日本ゼオン COP能力を増強、光学フィルムなど需要増に対応

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2019年10月1日

 日本ゼオンは30日、水島工場(岡山県倉敷市)での熱可塑性透明樹脂シクロオレフィンポリマー(COP)の生産能力増強を決定したと発表した。

 COPの「ZEONEX」と「ZEONOR」は液晶テレビ・スマートフォン・医療容器などの主要用途で需要が拡大しており、今後さらなる需要増が見込まれている。今回の増強により、年産能力は現行の3万7000tから4万1600tへと拡大する見通し。2020年度中の着工、2021年7月の完工を目指す。

 同社のCOPは、優れた光学的・化学的性質を持ち、光学フィルム、光学レンズから医療・バイオテクノロジーの分野に至るまで幅広く利用され、高い評価を得ている。

 特に、独自で開発した溶融押出法により自社加工している光学フィルム「ZeonorFilm(ゼオノアフィルム)」は、ディスプレイの大型化に伴う市場拡大に合わせ、近年、フィルム生産能力を相次いで増強してきた。

 これに加えて、レンズ・医療用途についても堅調な伸びを示しており、COP全体の需給バランスが逼迫することが予想されていた。今回の増強はそれらの需要増に対応するものとなる。

 同社はこれからも、COPの安定的な供給体制を確保しながら、産業発展に尽くしていく考えだ。

三菱ケミカル インドネシアでポリエステルフィルム設備増強

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2019年9月11日

 三菱ケミカルは10日、インドネシアの100%子会社PT.MC PET Film Indonesia(MFI)で、ポリエステルフィルムの生産能力増強を行うことを決定したと発表した。投資額は約1億3千万ドルで、2021年末の完成を予定している。

 ポリエステルフィルムの市場は、従来から同社主用途であるディスプレイなどに使用される光学用途分野が、今後とも成長を継続する見通し。さらに、自動車の電子化、5G対応のための基地局増加や通信機器の高度化などを背景とした積層セラミックコンデンサ(MLCC)を始めとする電子部品の急増に伴い、それらの製造工程向けの需要の成長も著しいものがある。

 MFIでは、こうした市場の旺盛な需要を満たすため、これまでも既存プラントの効率的な運用などで対応してきた。しかし今後さらなる需要拡大が予測されることから、今回、既存設備に加え、年産2万5000t規模の製造ラインを新設することを決定した。

 三菱ケミカルは、日本、中国、インドネシア、米国、ドイツの5拠点で光学用途、工業用途や包装材料用途向けポリエステルフィルムを製造。現在では、欧州で主に工業用途向けポリエステルフィルムの需要が大きくなっており、生産体制の拡充を検討している。

 その他の地域についても、用途ごとの需要に応じて生産体制を拡充し、ポリエステルフィルムのリーディングカンパニーとして積極的な事業展開を図っていく考えだ。