日本触媒は2日、インドネシアの子会社NSIにおいて、高吸水性樹脂(SAP)の製造設備を年産5万t増設すると発表した。投資金額は約1億1000万ドル。稼働は2027年7月を予定しており、既存設備(同9万t)と合わせ、NSIの生産能力は同14万tに拡大する。
同社のコア事業の
2024年8月5日
2023年2月16日
2022年10月5日
2022年9月21日
2022年3月22日
2022年3月10日
2021年7月9日
日本触媒は8日、2050年カーボンニュートラル実現に向けて、ベルギー子会社NSE社で生産する高吸水性樹脂(SAP)について国際持続可能性カーボン認証機関(ISCC)よりバイオマスの認証を取得したと発表した。
主に紙おむつに使われているSAPは、プロピレンから製造されるアクリル酸を主原料としている。今回、NSE社ではバイオマス由来のプロピレンからアクリル酸を生産し、さらにそのアクリル酸を使ってバイオマスSAPを生産することについて、ISCCより「ISCC PLUS認証(マスバランス方式)」を取得した。今後、顧客の要望に応じてバイオマスSAPを供給する体制を、順次整えていく。なお、バイオマスSAPの品質は石油由来の従来品と同等で、バイオマスSAPを使用することで、製品ライフサイクル全体のCO2排出量削減にも寄与する。
同社は、バイオマスSAP以外に、生分解性SAP、使用済み紙おむつからSAPを回収しそれを再生したリサイクルSAPなど、環境負荷低減に寄与するサステナブルSAPの研究開発に取り組む。これらの研究開発を推進し、持続可能な社会の実現に貢献していく。
2020年11月6日
日本触媒は5日、リブドゥコーポレーション(大阪府大阪市)、トータルケア・システム(福岡県福岡市)と共に、使用済み紙おむつ中の高吸水性樹脂(SAP)に関する新規リサイクル技術を開発したと発表した。なお今回の技術は、世界で流通する様々なSAPに適用できる。使用量が増加し続ける紙おむつに対し、リサイクル促進への期待が高まっている。
環境省が今年3月に「使用済紙おむつの再生利用等に関するガイドライン」を公表。国土交通省でも下水道への紙おむつ受入れのためのガイドライン策定を目指している。こうした中、紙おむつのリサイクルシステムを国内で初めて構築したトータルケア・システムは、リサイクル処理後の再生パルプを建築資材の原料(外壁材、内装材など)として有効利用している、ただ、プラスチックはマテリアルリサイクルの研究開発を進めているものの、固形燃料としてサーマルリサイクルしている。
日本触媒は2018年より、SAPのリサイクルの取り組みに参加。リサイクル技術の検討を開始し、大人用紙おむつメーカー大手のリブドゥコーポレーションとトータルケア・システムの3社による共同研究により、新規リサイクル技術の開発に成功した。
これまで使用済み紙おむつのリサイクル工程では、尿を吸収して大きく膨らんだSAPは紙パルプの回収率を低下させたり、SAPを回収しても性能低下が大きく再利用が難しかったり、といった課題があった。これらの課題に対し、①尿を吸収して大きく膨らんだSAPに処理を施して紙パルプとの分離性を高め、紙パルプ回収率を向上させる技術、②SAPの性能低下を最小限に抑えて回収する技術を開発。これらの技術は、リサイクル時の省エネルギー化や河川などの水質保全も配慮され、日本触媒以外が製造するSAPにも適用が可能だ。
3社は今後、同技術を実用レベルまで高めていくとともに、素材原料メーカー、紙おむつメーカー、リサイクル事業者である3社の知見を生かして、リサイクルしやすい素材開発、紙おむつ開発、環境にやさしい使用済み紙おむつ新規リサイクル技術の開発・実用化を進める計画だ。
2020年10月13日
日本触媒は12日、従来できなかった画期的な超速乾性吸収性能をもつ高吸水性樹脂(SAP)を開発したと発表した。
SAPの主な用途である衛生材料業界では、近年、乳幼児向け紙おむつだけでなく、大人向け衛生材料(紙おむつ、ナプキン、軽失禁パッドなど)の需要が拡大。大人向け衛生材料は、乳幼児向け紙おむつと比較してSAPに求められる性能も異なり、液をすばやく吸収する速乾性や、吸収した液を漏らさない液保持性が重視される。
こうした中、同社は、新規製造方法により、従来品と比較して超速乾性で、液保持性が約3倍優れるSAPを開発。新規製造方法のアイデアは、プロセス効率化を目指した研究者の偶然の発想転換による実験から導き出された。そして、研究・技術・製造・エンジニアリングの社内関係者が一丸となって取り組み、工業的な製法の確立に成功した。
このSAPを利用した衛生材料は、速乾性で吸液後、すぐに吸収体表面がさらさらになり、また液保持性・加圧下吸収性能に優れるため、身体の動きがあっても一度吸収した液を漏らさず確実に保持できる。卓越したこれらの特長により、今後さらなる成長が期待される大人向け衛生材料などの高付加価値化に、大きく貢献できることが見込まれる。現在、年産1万5000tのプラントを姫路製造所内に建設中であり、来年6月から生産と販売を開始する予定。同社は、従来にない新機能を生かし、衛生材料以外の用途での市場創出も図っていく。
2020年10月6日