DICは12日、2021年12月期第3四半期(1-9月期)の連結業績を発表した。売上高は前年同期比20%増の6158億円、営業利益30%増の333億円、経常利益48%増の339億円、純利益10%増の153億円となった。
オンライン会見の中で、古田修司執行役員・最高財務責任者は「C&E顔料事業の統合に伴う一時的な費用を計上した影響があったが、高付加価値製品などの出荷が伸びたことで増益を確保した」と総括した。
セグメント別に見ると、
2021年11月15日
2021年11月5日
DICは4日、子会社のDICグラフィックスが、グラビア・フレキソ・オフセットの各印刷用インキに対応した抗菌ニスおよび抗ウイルスニスについて、抗菌製品技術協議会(SIAA)の認証を取得し、製品のラインアップを拡充したと発表した。
新型コロナウイルス感染症の拡大以降、生活空間における衛生面のニーズが高まっており、人々が手に触れる食品や日用品などのパッケージやカタログなどの印刷物においても、感染症予防対策として抗菌性や抗ウイルス性が求められている。
DICグラフィックスでは、今年5月にパンなどの食品包装フィルム向けの表刷用グラビアインキ「グロッサBM」と組み合わせた抗菌ニスの販売を開始。今回、食品などのフィルム表刷用途に加え、紙器用途に対応した抗菌・抗ウイルスニスを開発した。既に一部製品でSIAA認証を取得し、今後も順次取得する予定。
同社は今後もさらに、抗菌・抗ウイルス製品のラインアップを拡充する予定だ。
2021年10月28日
2021年10月7日
DICは6日、エポキシ系可塑剤を10月21日出荷分から値上げすると発表した。対象製品と改定幅は、エポキシ化大豆油(ESBO)が「30~35円/kg」、エポキシ化亜麻仁油(ELSO)が「60~65円/kg」、その他エポキシ系可塑剤が「50円/kg以上」。
主原料の植物油は、中国などの旺盛な需要や世界的な脱炭素の流れを受けたバイオマス燃料需要の高まりにより、価格の上昇が続いている。加えて、鋼材価格の上昇からドラム・缶の包装材料費も高騰している。
同社は自助努力による吸収を続けているものの、昨今の原料価格と包装材料コストの上昇を吸収するのは極めて困難な状況にあることから、今後の事業継続を図るためには価格改定が避けられないと判断した。
2021年10月4日
DICはこのほど、日本語、英語、中国語の3言語に対応したコーティング用樹脂の製品検索システム(https://www.dic-global.com/ja/products/finder_coating/)をウェブサイト内に構築し、7月から運用を開始した。
同検索システムでは、同社の300を超えるコーティング用樹脂製品ラインアップから顧客のニーズに最適な製品を簡単に検索することや、各製品の推奨用途や特徴などの基本情報を確認することができる。
昨今、テレワークの普及と業務のデジタル化が加速する中、ウェブを活用した調査やコミュニケーションが拡大。コーティング市場でも、購買担当者や技術開発者が要求性能を満たす製品を探す時に、ウェブサイトを活用するケースが増えている。
また、市場トレンドが変化すると同時に、顧客のニーズも多様化している。同社はこうした環境変化の下、顧客ニーズに応じた製品情報をタイムリーに、そして分かりやすく提供するツールとして、グローバルに対応した検索システムを構築した。
主な特長に、①世界の各拠点で生産されている300以上の製品を収載、②製品を使用する国・地域、用途、樹脂タイプ、特徴など6つの項目から顧客ニーズに応じた製品の絞り込みが可能、③TDS(テクニカルデータシート)などの技術資料や検索結果一覧表のダウンロードが可能、の3つがある。
今後も世界各拠点で開発・生産する新製品を随時追加すると同時に、同社が注力する樹脂製品や技術に関するコンテンツをさらに充実させ、ウェブサイトを通じても、社会と顧客の課題解決のため様々な提案を続けていく。
2021年9月30日
2021年9月10日
DICはこのほど、子会社であるDICグラフィックスが、裏刷りバイオマスグラビアインキ「フィナートBM」について、生分解性プラスチックの国際認証「OK コンポスト インダストリアル」と「OK コンポスト ホーム」を今年6月に取得したと発表した。国内で販売されているグラビアインキでは、初の認証取得になる。
同認証は、TUV AUSTRIAが実施する生分解性プラスチックの国際認証。「OK コンポスト インダストリアル」は、都市型ゴミ処理場での生分解が可能であり、そのコンポスト(堆肥)が環境(動植物の生育)に安全であること、「OK コンポスト ホーム」は、一般家庭のコンポスト容器で生分解が可能であることをそれぞれ認証する。この認証を得た製品を適切な条件下で堆肥化した場合、新しい植物の成長を妨げることなく安全に再利用できる。
同社の「フィナートBM」シリーズは、食品や日用品などのパッケージ材料に使われるインキとして、優れた物性と印刷適性を兼ね備えた高い機能をもつ。それに加えて、環境面に配慮したサステナブルな素材として植物由来の再生可能原料を含むことから、日本有機資源協会が認定する「バイオマスマーク」も取得している。今後、生分解性のあるフィルムや接着剤などのパッケージ素材と組み合わせることでパッケージ材料のコンポスト化が可能になる。
DICグループは、北米・欧州・アジア地域では、すでに「OK コンポスト」認証を取得したグラビアインキ製品を展開。今後、国内ではパッケージ素材を扱う他の企業と協業し、環境面に配慮したパッケージ材料の開発に注力する。
2021年9月6日
2021年9月6日
2021年9月1日
DICはこのほど、100%子会社のDICライフテックが、仏・ファーメンタルグ社が開発した微細藻類(シゾキトリウム)由来のサプリメント素材である高濃度DHA(ドコサヘキサエン酸)「DHA オリジンズ-510」の取り扱いを開始した。
DHAは魚由来のものが一般的に有名だが、魚のDHAはもともと海に生息する微細藻類が生み出し、食物連鎖で魚に取り込まれたもの。同製品はDHAの起源である藻類に遡って生産されたものであることから、よりピュアなDHAとなる。
DICは、40年以上続く食用藍藻類スピルリナ事業で培った藻類培養技術をベースに、ファーメンタルグ社と複数年にわたる包括的な事業協力を進めており、SDGsに対応する機能性素材として同製品の取り扱いを開始した。
同製品の主な特長として、藻類由来の51%高濃度DHA、サステナブルで安心・安全な素材、ベジタリアンやヴィーガンにも対応可能、臭い低減、美しいオレンジ色、などが挙げられる。
DICグループは、新事業の柱の1つとしてヘルスケア分野の強化に注力している。社会的なSDGsへの意識の高まりや消費者の健康志向を背景に、今後も同社グループが得意とする藻類培養技術を活用した〝食の安全・安心〟に注力した食品やサプリメントなどの製品開発を進めていく。