DICは19日、2020年12月期(1-12月期)の連結業績を発表した。売上高は前年比9%減の7012億円、営業利益4%減の397億円、経常利益12%減の365億円、純利益44%減の132億円となった。
オンラインによる決算会見の中で、古田修司執行役員・最高財務責任者は「通期ではコロナ禍の影響による落ち込みが響き減収減益となった。第4四半期(10-12月期)は、
2021年2月22日
2021年2月10日
2021年2月1日
DICは29日、商業施設やオフィスビルなどの屋内環境で温度・湿度・照度のセンシングに利用する、やわらか無線センサー「ハッテトッテ」の受注を開始したと発表した。
同製品は、場所を選ばず簡単にセンシングが行えることから、あらゆるモノがネットにつながる「IoT」社会の実現に貢献することが期待される。
温度や湿度などを測るセンサーは有線タイプが主流だが、既存施設へ設置しづらく、テナントやフロアレイアウトの変更時に適所設置できないなどの課題があった。また、無線タイプの場合も、従来製品の多くは筐体がプラスチック成形品のため、取り付けが簡便な両面テープでの固定では落下の危険性があり、加えて、センサーのデザインと施設デザインとの不調和に対して改善を求める声も高まっていた。
こうした中、DICは、これらの課題を解決するため、「ハッテトッテ」を開発。同製品は、設置の簡便性、軽くて薄い形状(厚さ5.8㎜、重さ約38g)と空間デザインを邪魔しない意匠性、電池内蔵で一切の配線不要、LoRaWANにより長距離通信が可能といった特長を備えている。近日中には、IPX6相当の防水を備えた屋外向け製品も受注を開始する予定だ。
同社は、「CO2センサー」や「距離センサー」などのラインアップ拡充を検討。3密検出、オフィス・商業施設などの環境改善と省エネ、介護施設の感染症警告やヒートショック回避、1人暮らしの見守り、美術館の展示物保護、工事現場の熱中症警告など幅広い用途への展開を図り、2023年には売上高3億円を目指す方針だ。
2021年1月26日
DICは25日、国内初となる抗ウイルス・抗菌機能をもつ3Dプリンタ向け熱可塑性プラスチック材料(フィラメント)を開発したと発表した。同製品は国際標準化機構(ISO)が規格する試験での効果が確認されており、製品の表面に付着した特定のウイルスや菌の増殖を抑え減少させることができる。
3Dプリンタ材料市場は、造形方法の技術革新の進展や材料の多様化・高機能化、造形品の試作品から最終製品へのさらなる適用拡大といった要因から大きく伸長している。世界市場の成長率は2018~2023年まで年平均21.2%増で推移する見込みであり、2023年の市場規模は約4751億円になると予測されている(矢野総合研究所調べ)。一方、新型コロナの感染拡大が続く状況下では、消費者の衛生面への関心の高まりから医療施設や公共施設だけでなく、日常生活のあらゆる場面で抗ウイルス・抗菌製品の使用を求める声が多くなっている。
こうした中、同社が開発した3Dプリンタ向けフィラメントは、抗ウイルス・抗菌機能をもつ熱可塑性ポリウレタン樹脂(TPU樹脂)を採用。TPU樹脂は柔軟性や耐摩耗性を備えることから、フェイスシールドやマスクなど医療や衛生用途での活用が期待できる。それ以外にもウイルス感染対策が求められ、かつ顧客ニーズに応じてカスタマイズが必要な造形品への展開が可能だ。同社は今後、電子・電気、スポーツ、日用品、住宅・建材、自動車など幅広い業界への展開を視野に入れ、2021年度中の販売を目指す。
DICグループは中期経営計画の中で、事業の質的転換と新事業の創出による事業ポートフォリオの転換を基本戦略に据えている。3Dプリンタ用材料については、すでに光造形用のコンパウンド材料を展開しており、熱可塑性プラスチック材料をラインアップに加えることで新たな事業の基盤化を推進していく考えだ。
2021年1月25日
DICは22日、AI専門組織として「データサイエンスセンター」(DSC)を新設したと発表した。同社では、近年、研修などを通じて約200人のAI分野のスペシャリストを社内で育成してきた。また、昨年からは、東京大学を拠点とした「量子イノベーションイニシアティブ協議会」や、応用脳科学コンソーシアム発足による「脳モデル開発ユニット」などにも参画し、外部機関とのAI分野での研究活動を積極的に行っている。
こうした中、DSCを新設し、データサイエンティストやAI活用エンジニアといったAI(MI)専門人材およそ30人の精鋭を技術統括本部内にて組織化。データサイエンスの技術部門への活用やAI活用による全社業務効率化を加速させることをミッションに定めた。同社は今後、DSCを強化するため総額30億円規模を投資し、①社内のAI(MI)人材の育成強化や専門知識をもつ人材の採用を通じ、DSCを2023年度までに100人に拡大、②外部のAI(MI)専門企業との協業を推進し、短期間での高度なAI(MI)技術を開発・発展、③データサイエンス活用基盤としてデータベースの整備やAI基盤関連に積極投資、などを実現していく。
