創立80周年を迎え、さらなる収益力向上のサイクルを回す
━2018年度の業績の総括をお願いします。
当社グループは、2016年から推進してきた中期経営計画「Project 2020+」で、持続的成長に向けた収益基盤の強靭化を推進してきました。この結果、2018年は黒鉛電極事業において統合効果の顕現と国際市況の上昇により大幅な増収となったほか、すべてのセグメントで中計目標を達成し、過去最高の営業利益を達成しました。すべての事業で収益力が向上した結果です。
━2019年度の景気動向と事業環境の見通しや、米中貿易摩擦の影響を教えてください。
18年後半から懸念された中国景気減速については、中国政府による景気刺激策により持ち直しの傾向が見られたものの、米中貿易摩擦の長期化が中国経済に直接的・間接的に影響を与え、不透明感が強まっているように見えます。この問題は米中だけにとどまらず、原材料在庫、流通在庫の調整が起こるなど、世界経済全体に大きな影響を及ぼしており、この状態が継続するのか、引き続き注視する必要があります。日本経済への影響については、2018年後半から中国への電子材料や各種機械装置の輸出、メモリや半導体需要の低迷が表面化しています。2019年下期は