DIC グリーンバイオベンチャーと業務提携を締結

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2021年3月26日

 DICは25日、藍藻類であるスイゼンジノリ由来多糖類のサクランによる事業を展開するグリーンバイオベンチャー企業グリーンサイエンス・マテリアル(GSM社)と資本業務提携を開始したと発表した。

調印式の様子 (左から)GSM社 辻取締役、DIC 髙野常務執⾏役員(新事業統括本部⻑)、GSM社 ⾦⼦社⻑、熊本県起業化⽀援センター 藤井理事⻑、オジックテクノロジーズ社 ⾦森社⻑
調印式の様子 (左から)GSM社辻取締役、DIC髙野常務執⾏役員(新事業統括本部⻑)、GSM社⾦⼦社⻑、熊本県起業化⽀援センター藤井理事⻑、オジックテクノロジーズ社⾦森社⻑

 GSM社は、北陸先端科学技術大学院大学の岡島麻衣子氏や金子達雄氏らにより新規に発見された物質「サクラン」の研究成果を活用した同大学発のベンチャー企業。世界で初めてサクランを商用化した。

 サクランは、日本固有の淡水藍藻類であるスイゼンジノリから抽出される多糖類であり、高い保湿性や抗炎症効果、バリヤ性などを生かして様々なスキンケア製品へ応用されている。GSM社は、現在、スイゼンジノリの人工的な養殖や培養技術の開発を行い、サクランの量産性を上げてグローバル展開を目指している。加えて、スイゼンジノリが唯一天然で生育・養殖されている黄金川(福岡県朝倉市)の保全活動にも積極的に取り組んでいる。

 一方、DICグループは、1970年代にスピルリナ(藻類)の商業生産に世界で初めて成功して以来、安全かつ高品質なスピルリナ粉末やスピルリナ由来食用色素「リナブルー」を、健康食品や食品素材、飼料分野などへグローバルに展開している。DICは、今回の提携により、食用藍藻類のスピルリナ事業で培った大量培養技術や機能成分の抽出技術をGSM社と共有し、同じ藍藻類であるスイゼンジノリの人工培養技術の確立を目指す。さらに、DICグループで欧米地域を統括するサンケミカル(米国ニュージャージー州)と連携し、GSM社とスイゼンジノリやサクランの販売をグローバルに展開するとともに、新規アプリケーションの開発も行う。

 

調印式の様子 (左から)GSM社 辻取締役、DIC 髙野常務執⾏役員(新事業統括本部⻑)、GSM社 ⾦⼦社⻑、熊本県起業化⽀援センター 藤井理事⻑、オジックテクノロジーズ社 ⾦森社⻑
調印式の様子 (左から)GSM社 辻取締役、DIC 髙野常務執⾏役員(新事業統括本部⻑)、GSM社 ⾦⼦社⻑、熊本県起業化⽀援センター 藤井理事⻑、オジックテクノロジーズ社 ⾦森社⻑

DICグループは、藻類培養ビジネスの強化を通じ、今後もヘルスケア分野やパーソナルケア分野で顧客にとって価値のある製品を提供していく考えだ。

DIC 不飽和ポリエステルなど値上げ、安定供給図る

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2021年3月24日

 DICは23日、100%子会社であるDICマテリアルが、不飽和ポリエステル樹脂およびビニルエステル樹脂を4月1日出荷分から値上げすると発表した。改定幅は不飽和ポリエステル樹脂が「38円/kg以上」、ビニルエステル樹脂が「48円/kg以上」。

 昨今の原油価格上昇に伴い、ナフサやベンゼン価格が高騰し、また一部原料の供給問題の影響で原料コストが大幅に上昇している。加えて、物流費や設備保全費といったコストも上昇傾向にある。こうした中、同社は、各種合理化の推進や製造コストの低減に努めているものの、これらのコスト上昇を自助努力で吸収することは困難なことから、今後の安定供給と事業継続を図るためには値上げが避けられないと判断した。

 

DIC スピルリナ由来有効成分、美肌食品の特許取得

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2021年3月22日

 DICはこのほど、食用藍藻スピルリナに含まれる青色色素「フィコシアニン」を有効成分とする美肌食品用途の特許を取得したと発表した。今後は、特許を利用し、「フィコシアニン」を関与成分とした機能性表示食品への展開など、美容や健康機能を訴求する製品分野へ積極的に展開していく。

