日本触媒は5日、化粧品用素材事業において、ライラックファーマ(札幌市北区)および備前化成(岡山県赤磐市)と共同開発契約を締結したと発表した。医薬品や化粧品などの研究開発を手掛けるライラックファーマとの間では、化粧品用リポソーム素材に関する共同開発契約を締結。
今回の契約により日本触媒は、ライラックファーマが開発したリポソーム素材、および両者で共同開発するリポソーム素材のマーケティング活動を4月1日から開始する。
両者はマイクロ流路デバイス「iLiNP」を用いた化粧品用リポソームの工業的生産プロセスの開発および化粧品素材としての高品質リポソームの応用について共同研究を行う。
なお「iLiNP」とは、北海道大学大学院工学研究院の渡慶次学教授、真栄城正寿助教らが開発し、ライラックファーマが技術導入した独自の設計理論により作られたリポソーム調製専用のマイクロミキサー。原料溶液を流すだけで好みのサイズのリポソームを粒径分布狭く連続的に作ることができる。
一方、備前化成との間では、栗皮エキスを利用した化粧品用素材の共同開発契約を締結。今回の契約により、日本触媒は備前化成が開発した栗皮エキスの化粧品素材としてのマーケティング活動を開始する。
備前化成は、医薬品・医薬部外品、機能性食品、健康食品の製造・販売会社であり、主として天然原料から有効成分を抽出した機能性エキスや機能性油脂の製造を行っている。これらの天然有効成分を日本触媒との協働により化粧品用途に展開することに関して、両社合意に至った。
第1弾として、備前化成の独自技術により製造される栗皮エキスを利用した化粧品用素材の共同開発を開始。日本触媒の研究により、備前化成の栗皮エキスに化粧品素材として特長的な効果効能を見出した。
これらの成果はパシフィコ横浜で開催される「CITE JAPAN2019」(5月15~17日)にて報告し、本格的なマーケティング活動を開始する。
日本触媒は2017年度にスタートした後半中期経営計画「新生日本触媒2020 NEXT」において化粧品素材分野を新規事業ターゲットの1つと定めている。ニーズに対応した素材提供による早期の市場参入を目指し、両社との検討を進めていく考えだ。