AGC 北米建築用ガラス事業を譲渡、収益性を改善

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2021年6月18日

 AGCはこのほど、北米建築用ガラス事業を米国カーディナル・グラス社に譲渡することを決定し同社と合意したと発表した。対象拠点は、スプリングヒル(カンザス州)、グリーンランド(テネシー州)、アビンドン(バージニア州)の3拠点で、譲渡金額は4億5000万ドル(約495億円)。関係当局の承認を得ることが条件となるが、早ければ7月に譲渡が完了する見込みだ。

 同社は今年2月に発表した中期経営計画の中で、建築用ガラス事業の収益性および資産効率の改善をグループ経営上の重点課題に掲げ、様々な施策に取り組んでいる。AGCは1988年、AFGインダストリーズ(現・AGCフラットガラス・ノースアメリカ)への資本参加を機に、北米での建築用ガラス事業に参入。以来、30年以上にわたり省エネ性能や意匠性に優れた様々な高機能ガラスの提供を通じ、快適で豊かな生活の実現に貢献している。

昭和電工マテリアルズ プリント配線板事業、投資ファンドに譲渡

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2021年6月9日

 昭和電工マテリアルズはこのほど、同社およびグループ会社が手掛けるプリント配線板事業を投資ファンドであるポラリス・キャピタル・グループが設立した特別目的会社に譲渡する契約を締結したと発表した。なお、プリント配線板に係る基板材料・感光性フィルムなどの原材料の製造・販売事業は対象事業には含まれていない。昭和電工マテリアルズは今月、新会社2社を設立。9月1日に対象事業を承継し、同日付で新会社の株式すべてを特別目的会社に譲渡する予定。

 昭和電工マテリアルズは、1964年にプリント配線板の製造・販売を開始以来、約50年にわたり高い技術力に基づく高品質な製品を国内外の市場に提供してきた。特に近年は、半導体検査・ITインフラ・5Gといった分野での、高密度化・高速信号対応、薄型化などプリント配線板に対する技術的要求が高まっており、独自の技術力によるソリューションを提供することで、対象事業のさらなる成長を見込んでいる。

 一方、同社は、昨年4月に昭和電工の連結子会社となり、2023年に両社は完全統合を予定している。最適な経営資源の配分や事業ポートフォリオの再編、両社技術の融合を通じたイノベーションの創出に向けて取り組む中で、対象事業について慎重に検討を重ねてきた。その結果、対象事業の技術力や顧客との強固な関係性などの強みを最大限活用できるよう、豊富な投資実績と投資先企業の企業価値向上を実現してきた経験のあるポラリス・キャピタル・グループの下で事業拡大を図ることが最適との結論に至った。

 

三菱ケミカル 中国のBPA・PC合弁事業、全株式を譲渡

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2021年5月12日

 三菱ケミカルはこのほど、ビスフェノールA(BPA)とポリカーボネート(PC)樹脂を展開する、持分法適用会社である中石化三菱化学聚碳酸酯(北京)有限公司(SMP)の保有株式を、今年10月末を目途に中国石油化工股份有限公司(Sinopec)に譲渡することで同社と合意したと発表した。

 SMPは2009年に三菱ケミカルおよび三菱エンジニアリングプラスチックス(MEP)の共同投資会社であるピーシーアール・インベスツメンツ・ジャパン(PCRIJ)とSinopec社の合弁会社として設立し、BPAおよびPC樹脂の製造・販売を展開してきた。

 2012年に製造を開始して以来、中国をはじめとする両製品の需要増加に対応してきたが、三菱ケミカルホールディングスグループの中期経営計画に基づいたポートフォリオ改革の一環として、PCRIJが保有するSMPの全株式をSinopec社に譲渡することを決定した。

 

JSR 持分法適用会社の錦湖ポリケムの合弁を解消

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2021年5月12日

 JSRは11日、持分法適用会社である韓国・錦湖ポリケムのJSR保有の全株式をKumhoペトロケミカル(KKPC)に譲渡し、合弁契約を解消すると発表した。譲渡は7月1日を予定している。これにより錦湖ポリケムはJSRの持分法適用会社から除外されることとなる。

 錦湖ポリケムは、1985年にJSRとKKPCとの合弁会社として設立され、主にエチレン・プロピレンゴムの製造と販売を行ってきた。設立当初から、同社の製品は、自動車業界に向けてなくてはならない製品として認識されている。

 JSRは、現在の事業環境を踏まえて、各事業の戦略の見直しを行っており、当該事業が成長し続けるためには、適切な規模での経営資源の投入を検討するなどの事業変革が必要であり、KKPCの単独資本下で迅速な意思決定を可能にすることが企業価値向上につながると判断し、合弁契約を解消することでKKPCと合意に至った。

 

宇部興産 通信部品事業の合弁子会社、株式を京セラに譲渡

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2021年2月2日

 宇部興産は1日、京セラとの合弁である京セラ宇部RFテックの全株式を京セラに譲渡したと発表した。

 大容量・低遅延・多数接続を可能とする5G移動通信システム市場は、今後一層の成長が見込まれる。宇部興産は2019年に通信部品であるセラミックフィルタを製造する子会社「ユー・イー・エル」の株式51%を京セラに譲渡し、同社のフィルタの設計技術力と、京セラの生産技術力やグローバルな営業力を融合させることでさらなる事業拡大を目指してきた。

