東海カーボン ファインカーボンを値上げ、コスト上昇に対応

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2021年8月31日

 東海カーボンは30日、ファインカーボン全製品(グループ会社の同製品を含む)について10月から値上げすると発表した。改定幅は「現行価格の10%」。

 輸送費、燃料費など製造費用が継続的に上昇している。同社は、拡大する需要に応えるため設備投資を進めているが、自助努力によるコスト削減だけでは吸収することが困難となり、今後の安定供給継続のために今回の値上げを決定した。

 

 

東海カーボン フランス新興電池メーカーのプロジェクトに参画

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2021年7月9日

 東海カーボンは8日、ドイツ子会社であるトーカイ・コベックス(TCX)が、そのフランス子会社TCSを通じフランスの新興電池メーカーであるベルコア社が主導するEV用電池開発プロジェクトに参画すると発表した。

 東海カーボンは、急激に高まりつつある欧州でのEV需要に対応すべく、2006年以来日本で積み重ねてきた技術の蓄積を元に、TCSでのリチウムイオン電池用負極材の研究開発に取り組んでいる。これは黒鉛製品の既存生産設備を活用し負極材を生産する革新的な取り組みとなる。なお、TCSは、今年1月に欧州共通利益に適合する重要プロジェクト(IPCEI)の当該補助金対象企業(総数42社)に唯一の日系企業として認定されている。

 ベルコア社のEV電池開発プロジェクトには自動車メーカーのルノーとフランス企業数社が資本参加しており、素材メーカー・電池メーカー・自動車メーカーの共同体制のもと、2024年にはギガファクトリーの建設を目指している。

 東海カーボンは今回のプロジェクトへの資本参加により、各社と共同でCO2排出量の少ない高性能電池の開発に携わりながら負極材を供給することを目指していく。

東海カーボン ローリング中計を発表、成長軌道へ回帰

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2021年5月17日

 長坂社長「海外拠点とのシナジー効果を最大化」

 東海カーボンは11日、ローリングプラン中期経営計画「T-2023」(2021~2023年度)を発表した。オンライン会見において長坂一社長は「社長に就任してからの2年間は構造改革に注力し、2017以降は総額1800億円のM&Aを実施し成長戦略に取り組んできた」と振り返り、「グローバル競争に勝ち残るため、ここでいったん立ち止まり、海外を中心に急拡大したビジネスの足元を固める。新たに獲得した海外拠点とのシナジー効果を最大化し、収益を上げていく」と語った。

 同社は、全体最適による統合効果創出の布石をすでに打っている。黒鉛電極では、米国拠点を充実させ、地産地消化を推進。精錬ライニング事業は、買収した欧州2拠点(ポーランドとフランス)の間で生産品目の最適化を図るとともに、押出材を仏拠点に集約しコストの引き下げを狙う。また、LIB用負極材の製造ノウハウも仏拠点に移管し、EVの成長が見込まれる欧州市場での生産拠点にしていく。今年から順次これらの効果が現出する見込みだ。

 事業ポートフォリオの改善では、コロナ禍で主要製品の黒鉛電極とカーボンブラック(CB)がダメージを受ける中、精錬ライニングやファインカーボン(FC)事業が確実に成長しており、「今では電極やCBの収益安定が課題」との見方を示した。事業環境については、「中国や欧米では想定以上に経済回復が見られる。鉄鋼、自動車、半導体、アルミ関連などの対面業界は力強く回復しており、さらに今後発展していく」と見通した。

 一方、新中計のチャレンジとして、脱炭素とウィズコロナを挙げた。「これらは長期的に世界を大きく変えるテーマだ。当社自身も変わらなければならない」とし、具体的な対応策については、中計期間内に同社の強みや社会的意義を再定義し、足元の経営戦略へつなげる。脱炭素については、社長をリーダーとした「カーボンニュートラル推進プロジェクト」を5月に発足。CN社会実現に向けて、グループの低炭素・脱炭素対応を組織横断的な取り組みとして推進していく考えだ。

 「T-2023」の基本方針として、①主力事業の成長軌道回帰、②事業ポートフォリオの最適化、③連結ガバナンス体制強化を掲げ、最終年度の定量目標は、売上高3200億円、営業利益570億円、ROS18%、EBITDA860億円を目指す。

 ①の戦略において、黒鉛電極は「絶好調の状況に近づきつつあり、市況回復の条件が整ってきた」としたが、本格的な回復は2022年以降を見込む。CB事業は堅調に推移すると想定するも環境負荷が高いため、「環境投資費用を製品に転嫁する価格戦略が重要になる」と指摘した。

 ②の戦略において、FC事業は、半導体市場とPV(太陽光発電)市場が成長する中、韓国子会社の生産能力の拡大を図るとともに、高付加価値品市場に注力していく。精錬ライニング事業は、買収した2社をTCX社に統一。顧客データの一元化、製造技術の共有、システムの統合による生産・販売・関係管理の一体化に取り組み、シナジー効果に期待する。工業炉については、好調なMLCC(積層セラミックコンデンサ)およびLIB業界で確固たる地位を継続。次世代炉の開発に注力し、2023年には売上200億円、営業利益50億円に収益を拡大させる考えだ。

 3年間の営業キャッシュフローは累計1500億円を見込み、配分として、設備投資に660億円、債務圧縮に370億円を計画。M&A・アライアンスといった戦略投資も積極的に行っていく意向を示した。

 

東海カーボン カーボンブラック製品を5月から値上げ

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2021年4月13日

 東海カーボンは12日、カーボンブラック全品種(輸出を含む国内工場出荷)について、5月1日納入分から値上げすると発表した。改定幅は、「26.8円/kg」。

 カーボンブラックの原料油価格上昇に伴い、大幅にコストが増加している。同社は、自助努力によるコスト削減だけでは吸収することが困難であり、今後の安定供給継続のためにも、今回の値上げが避けられないと判断した。

東海カーボン 中計発表を5月に延期、現時点で見通せず

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2021年2月18日

長坂社長「今年後半から、電極事業は回復傾向に」

 東海カーボンはこのほど、決算説明会において中期経営計画「T-2022」(2020~2022年度)の進捗状況を説明した。同社は、コロナ禍により経済の先行き不透明となっていることから、中計を年次で見直す方針を取っている。長坂一社長は「ミクロ・マクロの両面で事業環境を見直す」とし、ローリング中計「T-2023」(2021~2023年度)については5月を目途に改めて発表する考えを示した。

 続いて、中計の進捗について説明。3つの基本方針である収益基盤の強化、成長機会の拡大、連結ガバナンス体制構築に引き続き注力するとし、成長市場への戦略投資で行ったM&AのPMI(経営統合)の進捗を示した。

 電極事業は回復が遅れているとしたが、「世の中の景気を見ると鉄鋼生産だけでなく全体が

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東海カーボンの1-12月期 減収減益も来期躍進見通し

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2021年2月12日

 東海カーボンは10日、2020年12月期(1-12月期)連結決算の電話会見を行った。売上高は前年同期比23%減の2015億円、営業利益86%減の79億円、経常利益88%減の63億円、純利益97%減の10億円となった。主力の黒鉛電極とカーボンブラック事業の対面業界である鉄鋼とタイヤ産業の大幅需要減が要因だが、米国タイヤ需要回復などで第3四半期以降大きく反転した。佐藤昭彦財務経理部長は「コロナ禍でも中計の基本方針にのっとり、 “東海カーボンの1-12月期 減収減益も来期躍進見通し” の続きを読む