積水化学工業は30日、2019年4-6月期の連結業績を発表した。海外でのスマートフォンや自動車などの市況が期初の想定を超えて低迷した影響を受けたが、戸建て住宅の引き渡しの増加や国内の建築用管材の販売拡大などにより、増収・営業増益となった。他方、経常利益と純利益は、為替差損や投資有価証券評価損の影響により減益だった。
売上高は前年同期比3%増の2496億円、営業利益15%増の108億円、経常利益3%減の113億円、純利益61%減の29億円。
セグメント別で見ると、住宅カンパニーは売上高14%増の1074億円、営業利益は黒字化し39億円増の24億円。前年同期を上回る戸建て住宅の期初受注残高の下、四半期ごとの施工平準化の取り組みを推進し、増収増益となった。新築住宅事業では、体感型ショールームの展開やモデルハウス増強、営業人員の増強などの体制強化に注力。リフォーム事業は、蓄電池によるエネルギー自給自足提案を中心とした戦略商材の拡販を図った。
環境・ライフカンパニーは売上高2%増の513億円、営業利益29%増の14億円。売上高は、国内の重点拡大製品の販売と海外事業が順調に拡大し増収。営業利益は、戦略投資による国内の固定費の増加を、数量・構成の拡大でカバーし、第1四半期としては最高益だった。
高機能プラスチックカンパニーは売上高7%減の785億円、営業利益22%減の89億円。海外市況の大幅な低迷の影響を受け減収減益となった。エレクトロニクス分野では、基板・半導体など非液晶分野への拡販の取り組みは進捗したものの、モバイル端末の市況悪化が響いた。車輌・輸送分野では、欧州の自動車市況の回復遅れ、中国市場の著しい減速、さらに米国市場での自動車販売の停滞の影響を受けた。住インフラ材分野は堅調だった。
成長加速を図るため、高機能プラスチックスカンパニーから独立させたメディカル事業は売上高1%減の162億円、営業利益5%減の16億円。主力の検査事業は、国内外での販売が順調に推移したが、医療事業での受注減少などが響き、減収減益だった。
なお、上期の連結業績予想は、為替レートの円高シフトなどを理由に売上高を下方修正したものの、2019年度(2020年3月期)の通期連結業績については予想を据え置いた。