 5G通信システム市場は想定通り拡大しているが、市場変化のスピードに合わせて迅速な意思決定が要求されている。また、製品形態もセラミックフィルタなどの部品単体ではなく、部品を組み合わせたシステムとしての重要度が増しており、より幅広い技術や知見が要求される傾向にある。

 このような状況を鑑み、宇部興産は、京セラ宇部RFテックは今後、京セラの5Gに関連した通信事業との連携を一層強化し迅速に開発を進める必要があり、その事業運営を京セラに全面的に任せることが望ましいと判断した。

三菱ケミカル 軽金属事業を中国の企業グループに譲渡

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2020年11月18日

 三菱ケミカルは17日、軽金属事業の譲渡について、寧波江豊電子材料(中国・浙江省:KFMI社)と同社グループである同創普潤(上海)机電高科(中国・上海市:TCPR社)との間で合意したと発表した。来年4月をめどに譲渡する予定。また、軽金属事業のうち譲渡の対象外である金型材「KNシリーズ」の製造販売については譲渡に合わせ撤退を検討している。

 半導体や液晶用のスパッタリングターゲット材メーカーのKFMI社とTCPR社は、特にアルミ製ターゲット材で世界トップクラスの地位を占める。また、世界の高純度アルミ業界にも精通しており、三菱ケミカルの軽金属製品の長年の取引相手でもある。

 三菱ケミカルは、三菱ケミカルホールディングスグループの中期経営計画の下、ポートフォリオマネジメント強化に取り組んでいる。今回、上流に位置する事業の買収や日本での拠点獲得による事業強化を企図するKFMI社およびTCPR社との間で、軽金属事業の譲渡につき合意に至った。

BASF MBCCグループに建設化学品事業の譲渡を完了

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2020年11月4日

 BASFはこのほど、世界的な投資ファンドであるローンスターの関連会社への建設化学品事業の譲渡を完了したと発表した。売却価格は、現金および負債がゼロの状態で31億7000万ユーロ(約3860億円)。これに伴い建設化学品事業は新たに設立されたMBCCグループ(ドイツ・マンハイム)に引き継がれる。日本では同グループ傘下の、ポゾリスソリューションズとして、引き続き事業を運営する。

 BASFの同事業は約7500人の従業員で、60カ国以上に生産拠点と販売拠点を展開し、昨年の売上高は約26億ユーロ(約3170億円)だった。

出光興産 ノルウェー領バレンツ海鉱区権益を一部譲渡

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2020年10月21日

 出光興産は20日、子会社である出光スノーレ石油開発のノルウェー現地法人出光ペトロリアムノルゲが保有する、ノルウェー領バレンツ海鉱区権益の一部をルンディン・エナジー・ノルウェーに譲渡することを決定し売買契約を締結したと発表した。

 出光興産は、出光ペトロリアムノルゲを通じノルウェー政府が実施した公開入札で同鉱区権益(PL537・PL537B鉱区権益を20%、PL609・PL609B・PL609C・PL609D・PL851鉱区権益を30%)を取得。探鉱活動を行った結果、2013年にPL537鉱区でウィスティング油田、2014年にPL609鉱区でアルタ油田を発見し、開発に向けた検討を進めている。こうした中、ウィスティング油田を含むPL537・PL537B鉱区権益10%、アルタ油田を含むPL609・PL609B・PL609C・PL609D・PL851鉱区権益の15%をルンディンに譲渡する。

 今回のバレンツ海権益一部譲渡は、ノルウェー事業の長期事業戦略と両油田の開発コスト負担低減を考慮したもので、譲渡金額は1億2500万ドルとなる見込み。なお、今回の鉱区権益一部譲渡の実行日はノルウェー政府の承認が前提となっており、実行日が未定のため、今期の連結業績に与える影響は現時点では未確定としている。

バレンツ海鉱区
バレンツ海鉱区 位置図

JNC ニッポンジーンに動物用診断薬事業を譲渡

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2020年10月9日

 JNCは8日、動物用診断薬事業をニッポンジーン(東京都千代田区)に今月2日に譲渡したと発表した。

 JNCが2001年から行ってきた動物用診断キット(動物用体外診断用医薬品、全4種類)の製造販売を、ニッポンジーンに承継する。承継品目は「豚コレラエライザキットⅡ」「牛白血病エライザキット」「牛ブルセラエライザキット」「アカバネエライザキット」。なお、JNC製の製品在庫がなくなり次第、順次ニッポンジーン製に切り替えとなる。

出光興産 潤滑油子会社をシェルに譲渡、出光ブランドに集中

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2020年8月17日

 出光興産はこのほど、シェルブランドの潤滑油事業を手掛ける完全子会社のシェルルブリカンツジャパン(SLJ)の全株式を、シェルに譲渡することを決定したと発表した。なお株式譲渡の実行日は今年12月末を予定している。

 これまで、出光が同社ブランドの潤滑油事業を、SLJがシェルブランドの潤滑油事業を行ってきた。しかし、今後の潤滑油事業の方向性や経営統合の状況などを勘案した結果、SLJをシェルに譲渡し、競合する両ブランド事業の独立した運営体制を確立の上、それぞれがより一層の成長・発展を目指すことが最適と判断した。

 譲渡後は、出光は同社ブランドの潤滑油事業に経営資源を集中し、引き続き潤滑油のグローバルサプライヤーとして事業の強化・拡大を目指す。そして確かな技術知識で、顧客に最適なソリューションを提供していく考えだ。