日本触媒 化粧品用素材事業で2社と共同開発契約を締結

, , ,

2019年3月6日

 日本触媒は5日、化粧品用素材事業において、ライラックファーマ(札幌市北区)および備前化成(岡山県赤磐市)と共同開発契約を締結したと発表した。医薬品や化粧品などの研究開発を手掛けるライラックファーマとの間では、化粧品用リポソーム素材に関する共同開発契約を締結。

 今回の契約により日本触媒は、ライラックファーマが開発したリポソーム素材、および両者で共同開発するリポソーム素材のマーケティング活動を4月1日から開始する。

 両者はマイクロ流路デバイス「iLiNP」を用いた化粧品用リポソームの工業的生産プロセスの開発および化粧品素材としての高品質リポソームの応用について共同研究を行う。

 なお「iLiNP」とは、北海道大学大学院工学研究院の渡慶次学教授、真栄城正寿助教らが開発し、ライラックファーマが技術導入した独自の設計理論により作られたリポソーム調製専用のマイクロミキサー。原料溶液を流すだけで好みのサイズのリポソームを粒径分布狭く連続的に作ることができる。

 一方、備前化成との間では、栗皮エキスを利用した化粧品用素材の共同開発契約を締結。今回の契約により、日本触媒は備前化成が開発した栗皮エキスの化粧品素材としてのマーケティング活動を開始する。

 備前化成は、医薬品・医薬部外品、機能性食品、健康食品の製造・販売会社であり、主として天然原料から有効成分を抽出した機能性エキスや機能性油脂の製造を行っている。これらの天然有効成分を日本触媒との協働により化粧品用途に展開することに関して、両社合意に至った。

 第1弾として、備前化成の独自技術により製造される栗皮エキスを利用した化粧品用素材の共同開発を開始。日本触媒の研究により、備前化成の栗皮エキスに化粧品素材として特長的な効果効能を見出した。

 これらの成果はパシフィコ横浜で開催される「CITE JAPAN2019」(5月15~17日)にて報告し、本格的なマーケティング活動を開始する。

 日本触媒は2017年度にスタートした後半中期経営計画「新生日本触媒2020 NEXT」において化粧品素材分野を新規事業ターゲットの1つと定めている。ニーズに対応した素材提供による早期の市場参入を目指し、両社との検討を進めていく考えだ。

 

日本触媒の4-12月期 販売数量増などで増収増益

,

2019年2月6日

 日本触媒が5日に発表した2019年3月期第3四半期の連結決算は、売上高が前年同期比10%増の2678億円。営業利益は同2%増の208億円、経常利益は同6%増の266億円、純利益は同8%増の201億円となった。

 売上高は原料価格や製品海外市況の上昇に伴い販売価格を修正したことや、販売数量の増加などにより増収。利益面については、販売価格に比べ原料価格の上がり幅が大きくスプレッドが縮小したが、生産・販売数量の増加による数量効果などで、営業利益は増益。営業外損益が持分法投資利益の増加などにより増益となったことで、経常利益も増益。その結果、四半期純利益も増益となった。

 基礎化学品事業の売上高は同11%増の989億円。 営業利益は製品構成による数量効果があったものの、販管費の増加やスプレッドの縮小などで同3%減の89億円。増収となったのはアクリル酸やアクリル酸エステル、酸化エチレンなど。販売価格の修正などが寄与した。エチレングリコールとエタノールアミンは、販売数量減で減収となった。

 機能性化学品事業の売上高は同10%増の1465億円。 営業利益はスプレッドが縮小したが、生産・販売数量の増加や、販管費の減少などにより同微増の111億円。環境・触媒事業は売上高が同4%増の224億円。営業利益は販売数量の増加や、販管費の減少などにより、同35%増の6億円となった。

《化学企業トップ年頭所感》 日本触媒 五嶋祐治朗社長

, ,

2019年1月10日

 昨年は、日本では甚大な自然災害、世界では米中の貿易摩擦の激化をはじめとした混乱など、不安な事柄の多い年だった。一方、当社では、ベルギーの新プラントの立ち上げや、ささきしょうこ選手の2年ぶりの優勝など明るい話題もあり、努力が報われる前向きな良い年となった。

 当社の主力事業の一つであるSAP事業に、危機感と強い志をもって始めたSAPサバイバルプロジェクトも2年が経過し、さまざまな活動の成果が徐々に出始め、確実に収益貢献してきている。また、昨年はベルギーでのAA/SAP新プラントが商業運転を開始し、さらにインドネシアでのAA新プラント建設も決定した。拡大する世界需要に応えると同時に、収益性を重視した事業拡大を進めている。

 一方では、成長事業・分野へのシフトを掲げ、3分野8領域をターゲットとして絞り込み、さまざまな施策に取り組んでいる。既存事業の製品群でも、需要拡大に応える設備増強や、新たな領域への用途展開も精力的に進めている。

