積水化学 長期ビジョンを始動、ESG経営に注力

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2020年11月13日

加藤社長「持続的社会を実現する好循環を創出」

 積水化学工業は11日、「サステナブルな社会の実現に向けて~積水化学グループのイノベーションによる社会課題の解決~」をテーマに、オンラインによる記者会見を開催した。

加藤敬太社長
加藤敬太社長

 同社は今年、新たな長期ビジョン「Vision2030」と中期経営計画を始動。ESG経営を中心に置いた革新と創造により、2030年に業容倍増(売上高2兆円)を目指している。加藤敬太社長は、「当社は創業以来、SDGsそしてESGを中心としたビジネスを進め、イノベーションを通じ社会課題解決に貢献してきた。この姿勢は10年先も変わらない。コロナ禍によって、むしろ

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積水化学工業 難燃性ウレタン樹脂組成物、特許権侵害で提訴

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2020年11月9日

 積水化学工業は6日、建築物断熱用吹付け硬質ウレタンフォーム「アクアモエン」の製造・販売などを行う日本アクア(東京都港区)に対し、特許権侵害に基づく差止めおよび損害賠償を求める訴訟を、先月14日、東京地方裁判所に提起したと発表した。積水化学がもつ難燃性ウレタン樹脂組成物に関する特許権(特許第6200435号)を侵害したと判断したもの。

 同社は「知的財産権を重要な経営資源と位置付けており、当社の知的財産権を保護するために、今後も必要な措置を講じていく」とコメントしている。

積水化学工業の4-9月期 減収減益も利益は回復傾向に

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2020年10月30日

 積水化学工業は29日、2021年3月期第2四半期(4-9月期)の連結決算を発表した。売上高は前年同期比12%減の4900億円、営業利益47%減の221億円、経常利益52%減の204億円、純利益57%減の127億円となった。

 同日オンラインで開催された決算会見の中で、上脇太専務執行役員は、「コロナ影響による自動車や航空機の需要低迷、工事遅延、新設住宅着工数減少などにより減収減益となった。ただ、

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積水化学 サステナブルなまち第2弾、東松山で販売開始

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2020年10月22日

 積水化学工業はこのほど、同社が取り組むまちづくり「SEKISUI Safe&Sound Project」の一環として、「東松山リードタウン」(埼玉県東松山市)の販売を開始した。

 同県朝霞市で進める「あさかリードタウン」に次ぐ第2弾と位置づけ、まちの地下部分は雨水貯留システム「クロスウェーブ」など、同社のインフラ技術で基盤を整備し、地上部分は太陽光発電システムや蓄電池を搭載した同社ブランド「スマートハイムシティ(戸建て分譲地)」や「ハイムスイート(分譲マンション)」で構成。コンセプトに掲げる安心・安全で、環境にやさしい、サステナブルなまち・住まいの提供を目指す。

 東武東上線「東松山駅」東口から徒歩2分に立地する約6100平米の敷地に、戸建て分譲住宅23区画(建売分譲・建築条件付き)、地上12階建て分譲マンション105戸を予定。15日から建築条件付き土地の販売を開始した。

 『東松山リードタウン』のイメージ
「東松山リードタウン」のイメージ

 

積水化学 鉄道枕木向け合成木材の生産工場をオランダに設立

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2020年10月21日

 積水化学工業は20日、環境・ライフラインカンパニーが、ガラス長繊維強化プラスチック発泡体「FFU」製枕木の生産工場をオランダに設立すると発表した。2021年度上期に着工し、2022年度下期から生産を開始する予定で、これによりFFU製枕木の生産能力はこれまでの1.8倍に拡大する。

合成木材「FFU」オランダ工場イメージ
合成木材「FFU」オランダ工場イメージ

 「FFU」は、軽量でありながら、耐久・耐候性、加工性に優れており、天然木材とプラスチックの長所を兼ね備えた合成木材。これまで様々な用途に展開してきたが、鉄道の枕木用途では採用から今年で40年を迎えており、日本国内では多くの鉄道会社が採用している。

合成木材「FFU」ドイツ国鉄での採用事例①
合成木材「FFU」ドイツ国鉄での採用事例①

 また海外でも、2003年に初受注を獲得して以降、鉄道大国であるドイツ、イギリスなど需要が見込まれる欧州を中心に事業規模を拡大。2017年には、EBA(ドイツ連邦鉄道庁)の本認証を取得するなど、欧州各国をはじめ、米国、オーストラリア、中国など世界31カ国で販売実績をもっている。

 一方、近年では、環境配慮から高品質な木材の調達が難しいことに加え、木材の防腐剤として使用されるクレオソート油が、発がん性の危険からEUで使用が禁止(鉄道分野は2023年)された。こうした背景により、木製枕木の代替品として樹脂製枕木の導入が世界中で進んでおり、「FFU」では、特に軽量・高耐久が求められる分岐部や橋梁部分での採用が拡大している状況だ。

