日にアスティとくしま(徳島県立産業観光交流センター)で開催される、第46回日本毒性学会学術年会で行われる。
2019年5月17日
日本化学工業協会は14日、定例の会長会見を開催した。
淡輪敏会長(三井化学社長)は4Q(1-3月期)の景況感について、「化学産業の2月の出荷は大幅な下げとなった。ただし11カ月連続で前年同月を上回っており、失速感はあるものの堅調さを維持している。一方で、総合化学7社の4Qの業績見込みによれば、 “日化協 淡輪会長「循環経済には廃プラ有効利用がカギ」” の続きを読む
2019年3月18日
日本化学工業協会は15日、日本経団連のもとで取り組んでいる「低炭素社会実行計画」の2030年度目標を見直すと発表した。
直近3年間(2015~2017年度)のCO2排出削減量実績が、ともに2030年度の最終目標値を達成していた。新目標は2013年度を基準年度とし、絶対量を697万t(10.7%減)、BAU(Business as usual)比650万t削減としており、2018年度実績から運用を開始する。なお、新目標では指標として、従来のBAU比に絶対量を追加しているが、BAU比指標のみ増えてしまうケースを回避するためだ。
一定の歯止めをかける絶対量指標管理を導入することは、これまでのBAU比指標のみの目標と比べて次元の高い目標であり、化学産業の取組む姿勢を分かりやすく示す意味からも大きな転換となる。今後、両目標の同時達成を目指していく方針だ。
2016年に閣議決定された「低炭素社会実行計画」は、2030年度に2013年度比で26%削減する中期目標を掲げ、各主体が取り組むべき対策や国の施策を明らかにしている。
新たなBAU比目標の水準には、購入電力による排出量削減分を分離したうえで、国の地球温暖化対策計画で化学産業に求められている2030年度削減割り当て分の達成を折り込んだ。その割り当て分は、BAT(実装可能な省エネ先端技術)をベースとした削減に加え、現在開発が進められている革新技術による削減分を含んでいる。
日化協は、目標の達成に向け、会員および賛同企業とともに、CO2排出削減に向け様々な取り組みを継続していく考えだ。
2019年3月18日