 持続的な成長に向けて、人と組織の活性化、社会からのより一層の信頼獲得、グループ経営の強化を課題として掲げ、仕事革進委員会、サステナビリティ推進委員会を中心に活動を開始している。いずれも「皆が誇れる会社」を目指し、皆が生き生きと働き、その成果が社会からもしっかりと認められ続け、自らも成長し続けることを目的とするものだ。それは、皆さん一人ひとりが〝考動〟を起こすことから始まる。明日は今日よりもっと良くしていこうという気持ちで、あらゆることに臨んでほしい。

 後半中期経営計画の中に、「その最終年度2020年度には、次の10年の確実な成長を見通せる状態を目指す」ことを掲げている。そして、次の年2021年は、当社創立80周年を迎える。この80周年が次の90周年、100周年に確実に繋がるよう、後半中期経営計画の目標をしっかりと達成していこう。

 その過程の中で私たちが志として受け継いでいくべきものが、当社グループの企業理念「TechnoAmenity~私たちはテクノロジーをもって人と社会に豊かさと快適さを提供します~」だ。これは、ESGやSDGsの先駆けとなる理念であり、30年近く前から実践している社会にも誇れる理念だと思っている。収益だけでなく、事業活動を通じて社会へ貢献していくという考え方、今一度この志を再認識し、「新生日本触媒」の進むべき道をきちんと見定めていきたいと思う。

 

日本触媒 人事(12月1日)

2018年11月7日

 [日本触媒・人事](12月1日)▽インドネシアプロジェクト担当、取締役常務執行役員、生産・技術部門管掌、生産本部担当、エンジニアリング本部担当入口治郎▽同プロジェクトリーダー、同本部主席部員北浦正次。

日本触媒の4-9月期 売価修正や販売数量増で増収に

,

2018年11月7日

 日本触媒は6日、2019年3月期第2四半期の連結業績を発表した。売上高は前年同期比12%増の1774億円、営業利益7%減の131億円、経常利益3%増の172億円、純利益8%増の129億円。

 売上高は、原料価格や製品海外市況上昇に伴い販売価格を修正したことや、販売数量が増加したことなどにより増収。利益面では、生産・販売数量が増加したことによる数量効果があったものの、販売価格よりも原料価格の上がり幅が大きくスプレッドが縮小したことなどにより、営業利益は減益。営業外損益は、持分法投資利益の増加などにより、前年同期比14億5000万円の増益となり、その結果、経常利益と純利益は増益となった。

 セグメント別では、基礎化学品事業は、アクリル酸やアクリル酸エステル、酸化エチレンの販売価格修正や販売数量の増加などにより増収。一方、スプレッドの縮小や販管費の増加を受け、全体としては増収減益となった。

 機能性化学品事業は、高吸水性樹脂は、価格改定と販売数量の増加により増収。水溶性ポリマー、塗料用樹脂、粘着加工品、電子情報材料なども販売数量が増加した。生産・販売数量が増加し、販管費が減少したものの、スプレッドの縮小などで、全体としては増収減益となった。

 環境・触媒事業は、自動車触媒、脱硝触媒、リチウム電池材料は増収。プロセス触媒、排ガス処理触媒、湿式酸化触媒、燃料電池材料は販売数量が減少し、全体としては減収となった。営業利益は、プロセス触媒の販売数量が減少したことなどにより、前年同期比で7億6000万円減少し、9200万円の赤字となった。

 通期業績予想については、上期業績が上振れしたものの、下期ではナフサ価格の上昇に伴いスプレッドが縮小することを見込み、5月8日発表の前回予想から売上高を上方修正、営業利益を下方修正した。売上高3700億円(前回予想比200億円増)、営業利益260億円(同10億円減)、経常利益325億円、純利益245億円を見込んでいる。

日本触媒 人事(11月1日)

2018年11月2日

 [日本触媒・人事](11月1日)▽解兼ベルギープロジェクト担当、取締役執行役員、経営企画室長松本行弘▽生産技術部主席部員平尾晴紀。

日本触媒 インドネシア子会社でAA設備を10万t増強

, ,

2018年11月1日

 日本触媒はこのほど、10月29日開催の取締役会で、インドネシア子会社「NIPPON SHOKUBAI INDONESIA(NSI)」でアクリル酸(AA)製造設備(年産10万t)の増強を決議したと発表した。

 2021年3月末に完工し、同年11月に商業運転を開始する計画。完成すると、既存能力14万t/年と合わせ、計24万/年の生産能力となる。設備投資額は約2億米ドル。

 同社のコア事業の1つであるAAは、高吸水性樹脂(SAP)や、アクリル酸エステル(AES)などの原料として、堅調に需要が伸びていく見込み。特に近年、アジア圏でAAの需給バランスは非常にタイトで、この需要に対応して供給責任を果たすため、同社で生産能力の増強について検討してきた。

 その結果、アジア圏に立地していることや、既存設備との相乗効果が見込めることなどを総合的に勘案し、NSIで増設することが最適であると判断した。増設後の同社グループ年間生産能力は98万t/年(国内54万t/年、海外44万t/年)に拡大され、安定供給体制のより一層の強化を進める。