積水化学 創薬支援事業拡大へ再生医療ベンチャーと提携

, , ,

2018年9月14日

 積水化学工業は13日、再生医療関連製品の研究・開発・製造・販売を行うサイフューズ(東京都文京区)と業務提携契約を締結したと発表した。サイフューズが開発を進めている肝臓構造体を、積水化学100%子会社の積水メディカルが事業展開する創薬支援事業に適用することが狙い。

 積水化学の高機能プラスチックスカンパニーでは、戦略分野の1つに「ライフサイエンス」を位置づけ、積水メディカルを中核としてメディカル事業の拡大に注力している。積水メディカルでは、2016~20年度の5カ年の中期経営計画「飛躍 HIYAKU 2020」で「フロンティア拡大」を基本戦略の一つに位置づけ、欧米を中心とした創薬支援事業の拡大を図っている。

 創薬支援事業は、積水化学の米国の連結子会社SEKISUI XENOTECHを拠点とし、欧米を中心に展開をしており、インビトロ試験受託能力増強と積水メディカル国内拠点との連携強化により事業拡大を図っている。

 一方、提携先のサイフューズは独自の3次元細胞積層技術により、スキャフォールドを使用せずに立体的な組織・臓器を製造する技術を持っており、再生医療分野で骨軟骨や血管、末梢神経などを再生する画期的な細胞製品の実用化を目指している。

 また、サイフューズは細胞版の3Dプリンタ「regenova」を開発・販売し、基盤技術の普及を進めるほか、創薬分野でも新薬開発における安全性試験と毒性評価試験ツールとして、高い肝機能を長期間にわたり発現する立体的な肝臓構造体の開発を行っている。

 積水化学は今回の提携を通じて、創薬支援事業だけでなく、再生医療領域での知見を深め、将来、ライフサイエンス分野での業容拡大につなげていく考え。また、積水化学の高機能プラスチックスカンパニーでは、戦略分野を拡大・強化するために、ベンチャーやアカデミアとの協業を加速し、新技術・新事業の探索に向け、今後も同様の提携を推進していく方針だ。