理研 エタノール投与で植物の高温耐性が強化、成長促進

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2022年7月21日

 理化学研究所はこのほど、植物へのエタノール投与により高温ストレス耐性が強化されることを発見した。地球温暖化による植物の高温ストレスによる収量低下と、今後の人口増加の予想から、食糧不足が懸念される。

 理研はこれまで、

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理研など 藻類の太陽光エネルギー吸収機構を解明

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2022年7月15日

 理化学研究所、東北大学、大阪公立大学、熊本大学、豊橋技術科学大学の共同研究グループはこのほど、太陽光エネルギーを高効率に吸収する藻類の光捕集タンパク質複合体「フィコビリソーム」の立体構造を明らかにし、光吸収機構を解明した。

 好熱性シアノバクテリアの

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ユーグレナら 藻類細胞サイズ・形状・成分量を高速測定

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2022年7月8日

 ユーグレナ、奈良先端科学技術大学院大学と理化学研究所はこのほど、ユーグレナ(和名:ミドリムシ)の細胞サイズと含有成分の変化をインピーダンス信号測定で高速計測できるマイクロ流体デバイスを開発した。

 近年、植物や微生物の光合成を

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理化学研究所 光で誘電率を大幅に自在制御できる液晶性強誘電体

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2022年4月21日

 理化学研究所は、光で比誘電率を大幅に制御できる光応答性の強誘電性ネマチック液晶材料を開発した。

 強誘電性は不揮発性メモリなど

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理化学研究所 PEM型水電解用の非貴金属・耐酸性触媒を開発

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2022年3月28日

 理化学研究所の日中共同研究チームはこのほど、酸性環境で駆動する世界最高の活性と安定性を兼ね備えた非貴金属材料触媒「Co2MnO4(Co:コバルト、Mn:マンガン、O:酸素)」の開発に成功した。

 水の電気分解による水素製造において、

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理研など 計算値データの機械学習で不斉触媒設計に成功

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2022年3月23日

 理化学研究所と金沢大学の共同研究グループはこのほど、遷移状態計算と機械学習を併用した高選択性不斉触媒の計算機上の設計に成功した。

 分子の立体構造は生物活性に大きく影響するため、医農薬品開発などには、

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東工大など 金属硫化物CO2還元電極触媒の設計指針

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2022年3月15日

 東京工業大学と理化学研究所、海洋研究開発機構の共同研究グループはこのほど、金属硫化物を使ったCO2電解還元触媒の新たな設計指針を見出だした。

 CO2から有用化学物質をつくるCO2の電気化学的還元が注目されるが、

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東京大学と理化学研究所 高性能な液晶性有機半導体を開発

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2022年3月10日

 東京大学と理化学研究所はこのほど、分子配列の秩序と乱れが共存した高性能な液晶性有機半導体を開発し、電子線結晶構造解析により液晶凍結状態であることを確認した。

 有機半導体は軽量・柔軟・塗工可能で、

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理化学研究所など 迅速な自己修復性ポリマーの開発に成功

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2021年12月10日

 理化学研究所と大分大学の共同研究チームはこのほど、2種類の極性オレフィンとエチレンの精密三元共重合により迅速な自己修復性能を示すポリマーの創製に成功した。

 従来の自己修復性材料は、水素結合やイオン相互作用などを利用するため、水や酸などで壊れやすく、自然環境下ではほとんど機能しない。同グループは以前、独自の希土類触媒により、優れた自己修復性能を示すエチレンとアニシルプロピレン類の二元共重合ポリマーを開発。アニシルプロピレン上の置換基が物性や自己修復性に影響するため、今回、置換基の異なる二種類のアニシルプロピレン(ヘキシルアニシルプロピレン、メトキシアリールプロピレン)とエチレンとの三元共重合に取り組んだ。

 スカンジウム触媒・エチレン一気圧の条件下、一段階で高分子量ポリオレフィンとなり、伸び率約1400%、破断強度約3M㎩のエラストマー物性を示した。構造解析と物性測定の結果、「ヘキシルアニシルプロピレン・エチレン」交互ユニットが柔軟成分、「エチレン・エチレン」の固い結晶ユニットと「メトキシアリールプロピレン・エチレン」交互ユニットが物理的架橋点として働く、三元共重合体であることが分かった。

 切断面をくっつけると、これら架橋点が分子間相互作用で再凝集して自己修復する。大気中では5分で引っ張り強度が97%回復し、対応する二元共重合体の5日間に比べて大幅に短縮した。水や酸、アルカリ性水溶液中でも、48時間程度で自己修復した。ヘキシル基の導入で柔軟成分が動きやすくなり、メトキシアリール基の導入で架橋点が増えたためであると考えられる。また、2種類のアニシルプロピレン類の組成比を変えることで、ガラス転移点をマイナス31℃~98℃の任意の温度で制御できた。

 今回の成果は、今後の自己修復性材料の設計・開発に重要な指針を与えるものだ。このポリマー合成は簡便で、置換基の種類やモノマー組成比によって熱物性・機械物性を制御できるため、様々な環境下で自己修復し、実用性の高い新規機能性材料の開発への貢献が期待される。

理化学研究所 無溶媒で超分子ポリマーの精密重合に成功

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2021年12月2日

 理化学研究所はこのほど、フタロニトリル分子からフタロシアニンの超分子ポリマーを無溶媒条件下で合成することに成功した。超分子ポリマーはモノマーが非共有結合で連結したもので、モノマーにまで切断・再利用できるため、持続可能な社会の実現に向けて有望だ。

 一般に、超分子ポリマーは溶媒中で生成させる。無溶媒条件で生成した超分子ポリマーは、その構造を保ったままで使用できるメリットはあるが、反応が不均一になりやすく、鎖長や異種モノマーの順番をそろえた精密合成は不可能だと考えられてきた。

 今回、アミド含有ジチオアルキル基を2個もつフタロニトリル分子を合成。それをガラス板に挟み、160℃で溶融させると、緑色の繊維状結晶が生成し成長した。紫外可視光吸収測定とマトリックス支援レーザー脱離イオン化質量分析により、フタロニトリル4分子が環化してできたフタロシアニンで構成されていることが分かった。

 偏光顕微鏡観察から高い結晶性をもつこと、粉末X線回折、X線小角散乱、制限視野電子回折による構造解析から、フタロシアニンがアミド同士の水素結合を介して一次元に連結した超分子ポリマーであることが分かった。また、金属塩を共存させると、金属フタロシアニン単独の超分子ポリマーが生成した。

 フタロニトリルの加熱とともに、フタロシアニンの吸収波長700㎚の光吸収が増加。その増加挙動から、フタロシアニンが自己触媒的に生成している可能性が示された。190℃24時間加熱後のフタロシアニン収率は83%で、通常の液相合成の20~25%に比べて極めて高い。これは、ポリマー末端のフタロシアニン上に四つのフタロニトリルが水素結合と双極子相互作用で環状に配列する「自己触媒作用」のためだと考えられる。

 これはリビング重合であり、フタロシアニンと金属フタロシアニンの順番や長さを精密に制御したブロックコポリマーを合成することも可能だ。通常の化学合成では反応を均一にするために大量の溶媒が使われるが、この反応系に溶媒を用いると、これらの特性は発現しない。

 今回の結果は、ポリマーの精密合成に対する先入観を一掃し、持続可能な社会の実現に向けた理想的なポリマー製造プロセスの姿を示すもので、大きなインパクトを与えるものだとしている。