合成木材「FFU」ドイツ国鉄での採用事例②
合成木材「FFU」ドイツ国鉄での採用事例②

 現在、同社はFFU製枕木の生産を、ほぼ全量滋賀栗東工場で行っているが、海外市場の需要増により生産能力の向上や納品期間の短縮が必要となってきた。海外での鉄道分野最大の需要地である欧州に生産工場を設立し、さらなる事業拡大とグローバル化を推進していく。オランダのグループ会社SEKISUI ESLON内に、FFU製枕木の原木を生産する工場を新設(延床面積4400㎡)。また、市場・顧客ごとに製品仕様が異なるため、販売先の近傍で加工パートナーと提携し、欧州需要に対応する。

 同社は、欧州での生産開始により、海外鉄道会社からのさらなる採用拡大を図り、FFU製枕木を柱とする機能材事業で、2030年度の海外売上高100億円を目指す方針だ。

積水化学 あさかリードタウンに住宅型有料老人ホーム開設

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2020年10月19日

 積水化学工業はこのほど、住宅カンパニーのグループ会社であるヘルシーサービスが、住宅型有料老人ホーム「ガーデンコート朝霞」(埼玉県朝霞市)を、11月1日から開設すると発表した。

 「ガーデンコート朝霞」は、積水化学グループが「SEKISUI Safe & Sound Project」として広域的に開発を行っている複合大規模タウン「あさかリードタウン」の一角に位置する。「あさかリードタウン」はマンションや戸建て住宅に加え、子育て支援施設から高齢者介護施設まで整備され、幅広い世代の人が安全かつ快適に生活できるハード、ソフトを提供するサステナブルタウンへと進化している。

 「ガーデンコート朝霞」の運営は30年以上の認知症ケアの実績があるヘルシーサービスが担い、また、積水化学製の高精度起き上がりセンサーを活用するなど、グループの技術力、知見を結集した安心・安全・快適な暮らしを提供する住宅型有料老人ホームとなっている。

 特長として、①「あさかリードタウン」内で子育て支援施設から高齢者介護施設まで整備、②「DXと人の手のぬくもり」を融合させ際立ちの安全サステナブルな介護を実現、③「話食動眠」のコンセプトの下での認知症予防・重症化予防、が挙げられる。「ガーデンコート朝霞」は、鉄筋コンクリート造5階建てで、居住戸数は31戸。賃料は6万5000~7万400円(管理費:5万6100円)となっている。

ガーデンコート朝霞
ガーデンコート朝霞

積水化学 マンション管理業務、合人社計画研究所と合弁に

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2020年10月13日

 積水化学工業は12日、住宅カンパニーが、合人社計画研究所(広島市中区)との業務提携を目的とし、子会社であるセキスイタウンマネジメントの株式の一部を10月1日に譲渡したと発表した。

 今回の業務提携、株式譲渡にあたり、セキスイタウンマネジメントの社名を「セキスイ合人社タウンマネジメント」に社名変更し、出資比率は、積水化学66.625%、合人社計画研究所33.375%となる。今後、積水化学が手掛ける分譲マンションについて、その管理業務を合弁会社で受託することを軸に、アライアンスによるシナジー発現を目指して取り組んでいく。

 積水化学は、分譲マンションブランド「ハイムスイート」を手掛け、合人社グループは、グループ受託戸数24万戸を超える分譲マンション管理実績、これまでに積み重ねたノウハウと経験をもつ。両社が強固なアライアンスによって共同で業務を行い、シナジーを発揮しマンション管理業を展開していく。これにより、顧客満足度の向上、リフォームや住み替えなどの住宅事業全体へのシナジー効果だけでなく、積水化学グループが目指すESG経営の実践も目指す。

積水化学 1000mの長尺クラフトテープを本格販売開始

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2020年10月12日

 積水化学工業の高機能プラスチックスカンパニーは、機能テープ事業の主力製品であるクラフト紙を基材としたクラフトテープの長尺品(1000m巻)を今月から本格的に販売開始すると発表した。

クラフトテープ従来品との比較。左から1,000m巻(新製品)、500m巻、50m巻
クラフトテープ従来品との比較。左から1,000m巻(新製品)、500m巻、50m巻

 クラフトテープは、主に段ボール組み立てなどの用途として、食品・物流業界を中心に使用され、業界の標準品としては最長は500m巻だったが、今回業界で初めて1000m巻を標準品として販売する。海洋プラスチック問題を背景に高まるプラスチック使用量低減などの環境配慮ニーズや、通販市場が拡大する食品・物流業界での製造現場の自動化・効率化ニーズに対応していく考えだ。

