田中 今年度上期(4-9月期)の収益は比較的堅調だった。エラストマー事業は減収減益だったが、高機能材料事業は増収増益となり売上と利益は過去最高を達成した。
エラストマー事業は、原料高と国内外の市況が厳しいことから苦労しているが、高機能材料事業は、大型テレビ、スマートフォン向けCOPフィルムは好調であり、LIB用バインダーも比較的堅調となった。下期(10-3月期)に入っても、原料価格や製品市況、為替などの動向を含め、引き続き事業環境は大きく変わっていない。
━対面市場ではどの分野に注目していますか。
田中 高機能材料の新しい用途展開として、医療業界、ディスプレイ業界の動向に注目しているが、今後期待しているのは半導体業界だ。当社にとってビジネスの可能性が出てきており期待が大きい。8月に発表した電子線レジストの採用が進んでいることに加え、サーバーに使われる新しい放熱材「TIM」が来年度から本格的に採用される見通しとなっている。
また、一時低迷していた絶縁材料も持ち直しの兆しも出てきた。一方、自動車業界は