レゾナックは14日、AI(人工知能)を活用し、材料の最適な組成を従来の5分の1の時間で探索できる独自技術を確立したと発表した。同社は、同技術を用いることで、半導体パッケージ用レジストの感光性樹脂の原料となるポリマー(重合体)の探索に成功した。同社は、材料探索の汎用ツールとして同技術の社内展開を開始し、同技術の活用により、半導体材料創出の加速を図る。
半導体パッケージの
2024年11月15日
2023年9月11日
2022年12月5日
アカデミアと共創し、早期にソリューション創出
ソリューション型ビジネスモデルへの転換を進める三井化学は、共創によるDX(デジタルトランスフォーメーション)やAI(人工知能)を活用した技術・研究開発を推進する。中でもアカデミアとの連携を活発化させている。昨年11月には、九州大学と共同で、同大学のカーボンニュートラル・エネルギー国際研究所(I2CNER:アイスナー)内に、「三井化学カーボンニュートラル研究センター」を設置し、カーボンネガティブ技術の社会実装化を視野に共同研究を開始した。
先月には新たに
2022年4月22日
2019年7月3日
ドイツの特殊化学品メーカーのランクセスは、高性能プラスチックの開発スピードを加速するため、AI(人工知能)を導入する。顧客が求める高性能プラスチックの開発に一層の強化を図り、新素材の開発時間を大幅に短縮することを目指す。
AI導入に当たっては、化学物質・素材AIプラットフォームを運営する、米国に拠点を置くAI企業のシトリン・インフォマティクス社と密接な協力体制を構築する。
両社は、プラスチック製造でAI導入の可能性を評価する、パイロットプロジェクトに着手した。高性能プラスチックの強化材として、ランクセスが使用するガラス繊維の一層の最適化を図り、最終的には素材の性能を高める。
今回のプロジェクトでは、ガラス繊維のサイジングが重要な役割を果たす。プラスチックの機械的性能を向上するために混入されるガラス繊維は、繊維と素材の隙間を埋めるサイジングに覆われている。これにより、ガラス繊維がプラスチック母材と一層強力に結合し、結果として高性能プラスチックに求められる性能を確保することができる。
ガラス繊維のサイジングを最適化するプロセスは複雑で、時間と労力を要するが、AIを活用することで、素材開発の際に最適な配合を導き出す時間を、半分以下に短縮することを目指す。
従来の製品開発では、ガラス繊維のサイジングの複雑な配合と多数の変数の解析には、広範囲にわたるテストが必要とされ、さらに、テスト結果を予想することも困難だった。
AIアルゴリズムはテスト構成とパラメーターを改善するために予想モデルを計算する。個々のテストからの計測結果に基づき、これらのモデルを向上し、それによって最適化された配合を提案する。この手順により、従来の方法に比べ、製品開発スピードを大幅に加速させることになる。
同社によると「高性能プラスチック開発のパイロットプロジェクトは、ランクセスのAIへの取り組みのスタートにすぎない」という。同社は2017年に「デジタル化」への取り組みに着手し、専門家からなる部門を設立した。この取り組みでは、デジタルビジネスモデルの開発、バリューチェーンにわたる新技術の導入、ビッグデータの開発と活用、従業員にデジタルの専門知識を広めることが重要な要素になる。