 クラフト紙を基材とするクラフトテープは、バイオベース率が56%を占め、プラスチックを基材としたOPP(延伸ポリプロピレン)テープと比較して使用プラスチック量の大幅な削減につながる。併せて、石油資源の使用を抑えた材料や生産方法の採用により環境にやさしいテープを実現。同社の汎用OPPテープとの比較では、製品ライフサイクルでの炭酸ガスの発生量を約86%削減する。

 また、長尺のため自動テープ貼り機(製函機・封緘機)へのテープ補充の手間を軽減できることから、現場作業員の業務効率化や現場拘束時間の削減に貢献し、ソーシャルディスタンスを取ることができる環境づくりへの寄与も期待される。テープ幅は38mm(重量約4.3kg)と50mm(同約5.7kg)の2種類をラインアップした。

積水化学 コミュニティZEHを推進、全国の分譲地に展開

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2020年10月8日

 積水化学工業の住宅カンパニーはこのほど、国が推進するコミュニティZEHの考えを取り入れ、レジリエンスを強化した分譲地「スマートハイムシティ&プレイス」を全国で順次展開すると発表した。

 住宅カンパニーでは、環境・社会課題解決による「顧客価値」と、利益ある成長による「事業価値」の両立で、ESG経営を推進。スマートハイムシティにコミュニティZEHを展開することでCO2排出量削減などにより環境負荷軽減に寄与するだけではなく、防災拠点となる分譲地を全国へ広く展開し、地域社会へ貢献する。

 国は災害の激甚化・頻発化を背景に、今年から「コミュニティZEHによるレジリエンス強化事業」に基づき、停電時でも自立的に電力の供給が可能なZEHを活用した地域防災拠点の整備を促進し、自然災害などに伴う長期停電リスクを回避可能な住宅モデルを推進している。

 地域コミュニティで太陽光発電システム(PV)や蓄電システムを搭載したZEH+やZEH+Rを満たす住宅の余剰電力を、停電時に広く地域住民に提供し、地域住民はその電力で電気機器の充電などができる。ZEH+やZEH+Rを多数建築する同社はこの考えに共感し、コミュニティZEHの考えを取り入れた分譲地を広く展開する。なお、今年度、同事業に採択された15件のうち、同社の手掛ける分譲地が11件を占めている。

 一方、近年多発している自然災害への備えとして、各家庭での対策だけではなく地域住民同士で支えあう「共助」が改めて注目されている。地震や災害が発生した際にも住民同士でスムーズな対応が行えるよう、「コミュニティZEHによるレジリエンス強化」では「共助」の考え方を取り入れている。日頃から停電時に利用可能な電気機器や時間帯などを地域住民と情報共有することで、停電時の円滑な電力提供はもちろんのこと、住民同士のコミュニケーションを促し地域コミュニティの形成もサポートする。

 同社は今年度、国のコミュニティZEHの推進を受けて、7つの販売会社、11カ所の分譲地で「コミュニティZEHによるレジリエンス強化」を展開し、住民同士が助け合えるまちづくりを推進していく。

積水化学 オランダの放熱材料工場、10月から量産を開始

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2020年10月1日

 積水化学工業は30日、連結子会社である積水ポリマテックが、10月からオランダ新工場でEV(電気自動車)など環境対応車向け放熱材料の量産を開始すると発表した。なお、同新工場は積水ポリマテックの100%子会社SEKISUI POLYMATECH EUROPE(SPE)の工場となる。

積水化学:SPE オランダ工場
SPE オランダ工場

 欧州では、各OEM(車輌メーカー)でのEVやPHVといった環境対応車の開発が盛んになっており、動力源として搭載されるLIB(リチウムイオン電池)の熱対策ニーズが急速に拡大。この市場成長をにらみ、積水ポリマテックは2018年にSPEを設立し、2019年からオランダのルールモンド市に積水化学が保有する敷地内で新工場の建設を進めてきた。新型コロナウイルス影響による一部の設備納入の遅れがあったものの、今年7月から試作生産を行っており、この10月より本格的な量産を開始する。

SPE グリス状放熱材料製品(LiB筐体内面への塗布例)
SPE グリス状放熱材料製品(LiB筐体内面への塗布例)

 SPEではLIB向けとして需要の大きいグリス状(半液状)の放熱材料から生産を開始。同製品を当面の主力商材と位置づけているが、5G基地局向けシート状製品の生産も数年内での立ち上げを検討していく。新工場では独自の製造プロセス設計によるグリス製品の自動化生産を実現しており、年産約100万リットルのグリス状放熱製品を生産する能力をもつ。これは約50万台分のEVへの搭載量に相当する。

 また、今回の稼働により、従来の日本・タイおよび今年4月に生産設備を立ち上げた中国と合わせ、グローバル四拠点での放熱材料生産体制が整った。この体制をベースに、積水ポリマテックの放熱材料事業の売上高は、2022年度に100億円を計画している。