⾷⽤藍藻スピルリナから抽出した「フィコシアニン」
⾷⽤藍藻スピルリナから抽出した「フィコシアニン」

 同社グループは、長年スピルリナ事業を展開しており、スピルリナから抽出した青色色素「フィコシアニン」を天然の青色食品着色料として販売。今回の特許は、色素以外の新たな用途に関するもので、「フィコシアニン」を有効成分とした「肌の保湿性向上」、「シワ改善」、「はりつや改善」、「弾力性向上」を目的とする飲食品を網羅するものとなる。「フィコシアニン」の美肌効果については、臨床試験によりその効果を確認している。

 「フィコシアニン」の原料となるスピルリナは、約30億年前に誕生した食用藍藻で、50種以上の健康・栄養成分を含むスーパーフードの王様とも呼ばれる。同社グループは、その可能性にいち早く着目し、50年以上にわたって研究を続けてきた。以来、藻類研究のパイオニアとしてスピルリナ粉末を健康食品や、食用色素、食品素材や飼料分野へ展開している。

 DICグループは、中期経営計画において、今後の新事業の柱の一つとしてヘルスケア分野の強化に注力。消費者の健康志向を背景に今後も同社が得意とする藻類培養技術を用いた〝食の安全・安心〟に注力した食品やサプリメントなどの製品開発を進めていく考えだ。

:「フィコシアニン」の美肌効果
「フィコシアニン」の美肌効果

 

DIC バイオマス原料の軟包装材用接着剤、展開を加速

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2021年3月11日

 DICは10日、バイオマス原料を使用した軟包装材用ラミネート接着剤「ディックドライ BMシリーズ」の市場展開を加速すると発表した。同製品は、植物由来の原料を一定比率以上使用することでバイオマス度10~20%を実現した環境調和型製品で、すでに食品や日用品などの軟包装材料用途として販売を開始。今後、国内だけでなく海外でも販売を拡大することで、2025年には売上高10億円を目指す考えだ。

 食品や日用品などのパッケージに使われる軟包装材料は、多層のラミネート構造になっているため現状リサイクルが難しく、そのほとんどは廃棄後に焼却処理されCO2として排出されている。バイオマス原料は、植物が成長する過程でCO2を吸収するため、廃棄の際に燃焼しても全体としてはCO2量が増加しない。バイオマス原料を使用することで、CO2排出を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」に貢献することができる。

 同社が開発したバイオマス接着剤は、有機溶剤で希釈してラミネート工程に使用する「ディックドライ LX-BMシリーズ」に加え、ラミネート工程の際のVOC(揮発性有機化合物)やCO2の排出量削減に寄与する無溶剤型接着剤「HA-BMシリーズ」がある。いずれのシリーズもバイオマス原料を含有しており、日本有機資源協会が認定するバイオマスマークを取得。また、従来の石油由来の接着剤と同等の接着性能を発揮する。

 DICグループは、中期経営計画の中で地球環境のサステナビリティに貢献するパッケージソリューションの提供を目指している。パッケージングマテリアル事業では、プラスチックの3R(リデュース・リユース・リサイクル)を切り口に、今後もリサイクルや環境面に配慮した代替素材の開発に注力し、循環型社会の実現に貢献していく方針だ。

 

DIC 欧米統括子会社、ヘルスケアなどの新組織を発足

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2021年3月8日

 DICは5日、100%子会社である米国のサンケミカルが、ヘルスケア食品およびニュートリションビジネスのグローバル展開を加速させるため、新組織〝フード・アンド・ニュートリション・グループ〟を発足したと発表した。

 今後、DICとサンケミカルは、着色や藻類培養ビジネスに関わる分野をグローバルで強化し、食品や飲料、栄養補助食品業界へ製品やソリューションを提供する。新組織は、DICグループの基本戦略である事業ポートフォリオの転換を早期に実現させるのが狙い。

 同組織は、サンケミカルの高度な研究技術やカラーリングの専門知識を活用し、天然および合成食品着色料の新製品開発を強化する。DICの研究開発チームは、ベンチャーキャピタルと共に積極的にバイオベースの栄養補助食品原料の開発に注力。サンケミカルは同グループの成長にコミットし、その成長を加速させるため追加投資を行う。

 サンケミカルは、新組織の発足に伴い、DIC子会社アースライズ・ニュートリショナルズの販売とマーケティング機能を同グループの組織に統合した。これには、「スピルリナ」と「リナブルー」製品の販売・流通が含まれる。

 DICグループは、中計で掲げた2つの基軸(Value TransformationとNEW Pillar Creation)による事業ポートフォリオの転換を早期に実現するため、今後も成長性と高付加価値化を期待できる市場に焦点を当て、事業基盤の強化・拡大を進めていく考えだ。