同社は、中期経営計画の中で、質的転換による事業体質強化と社会の課題・変革に対応した新事業創出といった2つの基軸による事業ポートフォリオ転換を基本戦略に掲げる。DSCを新設することで、新製品の開発期間の半減と重要開発テーマ数の倍増と実現を目指す。
また、DSCを通じて最先端AI(MI)技術を深耕・開発することで、技術開発の分野だけでなく、生産部門でのスマートファクトリー化計画との融合や、営業・補管部門のサプライチェーン最適化、働き方改革を目指したデジタルトランスフォメーションとの融合などを図り、2023年までに全社業務の効率化を段階的に実現していく考えだ。
2020年12月24日
DICはこのほど、電子機器などの放熱用途で用いられるアルミナフィラー(充填材)の板状アルミナ「CeramNex(セラネクス)AP10」を開発したと発表した。同製品は、来年1月より長瀬産業を総代理店として販売開始する。今後は品番ラインアップを拡充し、日本、中国、韓国、台湾、欧米地域の自動車部品および電子部品関連メーカーへの販売を視野に入れ、2025年までに売上高8億円を目指す。
自動車やエレクトロニクスの分野においては、CASEや次世代通信規格5Gの普及に対応するため部品の小型化や高性能化が進むが、これに伴って機器の内部で発生する熱の除去が重要となっている。アルミナフィラーは熱的安定性が高く、自動車や電子機器の部材の放熱用途などに充填剤として用いられている。樹脂部材に熱伝導性を付与するため、大量に用いる配合設計が行われることがあるが、大量のフィラーは成型性を低下させ、成形物の機械強度を低下させる要因にもなる。
こうした中、同社が独自の合成方法で開発したアルミナフィラーは、粒状や不定形な形状をした一般的なアルミナフィラーとは異なり、〝高い結晶性〟を持ち、アスペクト比が高い〝板状〟であることが最大の特長。そのため、他の形状のアルミナフィラーと比べ、少量の添加で高強度化が望めるため、軽量化に貢献する。加えて、添加物表面の平滑性が向上するため、幅広い用途でも利用することが可能だ。
同社は有機材料を基盤技術とした事業展開をしているが、今回の製品開発を足掛かりに無機材料も基盤技術に加え、既存の基盤技術では展開が困難であった新たな領域に事業を拡大していく考えだ。
2020年12月23日
DICはこのほど、大和インベスター・リレーションズ(大和IR)が選定する「2020年インターネットIR表彰」において、特に優秀なIR(株主・投資家情報)サイトを構築し、情報開示ならびにコミュニケーション活動で有効に活用している企業として優良賞を初めて受賞した。
同表彰は、企業IRはインターネットに包摂されるという「5T&C」の考え方のもと、大和IRが上場企業3883社のホームページを調査・評価し、総合的に優れたIRサイト企業を対象に表彰する制度。
DICは、インターネットIRにおける基本項目を審査する一次審査、大和IRスコアボードに基づく二次審査、英語版IRサイトの評価を対象とした最終審査を経て、優良賞の1社として選出された。なお、受賞者は同社を含めて、最優秀賞7社、優秀賞21社、優良賞116社が選定されている。
同社では、コーポレートコミュニケーション強化の観点から、今年2月に社外向けサイトを全面リニューアルし、株主および投資家へのIR情報のタイムリーな発信や充実に努めている。今後も株主および投資家のニーズに対応できるよう、IRサイトの情報拡充、見やすさ、使いやすさの向上に継続的に取り組んでいく。
2020年12月18日
DICはこのほど、グローバルなサステナビリティのベンチマークである「ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックス・アジアパシフィック」(DJSI AP)の構成銘柄に6年連続で採用されたと発表した。同インデックスは、「持続的に成長する企業」を選出しESG投資の評価指標として、世界の投資家から重要視されている。
DJSI APは、米国・S&Pダウジョーンズ社と調査機関であるスイス・ロベコSAM社が共同で開発した「DJSI」シリーズの1つ。アジアパシフィック地域の対象となる主要企業約600社が、サステナビリティの視点で経済・ガバナンス、環境、社会の3側面を評価され、今年度は全体で158社、素材産業からは16社(化学セクター7社)が採用された。
DICは、気候変動戦略や製品スチュワードシップ、環境効率、環境レポーティングなどの項目について高い評価点を獲得した。グローバルなCO2削減目標やTCFD提言に沿った情報開示、環境汚染の予防に向けた取り組みなどを推進している。今後さらに事業を通じた社会と環境への貢献を高めるために、今年度は独自のサステナビリティ指標を策定している。
DICは、今回選定された「DJSI AP」のほか、「FTSE4Good Index」など世界的なESG投資指標の構成銘柄にも選定され、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が選定したESG投資指標である「MSCI日本株女性活躍指数(WIN)」「MSCI ESGセレクトリーダーズ」「FTSE Blossom Japan Index」「S&P/JPXカーボン・エフィシエント指数」にも選定されている。
2020年12月4日