カネカの4‐9月期 海外の需要鈍化など響き減収減益に

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2019年11月13日

 カネカの2020年3月期第2四半期連結決算は、アジア・欧州での需要の鈍化、自動車産業やエレクトロニクス産業の低迷と円高の影響により、売上高が前年同期比2%減の2999億円、営業利益は同29%減の128億円、経常利益は同39%減の97億円、四半期純利益は同43%減の60億円。

 Material Solutions Unitは大幅な減収減益。Vinyls and Chlor‐Alkaliの塩化ビニル樹脂・塩ビ系特殊樹脂は、インドなど海外の需要が堅調に推移。か性ソーダはアジア市況の低迷が続いており、同事業減速の大きな要因となった。

 Performance Polymersのモディファイヤーは世界経済の低迷による需要減の影響を強く受けた。変成シリコーンポリマーについては、昨年12月に稼働したベルギーの能力増強設備が収益に貢献した。

 Quality of Life Solutions Unitでは、Performance Fibersは米国などアフリカ以外の先進国でも需要開拓が進み収益力を牽引。Foam & Residential Techsは販売価格の転嫁を進め収益が大幅に改善した。

 発泡ポリオレフィンは世界的な貿易摩擦による市場の混乱を受け、自動車向け販売が減少した。E & I Technologyの超耐熱ポリイミドフィルムと超高熱伝導グラファイトシートは、スマートフォン市場の減速の影響を強く受けた。

 Health Care Solutions Unit Medical Devicesについては、高機能バルーンカテーテルや消化器用カテーテルなど新製品が販売の拡大を牽引し、国内・海外市場で販売が拡大した。Nutrition Solutions Unitは、Foods & Agrisで、大手製パンやコンビニ、食品メーカーへの積極的な提案型営業により収益を伸ばした。

 通期の業績予想については、Material SUを中心として、上半期の販売減・利益減の影響が残ることから下方修正した。売上高は前期比1%増の6250億円、営業利益は同11%減の320億円、経常利益は同17%減の260億円、当期純利益は同19%減の180億円を見込んでいる。