DIC 共押出多層フィルムを値上げ、コスト上昇に対応

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2021年3月5日

 DICは4日、共押出多層フィルム「DIFAREN」を今月25日納入分から値上げすると発表した。改定幅は「一連(500㎡)あたり300円(厚み20㎛換算)」。

 原油およびナフサ価格は高騰を続け、フィルム製品の原材料価格が上昇している。加えて、物流費、副資材費、設備維持費などのコストも上昇している状況。こうした中、同社は自助努力を続けてきたが、これらの費用の吸収は極めて困難な状況にあることから、安定供給を維持するためには値上げが避けられないと判断した。

DIC ポリスチレンを値上げ、4月1日から実施へ

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2021年3月4日

 DICは3日、ポリスチレン(PS)製品およびスチレン系製品について、4月1日納入分から値上げする、と発表した。対象製品は「ディックスチレンGPPS」「ハイブランチ」「ディックスチレンHIPS」「エラスチレン」で、改定幅はいずれも「6円/kg以上」となっている。同社は、原材料価格の上昇により、1月に「5円/kg以上」、3月に「17円/kg以上」の値上げを実施していた。しかし、国産ナフサ、ベンゼン価格はさらに高騰を続け、PSの原料調達価格も上昇している。

 同社は、引き続き自助努力による吸収を続けてきたが、今回の原材料価格の上昇を吸収することは極めて困難な状況にあることから、今後の安定供給と事業継続を図るために値上げせざるを得ないと判断した。

DIC インドの機能性CPPフィルム事業、協業に合意

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2021年3月1日

 DICはこのほど、世界最大級のBOPP(二軸延伸ポリプロピレン)フィルムメーカーである印Jindal Poly Filmsと、インド国内において機能性CPPフィルムの市場開拓で協業すると発表した。

 インド国内では、使い捨てプラの使用規制強化など他国と同様に環境対応や衛生管理面での機能ニーズが高まり、食品包装の分野でも機能性に優れたフィルムが求められている。中でもフィルムの軽量化、モノマテリアル化などに適した機能性の高いCPPフィルムの需要が今後伸びることが見込まれる。

 Jindal社は、インド国内市場の成長を見越し、2018年よりCPPフィルム事業に参入。これに際し、DICは協業の提案を受けており、Jindal社との協業はインドのフィルム市場開拓の第一歩となるものと判断し、具体的な検討を進めてきた。

 両社は協業内容として、①技術ライセンス契約を締結し、DICの生産パッケージング技術をJindal社に供与、②Jindal社のインド国内工場にて、DICの技術を用いた機能性CPPフィルムを開発・量産化、③合弁会社の設立を視野に、Jindal社が生産した機能性CPPフィルムをインド国内において共同販売、を検討しており、早ければ2021年度中に具体的な活動を開始する予定。

 DICはこれまで、日本国内を中心に、フィルムの機能面と環境面の両面から社会に価値を提供してきた。世界的なサステナブルニーズが高まるなか、今回の協業を通じて、日本で培った高度な技術をインド市場に投入してフィルム事業拡大を目指し、将来的にはインド以外の地域においても、協業を拡大することを検討していく。

DIC BASF顔料事業買収に伴う特別損失を計上

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2021年2月22日

 DICは19日、BASFとの顔料事業買収に伴い、DICの米国子会社の同事業の売却を決定し特別損失(事業整理損)を計上したと発表した。

 DICは、ドイツ・BASFが保有する顔料事業である「BASF Colors & Effects社」の取得についてBASFと売買契約を締結し、今年度第1四半期中のクロージングにむけて作業を進めている。ただ、今回の買収により顔料分野においてグローバルで一定のシェアになるため、独占禁止法上の問題の是正措置として、DICの米国子会社サン・ケミカルのブッシーパーク工場(サウスカロライナ州)で生産する高級顔料事業を売却する方針を決定した。

 ブッシーパーク工場は自動車塗料向けなどの顔料などを生産しているが、BASF Colors & Effects社が保有する顔料事業の取得により高級顔料は大きく拡充される見込みであるため事業戦略上の影響は軽微と見られる。

 DICは売却対象資産の処分に関連して発生する損失として総額88億円を2020年度業績に特別損失(事業整理損)として計上した。

DICの12月期 第4四半期の販売回復で営利益は微減

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2021年2月22日

 DICは19日、2020年12月期(1-12月期)の連結業績を発表した。売上高は前年比9%減の7012億円、営業利益4%減の397億円、経常利益12%減の365億円、純利益44%減の132億円となった。

 オンラインによる決算会見の中で、古田修司執行役員・最高財務責任者は「通期ではコロナ禍の影響による落ち込みが響き減収減益となった。第4四半期(10-12月期)は、

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