旭化成など6者は24日、水素製造の実証試験を行う「福島水素エネルギー研究フィールド(FH2R)」で製造された水素を、ロックバンド「LUNA SEA」のコンサートに提供すると発表した。提供する水素は燃料電池自動車(FCV)に充填。FCVが発電を行い、コンサートで使用される全ての楽器に電気を供給する予定となっている。
再生可能エネルギーを利用した世界最大級の水素製造施設「FH2R」には、旭化成のほか、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、東芝エネルギーシステムズ、東北電力、東北電力ネットワーク、岩谷産業が参画、低コストでクリーンな水素製造技術の確立を目指している。
FH2Rは今年2月、福島県浪江町にて開所し、水素製造の実証試験を開始。現在、同施設で製造した低炭素水素は、主に圧縮水素トレーラーやカードル(ガス貯蔵容器)を用いて、定置式燃料電池向けの発電用途として、福島県内の需要先へ供給試験を開始している。
こうした中、ロックバンド「LUNA SEA」が、さいたまスーパーアリーナで開催(12月26、27日)するコンサートに、FH2Rの低炭素水素が活用されることとなった。FH2Rから搬送された低炭素水素は、岩谷産業が運営する「イワタニ水素ステーション群馬高崎」で、FCVへ充填し、コンサート会場へ運搬された。
今後も6者は、FH2Rでの取り組みを通じ、水素エネルギーの普及拡大に向けた情報発信を進めていく考えだ。