DICの1-9月期 出荷堅調で増収も利益は2桁減

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2018年11月15日

 DICは14日、2018年12月期第3四半期の連結業績を発表した。売上高は前年同期比3%増の6700億円、営業利益10%減の364億円、経常利益10%減の364億円、純利益36%減の224億円となった。

 売上高は、製品価格の改定や堅調な出荷などにより増収となったが、利益項目は原料価格上昇や物流コスト増の影響などを受け減益となった。また、中国の環境規制や日米で発生した自然災害などの影響があったほか、欧州新興国の通貨安による換算目減りも利益を大きく圧迫した。

 セグメント別で見ると、プリンティングインキ部門では、日本の売上高は4%減の548億円、営業利益61%減の11億円。出版用インキの需要減少などで減収。営業利益は、原料価格や物流コストの上昇を受け大幅な減益となった。

 同部門での米州・欧州の売上高は4%増(現地通貨ベース:6%増)の1千856億円、営業利益11%増(同22%増)の70億円。北米では、パッケージ用インキは伸長したが、出版用・新聞用インキの需要減少などで前年同期並みとなった。

 一方、欧州では、パッケージ用インキの出荷が好調で増収。中南米では、パッケージ用・新聞用インキの出荷が好調に推移し増収となった。セキュリティ印刷用インキの売上増が増益に寄与した。

 同部門でのアジア・オセアニアの売上高は5%増(同6%増)の500億円、営業利益22%減(同21%減)の23億円。中国と南アジアでは、パッケージ用・出版用インキの出荷が伸長し増収。

 オセアニアでは、出版用・新聞用インキの需要減少などで減収。インドでは全品目で増収となった。営業利益は、原料価格上昇を受け、大幅な減益となった。

 ファインケミカル部門は、売上高3%減の992億円、営業利益5%減の125億円。顔料は、カラーフィルタ用や光輝材などの出荷は伸長したが、化粧品用の一時的な出荷低調などにより減収。TFT液晶は出荷が拡大したが、製品価格の低下により減収となった。

 ポリマ部門は、売上高5%増の1千521億円、営業利益11%減の123億円。国内外でエポキシ樹脂などが電気・電子向けに伸長したことで全般的に増収。コンパウンド部門は、売上高1%増の485億円、営業利益25%減の26億円。PPSコンパウンドとジェットインキの出荷は順調に拡大したが、原料価格の上昇で大幅な減益。

 アプリケーションマテリアルズ部門は、売上高5%増の428億円、営業利益39%増の25億円。工業用粘着テープや中空糸膜モジュールの出荷が伸長し増収となり、利益も大幅に拡大した。なお、通期の業績予想については、8月9日発表の数値を全項目で下方修正した。

東京国際包装展 食品ロスなどに対応する製品・技術が集結

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2018年10月4日

東京国際包装展 世界有数の総合包装展「TOKYO PACK 2018-2018東京国際包装展」が5日まで開催されている。1966年に第1回が開催されて以降、隔年で実施。27回目となる今回は、前回を上回る出展社総数700社・2609小間の規模で行われ、フードロスや環境問題など、包装を巡る問題の解決に資する製品・技術を紹介している。化学メーカーも多数出展した中から、10社・グループの展示を紹介する。

 ▼出光ユニテック

出光ユニテック 出光ユニテックは「一歩先行く利便性の創造Only One」をコンセプトに、容器やシート、フィルム、ジッパーなどの開発品を中心に展示を行った。容器の「防曇シール蓋パッケージ」は、シールでありながら曇りにくくした製品。開けやすく、はめ込み式に比べ密封性が高いのが特徴だ。

 「通蒸パック」は密封性と開けやすさを両立させたパッケージシステム「マジックトップ」に自動通常機能を付加させたことで、商品のロングライフ化を可能にする。

 特にユニークだったのは「片手開口パウチ」。ジッパーの下にスリーブ材を設けることで、パウチを両側から押すと、スリーブ材の反発でジッパーの口が開くようになっている。

 そのほか、レトルトショックに強い「酸素ハイバリアシート」、水蒸気の透過性を従来の半分にした「防湿シート」など、多様な開発品を披露していた。

 ▼クラレ

クラレ クラレはクラレトレーディングと「地球のために貢献しているプラスチック」をテーマに、バイオマス由来の未来型ガスバリア素材「プランティック」、同社の代表的な機能性樹脂の1つである、EVOHガスバリア性樹脂「エバール」などを紹介した。

 プランティックは成形性に優れることから、主に生鮮食品のMAP(ガス置換)包装や、生パスタなどのチルド流通食品の包装材として使われる。高いバリア性により鮮度を保持することで、食品ロス削減に貢献。2003年に商業化してから、オーストラリアと欧州の大手スーパーで採用が進んでいる。

 エバールはプラスチックの中で最高レベルのガスバリア性を持つ。包装材内への酸素侵入量を最小限に抑え、酸化や腐敗による劣化を防ぐことで、食品のロングライフ化に貢献する。

 今回の展示では

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