ウレタンMDI、春節休暇明けから市況が上昇基調

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2023年2月20日

行動制限の解除で実需が増加、期待先行の一面も

 ウレタン原料であるMDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)は、アジア市況が底を打ち、春節休暇以降から上昇基調にある。2月上旬のスポット市況はモノメリック2275ドル、ポリメリックが1950ドルとなり、大きく落ち込んだ12月からモノメリックで275ドル程度、ポリメリックで35ドル程度も上昇している状況だ。

 中国では、行動制限解除の混乱が落ち着き、春節休暇明けから経済活動が活発化しつつある。ウレタン製品の実需も増加しており、MDIの引き合いが戻ってきている。ただ、需要が本格化してくるには時間がかかると見られ、市況の上昇は期待先行という一面もあるようだ。

 昨年のMDIは、中国ロックダウンの影響により4月以降から市況が下落基調となった。特に、秋以降には、中国政府がゼロコロナ政策を一段と強化したことが重荷となり、スパンデックス(弾性繊維)や靴底といった幅広い用途で使用されるモノメリックの需要が低迷。不動産問題の長期化で、住宅や冷蔵庫の断熱材用途で使用されるポリメリックも需要が盛り上がらず、需給バランスが大きく崩れた。中国に設備を構える海外大手メーカーは、採算重視の姿勢から、稼働調整や新設の稼働を遅らせるなど対応を図ったものの、市況の下落が継続。さらに、12月に入り政府が行動制限を解除したことが、コロナ感染者の急拡大を招き、中国経済が大きく混乱した。これを受けて、MDI市況はモノメリックが2000ドル割れ、ポリメリックが1600ドルを割り込む結果となっている。

 こうした中、年明けから徐々にコロナ禍の混乱が落ち着いたことで、中国経済の回復への期待が高まっている。春節休暇の旅行者も3億人超と2019年の90%の水準にまで戻るなど、人やモノの動きが活発化し、需要の回復を見据えて工場の稼働が上がっているようだ。ただ、『モノメリックは日用品など実需の要素が大きいが、ポリメリックは期待先行の面がある』(大手メーカー)との指摘もあり、不動産問題が解決しない限りポリメリックが足を引っ張り、MDI市況の上値が重くなることも想定される。

 国内大手メーカーである東ソーは、MDIを生産する南陽事業所、スプリッター拠点である中国・瑞安工場ともフル稼働を継続しているが、交易条件の悪化や原燃料価格の高騰により収益が大きく圧迫され、今年度のクロール・アルカリ事業は営業赤字を見込む。ただ、年明けから中国市場が持ち直してきたことに加え、高騰していた石炭価格が急落するなど事業環境の潮目が変わりつつあることから、第3四半期の決算発表では、業績予想を据え置いた。今後、春にかけて海外大手メーカー定修が予定されており、想定以上に需要が出てくれば市況が押し上げられる可能性もあり、今後の市場動向が注目される。

 

東ソーの4-12月期 増収減益でクロアリは赤字転落

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2023年2月6日

 東ソーは3日、2023年3月期第3四半期(4-12月期)の連結業績を発表した。売上高は前年同期比19%増の7946億円、営業利益45%減の589億円、経常利益37%減の723億円、純利益40%減の463億円と増収減益だった。

 電話会見で米澤啓取締役常務執行役員は

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東ソー 塩酸を来月値上げ、用役費など高騰で採算是正

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2023年1月24日

 東ソーは23日、塩酸を2月21日出荷分から「8円/kg以上」値上げすると発表した。

 同社はこれまで、対象製品の事業採算性改善に向けて様々なコスト削減策を実施してきた。しかし、ユーティリティコスト、物流費、設備の維持・更新および修繕費など、塩酸の製造・販売に関わるコストは大幅に上昇しており、事業採算が著しく悪化している。こうした状況下、国内需要に対し安定生産・安定供給を継続するためには、価格改定が必要と判断した。

 

東ソー 液体塩素を値上げ、「20円/kg以上」で実施

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2022年12月22日

 東ソーは21日、液体塩素を2023年1月25日出荷分から「20円/kg以上」値上げすると発表した。対象製品については、国内需要が堅調な中で国内市場は今後もタイトに推移すると想定されている。

 一方、修繕費などの固定費、ユーティリティコスト、物流費といった同製品の製造・販売関連コストは大幅に上昇しており、同社の事業採算は著しく悪化している。

 同社は国内電解メーカーとして、これまで国内の取引先に対し、液体塩素の安定供給に努めてきたが、こうした状況下、国内需要に対して安定生産・安定供給を継続するためには、今回の価格改定が必要と判断した。

出光など5者 周南市で植林、木質バイオマス材生産実証

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2022年12月19日

 山口県周南市と出光興産、東ソー、トクヤマ、丸紅の五者は16日、木質バイオマス材生産共同実証事業の一環として 同市戸田(へた)地区にある向嶽(むかいだけ)にて早生樹種などを植林したと発表した。

植林セレモニー=12月15日

 樹種と植林面積は、

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東ソー ポリ塩化アルミニウム値上げ、来年2月から実施

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2022年12月19日

 東ソーは16日、ポリ塩化アルミニウム(PAC)を2023年2月1日出荷分から値上げすると発表した。改定幅は、ローリー納入品が「7円/kg以上」、キューブインボックス品が「10円/kg以上」。

 同社はこれまで、事業採算性改善に向けてあらゆるコスト削減策を実施し、製品の安定供給に努めてきたが、近年の原燃料価格高騰と製造設備・物流コストの上昇により、対象製品の事業採算は大幅に悪化している。こうしたコストの上昇は、自助努力のみでの吸収が困難な状況であることから、今後の事業継続と安定供給維持のため価格改定の実施を決めた。

 

東ソー トルエンとキシレン値上げ、採算是正で来年から

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2022年12月12日

 東ソーは9日、トルエンとキシレンを2023年1月1日納入分から、フォーミュラ価格のベースアップとして「10円/kg」値上げすると発表した。

 同社は、これまで事業採算性改善に向けてあらゆるコスト削減策を実施し、製品の安定供給に努めてきたが、近年の修繕費用増加などによる固定費の上昇、ユーティリティコストの上昇により、対象製品の事業採算が大幅に悪化している。

 こうしたコストの上昇は、自助努力のみでの改善には限界があることから、今回、安定供給継続のため価格改定の実施を決めた。

総合化学大手 4-9月期業績、各社が大幅な減益

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2022年11月11日

原燃料高と需要減速が要因、通期業績も下方修正

 総合化学大手5社(三菱ケミカルグループ、住友化学、三井化学、旭化成、東ソー)の上期(4-9月期)業績は、事業環境が急変したことを受け、前年同期比で大幅な減益となった。

 原燃料価格の高騰、

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