【新年特集】わが国化学産業 コロナ下でも持続的成長を追求

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2022年1月5日

環境貢献と収益拡大がテーマ、石化再編の動きも

 わが国化学産業は、世界経済が回復基調を強めたことや、石化市況が高騰したこともあり、各社の上期収益は改善傾向となった。しかしコロナ禍の収束が見えず、原燃料価格が高止まりとなるなど、依然として予断を許さない状況が続いている。また昨年開催されたCOP26では、各国が石炭火力の段階的削減で合意するなど、世界的にグリーン化の流れが一段と加速した。企業に対しても環境貢献への要請が強まっており、いかに環境貢献と収益拡大を両立させ、将来のありたい姿を実現するかが大きなテーマとなっている。

 一方、コロナ禍によって、新たな課題も顕在化してきた。コンテナや人手不足による物流の混乱、米中対立を起点とした経済のブロック化など、サプライチェーン(SC)が分断されつつある。各社は、地産地消化やSCの再構築に取り組むとともに、他社との連携や協業など、より柔軟な対応が求められそうだ。

 こうした中、国内では昨年12月に三菱ケミカルが石化事業のカーブアウトを発表。改めてコンビナートの将来性がクローズアップされた。人口減による需要減や設備老朽化といった問題に、カーボーンニュートラルの視点が加わっており、今後は統合・再編に向けた議論がより活発化していくと見られる。

 今回の「新年特集号」では、ウィズコロナの時代に、いかに成長戦略を実行し勝ち残っていくのかをテーマに、化学業界を代表する首脳の方々に方針や展望を聞いた。

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◇インタビュー◇

三菱ケミカル代表取締役社長 和賀昌之氏
▽ビヨンド・ゼロへ、50年に向けプロセス・原料転換を模索

旭化成代表取締役社長 小堀秀毅氏
▽次の百年も持続的な成長・拡大、今年は変革への分岐点

三井化学代表取締役社長 橋本 修氏
▽新事業ポートフォリオで成長加速、グリーン化は全社の基盤

昭和電工代表取締役社長 髙橋秀仁氏
▽完全統合に向け新体制、価値観共有による人材育成を図る

積水化学工業代表取締役社長 加藤慶太氏
▽構造改革と技術革新で収益力向上、目標達成に向け成長加速

東ソー代表取締役社長 山本寿宣氏
▽収益改善で中計目標をクリア、次期中計ではCNにコミット

JSR代表取締役社長兼COO 川橋信夫氏
▽DSとLSに傾注、事業基盤を固めて成長加速

【新年特集】JSR代表取締役社長兼COO 川橋信夫氏

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2022年1月5日

DSとLSに傾注、事業基盤を固めて成長加速

 ━2021年を振り返って。

  昨年はコロナ禍が収まらない状況だったが、世界経済全体が回復傾向となり、当社の各事業も収益が改善した。事業別に見ると、石油化学系のエラストマー事業は、対面業界である自動車業界の生産が戻ってきたことで販売量が増加し、コロナ禍前の2019年度と比較して上期の売上は90~95%の水準まで回復した。しかし、半導体不足や東南アジアからの部品の供給が滞った影響で自動車生産が減少し、9~10月をピークに下降傾向となっている。4Q(1―3月期)の状況を注視しているところだ。

 また同事業は、4月1日にENEOSへの譲渡を決定しており、それに向けた準備を進めている。ABSを中心とした合成樹脂事業も同様に、需要が戻ってきた。特に、車室空間の静音性に貢献する、きしみ音がしない「ハッシュロイ」は景気の動向に左右されず伸長している。

 一方、デジタルソリューション(DS)では、半導体材料が極めて好調となった。ウエハー市場は年成長率が8~10%と言われているが、当社の材料事業は

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